「サンダーバード ARE GO ブルーレイ&DVD コレクターズBOX1」発売記念!河森正治さんスペシャルインタビュー!!【プレゼントあり】
イギリス生まれの名作TVシリーズ『サンダーバード』が、50年の時を超えて帰ってきた! 装いも新たに、最新の特殊効果とCGアニメーションによってパワーアップした新作『サンダーバード ARE GO』が、現在、NHK総合テレビにて放送中です。
そして、早くもBlu-ray&DVDソフト化が実現し、「サンダーバード ARE GO ブルーレイ&DVD コレクターズBOX1」がリリース中。特典映像として、ミニチュア撮影やアフレコ現場などのメイキング映像のほか、本作に登場する新メカ、サンダーバードS号のデザインを手がけた河森正治さんのインタビューが収録されていることでも話題です。そこで、本品の発売を記念し、河森さんに新旧の『サンダーバード』の魅力について聞いてみました。
――旧作の『サンダーバード』の誕生から50年が経過し、装いも新たに登場した新作『サンダーバード ARE GO』。その劇中で活躍する新メカのデザインを依頼された当初のお気持ちは……?
河森:すごく嬉しかったです。まさかそんな日が来るとは思っていなかったので、「この仕事を続けていてよかったなぁ……」と、改めて思いました(笑)。旧作の『サンダーバード』に夢中になっていたのが小学校1、2年生の頃で、サンダーバードの各メカニックの描写や発進シークエンスに惹きこまれていました。もちろん、インターナショナル・レスキューの隊員たちも、とても個性的で魅力を感じていました。公園の滑り台で、(サンダーバード2号の発進シークエンスをイメージして)バージル(2号のパイロット)のように後ろ向きになって、途中で止まって、また方向転換してから滑り降りる……というのを、何度やったかわかりません……(笑)。それくらい『サンダーバード』の作品世界にハマっていました。
――河森さんにとっては、1960年代の初回放送当時が『サンダーバード』の原体験ということなんですね! プラモデルも大人気で、社会現象にもなったそうですが……。
河森:プラモデルは発売されていたんですけど、なんだか買って作るのがしゃくだったんです……。現在、キャラクタープラモデルの監修といった仕事もしている立場で言うのは何なんですが、当たり前の話、プラモデルはそのまま組み立てれば一応出来上がります。でも、当時の僕は“意地でもそのままのは作りたくない!”なんて思っていた、ちょっと変わった小学生だったんですよ。あまのじゃくなところがあって、それで、市販のプラモデルではなくペーパークラフトを自作していました。当時はビデオがなかったので、細かい所が分からなくなったら、お店に『サンダーバード』のプラモデルを見に行って確認していました。
――サンダーバードの救助メカは1号~5号、さらにはコンテナメカなどもありますが、そのペーパークラフトというのはもしかして……。
河森:サンダーバード2号です!
――そのペーパークラフトは、現存しているのでしょうか……?
河森:子どもというのはひどいもので、庭で焚き火をして「この炎の中から脱出できるか!?」なんて言って、投げて遊んでいるうちに燃やしちゃいましたから、まったく残っていません(笑)。
――まさか、そんな展開が待っていたとは……! 現物をひと目でいいから見てみたかったです。小学生の頃からクリエイター魂があったんですね! それでは、メカデザイナーとしての視点から、まずは旧作の『サンダーバード』の魅力についてお聞かせください。
河森:本当に、当時の技術でよくこんなに凄いレベルの作品を作って、しかもテレビシリーズでできたものだな……と思います。絵作りがとても上手。あそこまで思い切った構造は、なかなかできませんよね……。当時、45分の枠をフルに使って1つのミッション(インターナショナル・レスキューの救助活動を描く)を行う、そういう作品を作ろうとしたこと自体が凄いと思います。
――それでは、河森さんが一番好きな『サンダーバード』に登場するメカニックは……?
河森:サンダーバード2号です。もう、この気持ちはどうにもならないですね……(笑)。あの独特の丸みを帯びたフォルム、機能、両方が究極だと思います! いくらメインで活躍するからといって、輸送機があんなに愛されるなんて、普通はないですよね。戦闘機でもない、攻撃もしない輸送機が、数多く立体化されているという時点で驚異的ですよ。
――さて、新作の『サンダーバード ARE GO』には、河森さんがデザインを手がけられた新メカ、サンダーバードS号が登場しています。S号の「S」は、SHADOW(シャドー)の「S」を意味しているそうですが……。
河森:デザインのオファーをいただいた時には、まだS号という名前は決まっていませんでした。トレーシー・ファミリーの護衛をする機体を新規で作る、ということにはなっていて、サンダーバード1号~5号は旧作の機体を現代風にアレンジするので、それとは違ったテイストで、まったく新しい機体を! という依頼でした。
――これまでのお仕事と比べて、何か大きく違ったことや、産みの苦しみなどはありましたか……?
