【2万円で始めるフィギュア製作】ワコム「Intuos3D」体験レポ!「ZBrushCore」に触ってきましたよ!!

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ワコムより2016年10月14日(金)に発売される「Intuos 3D(インテュオススリーディー)」のメディア向け体験会が10月5日に開催されました。ここでは、商品の特徴や使用感などをレポート。筆者はデジタル3Dモデリングに関する知識や技術は皆無なので、素人の視点でお届けしていきます!

 

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▲こちらが体験会の会場。ワコムの担当の方にいろいろお話を聞きつつ触ってきましたよ!

 

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▲筆者が体験会で作った3Dモデル。詳しくは下で紹介します!

 

 

「Intuos 3D」で誰でも3Dモデリングが始められる!

まずは商品の基本説明から。「Intuos 3D」はペンタブレット世界シェア1位のワコムが発売する3D製作用商品(オープン価格)。公式のワコムストアでは19,800 円(税抜)で販売されます。

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▲こちらがパッケージ。

 

商品の最大のポイントは、ペンタブレットと3Dモデリング用のソフトがセットになっていて、約2万円程で手に入ること。プロ用ソフトの価格は一般的に10万円台らしく、ソフトの価格がネックで気軽に3Dデビューできない状況でした。そんなハードルを下げるべく登場したのがこのセット商品「Intuos 3D」。対応するパソコンとネット環境さえあれば、誰でも3Dモデリングを始められます。

 

<「Intuos 3D」の主なセット内容>

  • ペンタブレット「Intuos」本体
  • ペン「Intuos Pen」
  • USBケーブル
  • ソフトウェア「ZBrushCore(64bit)」(ダウンロード提供)
  • 3Dプリンター出力サービス「DMM.make 3D PRINT」造形割引クーポン・最大3回(ダウンロード提供)

※詳しいスペックやセット内容は公式サイトの仕様をご覧ください。

 

 

ペンタブレット「Intuos」本体の紹介!

ペンタブレットをPCにUSB接続して、ペンを使って操作します。別売りのキットを購入すればワイヤレスでの使用も可能。こちらは、ワコムから発売中の「Intuos Art」「Intuos Comic」に入っているものと共通のペンタブレットです。

 

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▲ペンタブレット「Intuos」本体。付属のペンだけでなく、指によるタッチ操作にも対応。画面の拡大やスクロール、移動などが可能です。

 

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▲使用イメージ。画面に表示される赤いポインターを見ながら、タブレット上でペンを動かして造形していきます。筆圧を感知しているので、力加減を変えれば大胆な加工も、微細な加工も可能。

 

<「Intuos」本体の特徴>

  • サイズ:A4用紙よりちょっと小さい(275.0ミリ×217.2ミリ×10.7ミリ)
  • ペン&タッチ操作に対応
  • 筆圧感知:1,024段階
  • パソコンのUSB端子に接続して使用(別売りのキットで無線接続も可能)
  • 重さ:約480グラム

 

dsc08921__▲タブレットには4つの「エクスプレスキー」と呼ばれるボタンがあります。コレにいろんな操作を割り当てることが可能。ペンについているボタンやパソコンのキーボードを使ったショートカット操作もできるので、どう使うかは使用者次第ですね。

 

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▲操作に慣れたら、頻繁に使う操作などを登録することになります。

 

 

「ZBrushCore」は特にフィギュア作りに向いているソフトらしい!

「ZBrushCore(ズィーブラシコア)」は、粘土をこねる感覚で3Dモデルを作れるソフト。フィギュア製作の現場で最も使われているのが上位版の「ZBrush」だそうで、「ZBrushCore」はその入門版として開発されたとのこと。人間やモンスターなど、生物を作るのに向いているそうです。「ZBrush」と比較して機能の制限はあるものの、ビギナー向けにいろんな配慮がなされています!

 

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▲フィギュアのデジタル原型に使われているソフトのシェアを示したイメージ図。これによると、「ZBrush」が圧倒的なシェアを占めています。「3d max」「modo」といったソフトは、フィギュアのメカ部分の造形によく使われるとのこと。

 

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▲「ZBrushCore」では盛り上げたりへこませたり、つまんで引き伸ばしたりして造形していきます。ブラシの設定を変えれば、表面の質感を変えたり溝を掘ったりすることも可能。ソフトのインターフェイスは、プロ仕様の「ZBrush」より意図的にシンプルにしてるそうです。確かにボタンが少ない気がします!


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▲ソフトを起動するとスターティングガイドが見られるほか、サイトにある多彩なチュートリアルビデオで手軽に操作を学べるようになるとのこと。説明が動画で見られるのはありがたい!

 

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▲「ZBrushCore」独自の要素で特に素晴らしいと思ったのが、この3Dテンプレート。人物の顔や動物、マグカップなど約50種類が入っていて、これ変形させることで、簡単に3Dモデリングの楽しさを体験できます。いきなりゼロから作るのは大変ですもんね。

 

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▲まずは担当者による実演。テンプレートを使い、ゴージャスな猫のリングを完成させました。「マテリアル」という機能で質感をゴールドにしています。

 

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▲上のリングに色を塗ったのがコチラ。このソフトはフルカラー3Dプリントのデータ形式にも対応しているのです。なお、レイヤー機能はないとのことでした。

 

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▲早速筆者も犬のテンプレートを読み込んで変形させてみました。直感的で意外に簡単! 無駄に尻尾を引っ張って遊んでいます。犬をベースにオリジナルのクリーチャーを作る、なんてこともできそうですね。

 

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▲「シンメトリ」という機能があり、適当に変形させても、綺麗な左右対称の立体が作れます。なお、ソフトのボタンの上をポイントすると近くに説明のキャプションが表示されるのですが、これは「ZBrushCore」の独自機能だそうです。嬉しい気遣いですね。

 

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▲次は球体のテンプレートからスタート。「シンメトリ」を使って顔を作ってみます。

 

dsc08901_dsc08902_▲赤いポインタ(点)が2つ表示されているのですが、これが「シンメトリ」を有効にした状態。開始2・3分で人の顔面が作れました。不気味ではありますが、結構それっぽくできた気がします!

