KADOKAWAが美少女プラモデルへの参入を突如発表!果たしていかなるブランドを目指すのか!?その真意を開発担当者に直撃インタビュー!!【前編】
2023年9月、KADOKAWAは美少女プラスチックモデル「KADOKAWA PLASTIC MODEL SERIES」を展開することを突如発表し、ホビー業界の注目を集めました。果たしてKADOKAWAが満を持して乗り出す新ブランドはどのようなものとなるのか? 本記事ではKADOKAWAにてプラスチックモデルアイテムの開発を担当するお2人にお話をうかがいました。
実は「好きだから作りたい」という個人の想いが原点
――お2人はどのような経緯でKADOKAWAでプラスチックモデルの開発に携わることになったのでしょうか?
O氏:私は玩具メーカーに17年勤めておりまして、企画職をずっとやっておりました。その後に転職した別のメーカーで美少女プラスチックモデルの企画が立ちあがったんですけど、それが途中で頓挫してしまいまして……。事業を完遂できなかったという悔しい想いを抱えながら転職活動をし、現在のKADOKAWAでグッズやフィギュアなどの商品開発を行うMD事業局という部署に所属することになった次第です。
I氏:私はメーカーでキャラクターグッズや雑貨系を扱っていまして、ずっと物作り系の会社で企画職をしておりました。その流れでKADOKAWAに入社したところ、O氏が既にプラスチックモデル企画をスタートしていたという形ですね。
――Oさんは本企画の立ち上げ時からのメンバーということですね。
O氏:はい。私が転職活動中にKADOKAWAへの志望動機を聞かれた際「美少女プラスチックモデルをやりたい」と答えたところ、MD事業の部門でちょうどこのジャンルを検討していたタイミングでして、入社後すぐに企画を提案し、スタートすることになりました。
――そもそも、どうしてプラスチックモデル商品の展開にチャレンジしようと思ったのでしょうか?
O氏:「KADOKAWAの作品やキャラクターの魅力を、より多くの人にお届けするには」と考えた際、昨今の美少女プラスチックモデル人気が非常に高まってきている背景からチャレンジしてみようと思いました。あとは私が純粋にプラスチックモデルが好きと言うこともありますね(笑)。
I氏:私もプラスチックモデルが好きで、想いとしては「とにかく作りたい」というのが先にありました。好きだから作りたい。好きだから仕事にしたい。根本のところはそこですね。
――実際どんな風にお仕事をされているのでしょうか?
O氏:設計や生産は専門の会社や工場にお願いしますが、企画・開発はKADOKAWA社内で行っていきます。もちろん開発から他社に請け負ってもらう「OEM」という形態も選択肢として検討はしたんですが、単発だったり短期的にやるのであればそれでもいいんですけど、我々としてはこれは本当に中・長期的に取り組むべきミッションだと位置づけていますので、苦労してでも自分たちで作ってノウハウを蓄積していこうと決めました。
――それだけ本気というわけですね。
O氏:はい、私としては入社時の志望動機そのものですからね。
――先ほど話に挙がった企画・開発とはどのような業務なのでしょうか?
I氏:どのキャラクターの何を作るかという商品企画を立ち上げ、こんな特徴を盛り込みたいといった仕様を決め、それに伴って機構を考えたり提案するところまでが主な社内の業務となります。
――そうして決まっていったのが現状の、可動、スナップフィット、細かな色分けという仕様だったわけですね。
I氏:はい、そしてそれを元に原型製作、設計、生産といった外部パートナー企業さんに依頼する形です。
――生産工場などパートナー企業はどのように決まっていったのでしょうか?
I氏:プラスチックモデルとは別形態ではありますが、会社としては既に完成品フィギュア商品を開発・発売しておりますので、そこで知見を培ってきた方々に話を聞いたり、紹介してもらったりして、我々が目指すクオリティが実現できると思える外部の方々と提携することができました。このあたりは他の物作りと地続きでやっていることですので、社内で連携して一体感を持って取り組んでいます。それは本当に弊社だからこそできる座組なのかなとは思います。
キャラクターのアイデンティティを大事にし最大限活かす
――ブランド立ち上げにあたってはどんな課題がありましたか?
