素組みでガンプラ! ~クシャトリヤ・リペアード~ 後編
ガンプラの楽しみ方は人それぞれ。合わせ目を消したり全塗装して“ガチ”で仕上げていくのも楽しいけれど、せっかく色分けが再現されているガンプラだから、そのまま組んで楽しむのもアリでしょう。
そこで本コーナーでは、プロモデラーの桜井信之氏に、充実した作業環境のない方にもガンプラ作りを楽しめるように、超基本からちょっとしたワザまで、素組みで作る際の“コツ”を紹介してもらうことにしました。少しの手間で十分楽しめる“素組み”の楽しさを、味わっていただければと思います。
前回に続き、大人気「HGUC 1/144 クシャトリヤ・リペアード」を例に、ウェザリングの施し方を紹介します!
■HGUC 1/144 クシャトリヤ・リペアード
~ウェザリングの施し方~
●今回使った道具
筆
化粧品(アイシャドー)
塗料皿
塗料
色鉛筆
消しゴム
9 これはクシャトリヤの右脚。破損したため応急処置としてフレームがむき出しの簡素な脚を装着しています。成形色からも分かるとおり、装甲が付いていないので内部メカがそのまま表面に露出しており、右腕も同じような状態になっています。
10 メカニカルな部分なので、シルバー系の〈アイシャドー〉でエッジを強調すると、金属感がアップします。〈アイシャドー〉は多数の色があるので、アイデア次第でさまざまな汚しに対応できます。
11 さらに金属感を強調したい場合は正攻法でのドライブラシをオススメします。しかし、今回は油性塗料を使うのではなく、アルコール系の〈ガンダムマーカー〉を使用してみます。マーカーで直接塗るのではなく、いったん塗料皿にマーカーの塗料を出し、筆で作業します。
12 ドライブラシは筆に付いた塗料をキッチンペーパーなどで8~9割程落とし、筆に残った1~2割の塗料を模型に擦りつける技法です。キッチンペーパーで塗料を落としているうちに、筆が半乾き状態になります。その状態で作業するため、“ドライブラシ”と呼ばれているのです。力を抜いてパーツにブラッシングを行うと、表面の凸モールドやエッジ部分などにだけ塗料が付着し、立体感をより強調することできます。通常のモビルスーツの関節部分や武器など、メカニカルな部分に効果的な方法ですよ。
13 ドライブラシが苦手な人にはさらに簡単な方法があります。これは水彩色鉛筆です。水彩色鉛筆の芯は、水溶性の溶媒で顔料を練ったもの。通常の色鉛筆は油彩色鉛筆といい、最大の違いは水で顔料が溶け出す点にあります。つまり模型に使用した場合は、水で消し取ることができます。数ある色の中から成形色より少々明るい色を選び、芯の“腹”部分を使って、直接エッジ部分に書き込んでいきます。
14 前回〈アイシャドー〉で“オイルの垂れ”を書き込む方法をご紹介しましたが、水彩色鉛筆を使えば、さらに細かく“オイルの垂れ”を再現できます。水彩色鉛筆のアウトラインがくっきりし過ぎた場合は、消しゴムで軽く撫でれば、全体をのトーンが落ち、自然な雰囲気を出せます。
まとめ
キットのツヤを消し、化粧品などでウェザリングを加えただけで、無塗装とは思えない雰囲気に仕上げられます。ウェザリングは塗装作業の中では最後の“味付け”にあたる作業です。思う存分汚しという“味付け”を楽しんで、クシャトリヤ・リペアードに〈戦時急造感〉を加える演出をしてあげてください。
完成写真はコチラ!
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<関連情報>
素組みでガンプラ! ~クシャトリヤ・リペアード~ 前編
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