河森:S号のデザインのオファーをいただいてから割りと早い時期に、監督のデビッド・スコットさんが来日して、直接話すことができたんですが、そこから先のやり取りがスカイプなどを使ってだったので、直接顔を合わせて話す時間を多く取れなかったのが、唯一大変だったところでしょうか……。
それでも、その後にサンディエゴで開催されたComic-Conで、新作を制作するリチャード・テイラーさんとお会いできたんですよ。そこで、ITVの方や、シナリオライターのロブ・ホージーさんも集合する機会があり、Comic-Conの裏でデザイン画を見ながら打ち合わせをしました(笑)。やっぱり、面と向かって話した方が(アイデアが)絞り込めますね。
――そうして完成したサンダーバードS号ですが、河森さんのこだわったポイントは……?
河森:大きいポイントとしては、やはり「シャドーバイク」ですね。コクピットが分離してバイクになる、というアイデアはこちらから提案して気に入ってはもらえたんですけど、それが最終的に本編に採用されるかどうかはわかりませんでした。日本のトイ・メーカーなら間違いなくできるんですが、海外の子ども向けに作っている作品の中で、どのようにフォルムやギミックを再現できるのか、そこはドキドキしていましたね。全体のフォルムについては、自分なりにいろいろとテストをして、サンダーバード2号のノズル、水平尾翼や垂直尾翼の繋がり具合、そして、前進翼はあえて残そうと思いました。S号には「サンダーバード」という名称は付いていますが、護衛や偵察といった任務が主なメカニックなので、サンダーバードの救助メカとは少し意味合いが違ってくるんです。そういった関係もあって、「高速戦闘機のような形状になるけれどいいでしょうか?」と提案したら、その方向で作ることになりました。
――第2話のラストシーンで初登場となりましたが、S号の勇姿をご覧になったご感想は……?
河森:嬉しかったですよ! 一番嬉しかったのは、サンダーバード1号、2号、3号といったメインのメカニックが並んでいる格納庫にS号も一緒に置かれているというシチュエーションに感動しました!
旧作においても、格納庫からの発進シークエンスが大好きだったんですが、今回の『サンダーバード ARE GO』もそれが上手くできていて、5号以外はワンショットで撮れるように各メカニックが配置されているんです。そのサンダーバードメカたちの前にS号を配置してもらえたことがとても嬉しかったです。当然、トレーシーアイランド(インターナショナル・レスキュー&サンダーバードメカの秘密基地)が出てくるところでは気持ちがノリますしね。
ニュージーランドにモデリングのチェックに行った時、トレーシーアイランドの撮影中で、実際のセットを見ることができたんですよ! これも嬉しい出来事のひとつでした。
――新作は、人とメカはCGアニメーション、背景等がミニチュアセットで撮影されているそうですが、トレーシーアイランドのセットとなるとかなりの大きさなんでしょうね……?
河森:大きかったですよ! トレーシーアイランドだけでも全長が4~5メートルぐらいあって、その周りには池が作られているんです。タイミングよく、撮影が行われていた日だったので、「いいところに来たね!」なんて言われました(笑)。
ミニチュアを使った撮影手法も、旧作とほぼ同じやり方とのことでした。一般的な体育館よりも大きな倉庫に、プールとトレーシーアイランドのセットが配置されていて、サンダーバードの各メカが待機している格納庫のセットまで置いてあるんです。旧作と新作のサンダーバードメカのデザインは、それぞれ微妙に違いはありますが、頭の中は完全に50年前にタイムスリップして、「あの時の現場もこうだったんだ!」と、思わず興奮してしまいました。
リチャードさんが、「昔のサンダーバードと同じように、家電製品などを使ってプロップを作っているんだ」と教えてくれて、振り返ったらトースターやレモン絞り器なんかが置いてあって驚きました。CGアニメのキャラクターのルックスも、旧作の撮影で使われた人形のイメージを採りいれたりして、とても工夫していると思います。お金さえかければ、CGで生身の人間もほぼ再現できる時代になりましたが、『サンダーバード ARE GO』のスタッフは、「ミニチュアとCGのキャラクターが合成される作品は世界にほぼ無いので、それに挑戦するんだ!」と言っていました。
そういった心意気によって作られた作品に関われる良いチャンスをいただけたこと、そして、その撮影現場に行けたこと嬉しい限りです(笑)。
――誕生から50年が経っても世代を超えて愛され続けている『サンダーバード』。その理由についてはどう思われますか……?