O氏:立ち上げ当初は、シリーズ共通の可動機構を採用することを検討していたこともあり、まず可動原型を作る方が望ましいと考えていたのですが、開発を進めていく中でキャラクターごとに適した可動機構を適宜開発していく形にシフトしていきました。最終的には、フィギュア制作のノウハウをより活かせる、無垢の原型を作ってから可動機構を仕込む方法を選択しています。
――しかし1つ1つゼロから造形するのは大変なのでは?
I氏:はい。しかし各キャラクターの設定身長の違いはもちろん、同じ身長でも作品によって頭身バランスやデフォルメ具合が異なりますので、共通のボディを作って立体化しようとするとどうしてもキャラクター像とは離れてしまう部分があるんです。もちろん同じ素体で複数のキャラクターをそろえる商品もまた違った魅力や遊び方の広がりはあって、それはそれで魅力なのですが、キャラクターのアイデンティティを大事にし最大限活かすことが、作品やキャラクターの魅力を出せるのでは、という結論に至りました。そういうわけで、キャラクターごとに一から作るという方式で進めております。
――KADOKAWAならではのこだわりなわけですね。
初めてプラスチックモデルを作る人にもキャラクターの魅力が伝わる商品を
――ブランド全体の中で大事にしているポイントなどはあるのでしょうか?
O氏:立体物としてカラフルで可愛いものを目指したいというのは第一にあります。それを実現するために、設定の色分けを成型色とパーツ分割で再現したり、一部工場で塗装したり、組むだけでユーザーがイメージするキャラクターそのものが完成するというのは大事にしている点ですね。
――塗装パーツもあるんですね。
O氏:はい、なるべくシールレス仕様で展開していく予定です。できるだけ手間の種類は減らして、スナップフィットと合わせて、まずは「ニッパー1つさえあればキレイに組み上がる」という、模型を初めて作るというキャラクターのファンの方にもストレスなく作ってもらえる商品を目指しています。
I氏:あとは特徴的なシーンやポーズを再現できるのはもちろんですが、我々はフィギュアから入っているので、それをやりながらも造形として素立ちの自然さ、可愛さにもこだわっています。キレイな造形と可動機構との自然な融合はこだわっているポイントですね。ですので「めちゃくちゃ良く動く!」というよりは、より完璧な見た目にこだわっているという方向性かと思います。
O氏:確かに、可動だけじゃなくて素立ちが美しいというのは珍しいと思うので、商品の魅力としてアピールしていきたいね。
――そうやって各商品としてのクオリティアップに努めていらっしゃるわけですね。では商品単体ではなく、シリーズとしてはどんな特徴をもったブランドとなるのでしょうか?
I氏:現在めぐみんに続くラインナップとして発表している10キャラクターは、プラスチックモデルという形態ではこれまでに商品化されていないものですので、まずは「初のプラスチックモデル化!」というのはウリの1つになるかと思います。
I氏:あとは、キャラクターの通常衣装とは別に、水着仕様も展開されるのが特徴の1つですかね。別衣装であることで遊びの幅はより広がっていくかと思います。
O氏:やはり自分の手で作り上げるプラスチックモデルですから、自分で塗ったり作りこんだりするのも、さらに魅力的なところだと思います。
――電撃ホビーウェブとしても予約のタイミングをその都度告知していきますね。あとは「KADOKAWA PLASTIC MODEL SERIES」の公式X(旧Twitter)と公式サイトをチェックしてもらえれば、情報を見落とすことはありませんね。
O氏:KADOKAWA PLASTIC MODEL SERIESの第1弾、まもなく予約開始いたしますので、みなさんご期待いただければと思います!
I氏:多くのお客様に手に取ってもらえるように鋭意、取り組んで参ります。
>>第1弾商品『この素晴らしい世界に祝福を!』めぐみんの詳細について直撃するインタビュー記事第2回に続く(近日公開予定)
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関連情報
- 「KADOKAWA PLASTIC MODEL SERIES」特設サイト
- 「KADOKAWA PLASTIC MODEL SERIES」公式X(旧Twitter)アカウント(@KADOPLA)
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