オモチャがテレビそっくりに――「仮面ライダー 光る回る電動変身ベルト」五十嵐浩司のお蔵出し 第1回

はじめに

 

電撃ホビーウェブをごらんのみなさん、初めまして。五十嵐浩司と申します。このたび、「五十嵐浩司のお蔵出し」というコラムを連載することになりました。よろしくお願いします。30年以上に渡って集めてきた、オモチャやプラモデル、そのほかキャラクターグッズについて書いていこうと思います。

 

とはいえ「あんた誰?」という方も多いと思いますから、まずは自己紹介を兼ねて、自分のオモチャ初体験を語って行きましょう。

 

自分は1968年、青森県に生まれ育ちました。記憶を遡って最初に浮かんでくるオモチャはポピーの「仮面ライダー 光る回る電動変身ベルト」(1972年発売)です。諸事情で実家を出てアパート暮らしをしていた、北国の短い夏の頃だったと思います。

 

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その頃、『ウルトラQ』の再放送を見て、「バルンガ」と「ガラモンの逆襲」のラスト・シーンが怖くて震え上がっていました。

 

▲『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」より。ガラモンがダムを破壊するシーン。のどかな雰囲気で描かれた「ガラダマ」に対し、続編の「ガラモンの逆襲」は一転してサスペンスタッチに。特にラストの遊星人が処刑されるシーンは衝撃的で、今も忘れられぬトラウマと化した。

▲『ウルトラQ』第13話「ガラダマ」より。ガラモンがダムを破壊するシーン。のどかな雰囲気で描かれた「ガラダマ」に対し、続編の「ガラモンの逆襲」は一転してサスペンスタッチに。特にラストの遊星人が処刑されるシーンは衝撃的で、今も忘れられぬトラウマと化した。

 

▲放送前の1965年11月上旬、東京美術センターに設けられた『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」のセット内で行われた、記者発表会時の写真。記者発表会にはペギラ、パゴス、カネゴン、ゴーガが登場。他にもガラモン、監修の円谷英二氏やメインキャスト3名も参加した。

▲放送前の1965年11月上旬、東京美術センターに設けられた『ウルトラQ』第16話「ガラモンの逆襲」のセット内で行われた、記者発表会時の写真。記者発表会にはペギラ、パゴス、カネゴン、ゴーガが登場。他にもガラモン、監修の円谷英二氏やメインキャスト3名も参加した。

 

▲『ウルトラQ』第2話「五郎とゴロー」より。この回を筆者は再放送で見た覚えがなく、1978年に発売されたLPレコード「ウルトラマン大百科!」で初めて本編に触れることができた。その時は音声だけだったものの、本編に触れることができて大変嬉しかったことを覚えている。

▲『ウルトラQ』第2話「五郎とゴロー」より。この回を筆者は再放送で見た覚えがなく、1978年に発売されたLPレコード「ウルトラマン大百科!」で初めて本編に触れることができた。その時は音声だけだったものの、本編に触れることができて大変嬉しかったことを覚えている。

 

その記憶を頼りに新聞を調査したところ、青森放送が『ウルトラQ』を再放送したのは1972年ということがわかりました。なので、ほとんど発売から間を置かずに手に入れたことになります。

 

04当時は変身ベルトを巻き、三輪車に乗って仮面ライダーになりきっていましたが、タイフーンの“重たさ”が一番印象に残りました。腰に巻いた時に思ったのは、「本物の変身ベルトってこんなに重いんだなー」ということです。確かにタイフーンの外側は金属製だし、中にはモーターやら電池が入っていますから、重いのは当たり前ですね。パッケージにも堂々と「このベルトはライダーに変身する時に使われている物と同じです」と書かれていました。

 

しかし、それだけではありません。立体で造形されていて、かつテレビと同じ機能を備えている――つまりこのオモチャは、外見も中身もテレビに出ている変身ベルトを忠実にすることがテーマとなっています。ゆえにその重さから、自分はテレビに出てくる変身ベルトを想像できたわけです。ポピーの変身ベルトを“本物”として感じられたのは、このような理由からでした。

 

改めて日本のキャラクター玩具史を俯瞰すると、メーカーの“テレビに近づけたい”という意志に技術が追いついたのが1970年代からという感触があります。このリアル嗜好とでも表すべき取り組みは、やがて「超合金」「ガンプラ」を生み出すことになります。間違いなく、「仮面ライダー 光る回る電動変身ベルト」はその急先鋒と見て間違いないでしょう。

 

そんなわけで、コレクションアイテムとともに、当時のおもちゃシーンと自分史を振り返る「おもしろくってためになる」連載にしたいと思ってます。よろしくお願いします~!!

 

 

プロフィール

いがらし・こうじ。1968年、青森県生まれ。1992年よりフリー編集者およびルポライターとして活動中。主なジャンルはアニメーション、特撮、トイやプラモデルのホビー関連。2015年には、アニメーション研究家として「メカニックデザイナー大河原邦男展」の監修を担当している。近作は『スーパー戦隊Walker』『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』(BD解説書)の編集など。

 

 

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