河森:インターナショナル・レスキューが持っている“特別なヒーロー性”とても大きいでしょうね。世界中のどんなところにでも行って救助活動をするけど、肩肘は張っていない。眉間にシワを寄せて行動することのないあのスタンスから、彼らがプロフェッショナルであるという感じが伝わってくるんです。だから、大人も子供も興味を持てるんだと思います。それから、あの徹底的に拘わったリアルなメカニック描写! (各メカが出動する)段取りをあそこまで細かく見せるという演出は、『サンダーバード』がほとんど初めてだったんじゃないかな……と思います。
――今回発売された「サンダーバード ARE GO ブルーレイ&DVD コレクターズBOX1」では、まだサンダーバードS号の全貌は明らかになりませんが、『サンダーバード ARE GO』のファンの皆さんへメッセージをお願いします。
河森:50年の時を超えて、あの『サンダーバード』が蘇りました! 『サンダーバード ARE GO』は、子どもたちが観ても充分に理解できる、親子揃って楽しめる作品です。メインの視聴者層が3~8歳と聞いたときはひっくり返りそうになったんですけど(笑)、その年齢層の子どもたちも観て喜んでくれている、という話を聞くと嬉しいですね。旧作のジェットモグラも、実際に活躍する回はそう多くありません。それでも、キャラクター性が立っていたので強く印象に残っているんです。サンダーバードS号もそういった存在になってくれたらいいな……と思っています。
――本日はお忙しい中、ありがとうございました。
【河森正治】(かわもり・しょうじ)
1960年2月20日生まれ。富山県出身。メカニックデザイナー、アニメーション監督・演出家。1982年、アニメ『超時空要塞マクロス』の主役ロボット、可変戦闘機バルキリーをデザイン、一躍脚光を浴びる。代表作は『マクロスシ』シリーズ、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』、『創聖のアクエリオン』など。最新作は現在放送中の『マクロスΔ』。
直筆サイン入りポストカードをプレゼント!
河森正治さんの直筆サインが入ったポストカードをプレゼントします。【サンダーバード ARE GO ブルーレイ コレクターズBOX1】と【サンダーバード ARE GO DVD コレクターズBOX1】の封入特典のひとつ、河森正治“サンダーバードS号”デザイン原案 ポストカードにサインしていただいた貴重なアイテムです!
アンケートにお答えいただいた方の中からこのアイテムを抽選で各1名様にプレゼントするので、下記のページよりふるってご応募ください!
⇒プレゼント応募フォームはこちら!
※このアイテムのプレゼント番号は「14」です。
※応募締め切りは、2016年5月31日24時まで
※応募要項の詳細は「プレゼント応募フォーム」でご確認ください。
DATA
サンダーバード ARE GO ブルーレイ コレクターズBOX1
- 価格:19,200円(税別)
サンダーバード ARE GO DVD コレクターズBOX1
- 価格:15,200円(税別)
【ブルーレイ&DVD 共通初回限定特典】
- 特典映像①:『Reggie & Thunderbirds : No Strings Attached』
イギリス本国で放映されたITV製作のスペシャル番組。貴重なメイキング風景やスタッフインタビューなど盛りだくさん!
- 特典映像②:河森正治「サンダーバードS号」を語る PART1
新メカ「S号」のデザインを手がけた河森正治氏が、アイディアの起源とデザインの変遷を、貴重な図番を交えて徹底解説。
- 特典映像③:ギャラリー(静止画集)
- 封入特典①:「オールカラー32頁特製ブックレット」
- 封入特典②:河森正治“サンダーバードS号”デザイン原案 ポストカード
- 発売中
- 製作:2015年 イギリス=ニュージーランド
- 発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
※「サンダーバード ARE GO DVD コレクターズコレクターズBOX2」も発進準備中、乞うご期待!
関連情報
- NHKアニメワールド サンダーバード ARE GO – NHK.com
- サンダーバード ARE GO ブルーレイ コレクターズBOX1 (初回限定生産) [Blu-ray]
- サンダーバード ARE GO DVDコレクターズBOX1 (初回限定生産)
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