『キャプテン・アース』デザインの現場 okama&齋藤将嗣(その2)

更新日:2014年9月22日 17:22
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『コミックも今ではデジタルで1ピクセルまで修正できるから小さな立ち絵のキャラクターの顔まで、しっかり描かなきゃいけない。』(okama)

 

インタビュー:電撃ホビーマガジン編集部(2014/7/18)

※インタビューで語られる画稿は電撃ホビーマガジン2014年10月号に掲載されています。

 

―そうした発想の中でもあの荘厳なオーベロンはどのようにして考えられたのですか?

 

コヤマ:オーベロンは五十嵐監督から「鏡」や「雫」というキーワードをいただけたので、それを元にokamaさんがデザインしてくれたのですが、それを監督がすごく気に入って。その雰囲気のまま神殿のような内部のデザインもしていただきました。

 

okama:内部の背景にはエゴブロックの誕生するモノリスのようなものがあるという指定を五十嵐監督から受けましたね。

 

コヤマ:最初のラフでは、内装の背景はキルトガングのシルエットだったのですが、話数的に内部の映るシーンがキルトガングの登場するよりも先なこともあって、ネタバレしないようにモノリスになったんです。で、そのモノリスに一筋の光が当たって紋様が浮かび、そこからエゴブロックとキルトガングが生まれる、というアイデアを五十嵐監督が思いついたので、okamaさんにはその紋様も考えてもらえますか、とお願いしたら、なんとこのデザインが上がってきたんです。これがもう……手描きとは思えないくらいとにかく緻密!

 

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okama:この頃、ハイビジョンのTVを買ったのですが、その解像度の高さに驚いたんです。これはもっと細かく描かなくては粗いのが見えちゃうぞって(笑)。おかげで作業が増えました。コミックも今ではデジタルで1ピクセルまで修正できるから小さな立ち絵のキャラクターの顔まで、しっかり描かなきゃいけない。

 

―紋様はキルトガングのデザインを元にデザインされたんでしょうか?

 

okama:僕がこの仕事を手がけた頃にはキルトガングのデザインが全て完成してたので参考にしています。一目見て、浅井さんっぽいなぁと思いました(笑)。

 

浅井:紋様のデザインが上がってきた次の日から1週間くらい僕は凹んでいました。「こんなデザインは僕には無理だ、別次元ってこういうことか!」と。最終的にokamaさんだから仕方ない、と納得できたんですけど(笑)。

 

コヤマ:しかも何故か動画も作ってきて紋様が動いてて(笑)。もう意味わからんと思った(笑)。

 

―齋藤さんは『キャプテン・アース』にどのようにして参加されたのですか?

 

齋藤:コヤマさんから「自分のデザイン周りを手伝わないか?」と声をかけられたのがきっかけです。

 

コヤマ:実は企画の初期の段階から「今回は若いデザイナーも使っていきたい」というお話を五十嵐監督としていまして。というのも、僕や柳瀬さんにとっての『エウレカセブン』と同じように、TVシリーズを通じて若いデザイナーが育ってくれたらいいな、と思ってまして。なので今回、齋藤くんには、最初は僕のデザインを手伝ってもらいながら少しずつアニメの設定の描き方などを覚えてもらい、そこから自分のデザインができるように……という順にカリキュラムを組みつつ(笑)、色々やってもらいました。

 

齋藤:コヤマさんの設定をお手伝いしながらokamaさんのクリンナップもやりましたが、『キャプテン・アース』に参加されたデザイナーの皆さんからは本当に色々と教えていただきました。

 

浅井: 第3話までのまとまった試写を見たときに、コクピットとか齋藤くんのデザインばかりが目立っていたので、映像を見た限りメインデザイナーだな、と(笑)。

 

斎藤:いえいえいえ(汗)。

 

コヤマ:しかし、一発目にokamaさんの独特なデザインを整えるという、思えばかなりハードルの高いことをお願いしてしまったのは申し訳なかったかな……と(笑)。

 

齋藤:大変でしたね(笑)。3種類のライブラスターもラフだけで何百枚と描きました。その中からデザイン会議に提出できるものを選びますが、ひとつのライブラスターだけで何十枚というラフを提出しています。クリンナップ作業に際してはコヤマさんだけじゃなくて、浅井さん、柳瀬さん、高倉さんといった皆さんにも協力いただいてます。

 

okama:迷惑をかけています(笑)。

 

齋藤:いえいえいえいえ(笑)。okamaさんのデザインはすごく洗練されているので一見すると作画として問題ないように思えるのですが、実際に動かそうとしてギミックを整理するとそのままでは上手くいかないことが分かるんです。自分が慣れていないのもあってクリンナップでは皆さんにご迷惑をおかけしましたが、okamaさんの素晴らしいデザインを自分の手でアニメに起こしたい、という気持ちだけで頑張りました。

 

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―ギミックも整えるんですね。

 

齋藤:ギミックの考察に関しても、皆さんの力をお借りしました。

 

コヤマ:okamaさんのデザインには明確なコンセプトがあるんです。でも、設定画として理屈で突き詰めていくと「このままだと……これ、浮いちゃわないか?」とか色々かみ合わない点を発見してしまうことがあってですね……(笑)。とくに浅井さんとかは立体の人なので、そういったギミックや立体面での整合性のチェックは鋭かったですね(笑)。

 

浅井:会議がライブラスター研究会みたいになっていることもありました。コヤマくんから齋藤くんへのチェックもハードなので、会議が終わったあとに柳瀬(敬之)くんと「いやぁ、今日の会議も濃厚だったね……」「勉強になるわ……」と(笑)。

 

齋藤:浅井さんが、これじゃ埒が明かないということで、ライブラスターのミニチュアを作ってくれてたりもしました。

 

okama:僕の描いたデザインには微妙な嘘がいっぱいなんですよ……(笑)。

 

(9月15日につづく 2/4)

 

<関連情報>

キャプテン・アース公式サイト

その1:『見たこともないものが見たいんですよね。最近の作品って、見たこともないものが描けなくなってきましたから……。』

その2:『コミックも今ではデジタルで1ピクセルまで修正できるから小さな立ち絵のキャラクターの顔まで、しっかり描かなきゃいけない。』

その3:『「それを描いてください」と言われて困ったので「それを共有させてください」とお願いしました。』

その4:『だけどそれ以上に教えを受けるのが楽しかった。』

 

(C)BONES/キャプテン・アース製作委員会・MBS

 


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