 

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▲こちらはメーカーの方が作った猫。上と同じ球体をベースにしていると思えない可愛さ。

 

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▲複数のテンプレートを合体させることも可能とのこと。

 

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▲このテンプレートは、最初からパーツが複数に分れています。選択しているパーツだけを変形させられるのが面白い!

 

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▲時間の都合でじっくりは触れなかったのですが、球体の集合で作られた「ZSphere(ズィースフィア)」というものもありました。

 

 

 

作ったものを3Dプリンターで出力!

3Dモデルが完成したら、いよいよ3Dプリンターで出力します。「ZBrushCore」では、3Dプリントの一般的なファイル形式「STL」、フルカラープリントに対応した形式「VRML」、汎用性の高い形式「OBJ」で書き出し可能。残念ながら出力までは体験できなかったのですが、クオリティはプリンターの性能や素材次第のようです。また、「JPG」「PSD」といった2Dファイルでも書き出せるようになっているので、作った3Dモデルを画像化して、イラストの参考に使うこともできますね。

 

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▲出力したデータは、外部の3Dプリントサービスに依頼したり、家庭用の3Dプリンターで印刷することになります。「Intuos 3D」には、「DMM.make 3D PRINT」という印刷サービスの「造形割引クーポン(ダウンロード提供)」が付いてくるので、活用してみるのもいいでしょう。最大3回まで、無期限で使えるとのことです。クーポンの対象になる素材はアクリルと石膏フルカラーのみですが、ほかにも金属やガラスといった素材で出力するプランがあるそうですよ!

 

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▲書き出した3Dデータは、それぞれの3Dプリンターの「プリントユーティリティソフト」で読み込んで、一定の設定・処理を経て印刷可能になります。この段階でサイズを変更できることもあるようです。

 

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▲こちらは、会場に用意されたXYZプリンティング社の家庭用3Dプリンタ「ダヴィンチ Mini w」(価格は4万円台)。家庭でも気軽に出力できる時代が既に来ているようです。

 

●3Dプリンターの出力サンプル

▲会場に展示されていたサンプルを紹介。30万円クラスの家庭用3Dプリンタで出力したものだそう。「ワンフェス」に出展するディーラーは、このクラスの3Dプリンタを使っている方が結構多いそうです。

 

▲こちらは、工業デザインに使われるレベルの3Dプリンタで出力したもの。素材によって変わるそうですが、左側のもので出力のコストは6万円程とのこと。ちなみにこの犬、アストロドッグという名前だそうです。

 

 

●「ZBrushCore」はPixologic社から単体販売も行われます

「ZBrushCore」は、開発元であるPixologic社によって単体でのダウンロード販売も行われる予定です(2016年10月14日開始予定)。ワコム社のそのほかのペンタブレット・液晶タブレット製品でも「ZBrushCore」が使用可能になるとのことなので、既にタブレットを持っている方はソフト単体での購入がオススメです。また、「ZBrushCore」から「ZBrush」へのアップグレードも構想としてあるようですので、プロを目指されている方が、勉強のために「Intuos 3D」から始めてみるのもいいかもしれません。ソフトの最新情報や購入方法はPixologic社のサイトTwitterでチェックしてみてください。

 

体験した感想とまとめ

3Dモデリングや3Dプリントに興味があり軽い気持ちで取材したのですが、約2万円という価格とソフトのテンプレートの便利さを実感して、すごく欲しくなりました。単純に、触っているだけで楽しい! ソフトを十分使いこなすのには経験が必要だと感じましたが、導入は簡単。デジタルなので、失敗してもワンボタンでやり直せるのがいいですね。出力にかかる費用は作るもののサイズや素材次第なのでなんとも言えませんが、家庭用のプリンターが4・5万で買えるならセットで欲しいところです!!

 

<「Intuos 3D」はこんな方にオススメ!>

  • アナログでフィギュアなどを作っていて、デジタル原型に興味がある人
  • これからフィギュアやアクセサリー作りを始めたい人
  • 粘土感覚で遊びたい人。作品の画像を公開するだけで楽しいかも!
  • イラストや漫画などの資料を作りたい人。好きな角度から見られて便利!!

 

DATA

Intuos 3D(インテュオス スリーディー)

  • 発売日:2016年10月14日(金)予定
  • 発売元:ワコム
  • 価格:オープン ※ワコムストア参考価格:19,800 円(税抜)
  • ワコムストアおよび一部家電量販店にて販売開始
  • 対応システム:Windows7/8/8.1/10(最新のSP適用)(64ビット版を含む)、Mac OS X 10.8.5以降、インターネット接続
  • ZBrushCore(64bit)ダウンローコード同梱
  • DMM.make 3D PRINT造形割引クーポン同梱
  • 対応システムやセット内容の詳しい情報は公式サイトに掲載

 


 

最後に関連する動画をいくつか紹介。ソフトの開発元であるPixologic社が公開している「ZBrushCore」の動画を見れば、さらに夢が膨らむはず!

 

●ZBrushCore – Shane Olson – Animal Sketches

 

●ZBrushCore – Steve James – Part 1 Base

 

●ZBrushCore – Joseph Drust – Radial Symmetry

 

関連情報

 

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