『ガンダム Gのレコンギスタ』クリエイターズトークナイトレポート

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ガンダム Gのレコンギスタ』のイベント上映最終日となる9月5日(金)に、東京・新宿ピカデリーで開催された、制作スタッフによる「クリエイターズトークナイト」の模様を写真と共にレポート致します!

今回トークショーに出演したのはキャラクターデザインを務めた吉田健一さん、メカニカルデザインを手がけた安田朗さんと形部一平さん、デザインワークス担当のコヤマシゲトさんに、プロデューサーの小形尚弘さんが加わった5名です。トークショーでは制作現場の最前線で作品に携わる5名による『Gレコ』の裏話が次々と飛び出しました。

w-DSC_0030

▲左から吉田さん、安田さん、形部さん、コヤマさん、小形さん。

 

●『ガンダム Gのレコンギスタ』とのファーストコンタクト

キャラクターデザインを務める吉田さんは自身が携わったアニメ『エウレカセブン』が2006年に終了し、その一年後となる2007年の春に声がかかり、そこから7年間本作に関わることとなったそうです。逆に2010年から参加した形部さんは、なんと富野監督から非通知で電話がかかってきたのがそもそもの始まりだったそうです。

小形「富野さんはよく非通知で電話かけてくるんです。でも世の中に非通知でかけてくるのは富野さんしかいないからすぐ分かるんですよね。そしてしっかり留守電まで入ってるんです。」
とのこと。

 

w-Gレコ_KEY_re_WEB
●G-セルフの原型

話は主役メカであるG-セルフになると、デザインを担当した安田さんからG-セルフの誕生秘話について語られました。

安田「G-セルフは、ガンダム30周年の時に作った『リング・オブ・ガンダム』というフルCGアニメがありまして、その時にお蔵入りとなってしまったガンダムのデザインが元となっています。」
小形「本当は『リング・オブ・ガンダム』にG-セルフが登場していてもおかしくなかったというわけですね。」
安田「はい。だから、腹いせにそのデザインの一部をアニメ『コードギアス』に登場するメカ・アレクサンダに使ったんです。だからアレクサンダとも少し似ているでしょう?」
小形「なるほど」

という貴重な裏話が披露されました。

 

 

●アイーダの胸の大きさについて

コヤマさんはデザインワークスという肩書ですが、吉田さんとふたりでキャラクターデザインの仕事を担当することも多かったようで、こんなエピソードも飛び出しました。

吉田「エウレカのキャラクター描いている時に、初めてコヤマさんと会った時からふたりで一緒に仕事していましたよね。」
コヤマ「そうですね。アイデア出して吉田さんが描くという役割でした。」
小形「僕はコヤマさんって言うと、メインキャラクターのアイーダの胸を大きくした人っていう印象しか(会場笑)。」
コヤマ「俺そんな事しました?」
小形「もともとアイーダはそんなに胸が大きくないキャラクターだったけど、それをコヤマさんが絶対大きくした方が良い! 絶対大きくした方が良い!って(笑)。」
コヤマ「俺の中では最初から大きいんですよね(笑)。」
小形「吉田さんは吉田さんで、俺はそんなおっぱい大きく描きたくない、って主張して。」
吉田「そんな事言ってました俺? 覚えてないなぁ(笑)。」

というわけで、コヤマさんの熱い(?)こだわりでアイーダの胸の大きさが決まったようです。
●制作現場で神(?)となった富野監督について

話題はこの場にいない富野由悠季総監督に。

小形「未だに覚えてるのが、安田さんが凄い富野さんに怒られて。」
安田「そうですね。」
コヤマ「怖かったですね。」
小形「そしたら富野さんのバックで稲光が物凄い光って(会場笑)。」
安田「そうですね。あれはすごかったですね。僕が富野監督のコンテにダメ出しをした形になった時です(会場笑)もうとんでもないことに(笑)。」
小形「ちょうど富野さんが怒鳴ってる後ろ側に稲妻走ってましたからね。あんな事あるんだなって。」
安田「また神に就任したんだなって思いました(会場笑)。」
小形「あれはまさしく富野さんが神になった瞬間でした。」
安田「そこから作業が物凄く加速して、逆に我々がついていけなくなりました(苦笑)。」
小形「形部さんは、安田さんが怒鳴られてるの見てどう思われました?」
形部「滅茶苦茶怖かったです。怒鳴り声も大きくて。」
小形「吉田さんも出ていただいてるメイキングBDに、ウチの若い女の子を怒鳴ってる富野さんの姿が収録されていると思うんですけど、ほんとにあのままですからね。」。
コヤマ「誰かが富野さんに怒られてると僕らも基本的に黙っているんですけど、いきなりターゲットが自分に向けられることもあります。お前はどう思ってるんだ!って。」
安田「僕がその連れてきたイラストレーターの剛田チーズさんも、お前他人事だと思ってるんじゃねぇ!って怒られて(会場笑)。」

 

続いて来場者にプレゼントされる初期デザインシートについて、クリエイターたちから直々に解説が入りました。

●安田さんによるスカイガンダム(仮称)について

w-DSC_0033 w-A

小形「去年の夏に富野さんがスカパーのCMに出た時に、富野さんがG-セルフの画像をCMで使おうとしたんです。ですから、一年後に世の中に出すものを、スカパーのCMに出すのはさすがに止めてくれという話になって、安田さんに、こういう事情なので、申し訳ないんですけどダミーで何かガンダム描いてくれませんか? って言って描いてもらったのがこのスカイガンダムなんです。」
安田「最初はストライク・ウィッチーズ・ガンダムですって監督に言ったら、凄く冷たい顔をされました(会場笑)。」
小形「監督はたぶん何の事だか分かってないです。まぁ、ですからスカイガンダムはG-セルフの初期デザイン案ではなく、もともとダミー用にデザインされたものなので、そのところを誤解なさらないようお願いします。」

 

 

●形部さんによる初期デザイン群について

w-DSC_0034 w-B

小形「次は形部さんによるグリモアとアルケインとG-セルフです。」
形部「ちょっと今のG-セルフと違いますが、一応ここにG-セルフと表記してありますので。」
小形「これは、もう休刊となってしまったニュータイプエースに、富野さんの新作やりますから記事掲載してくださいって頼んだら、先方が絵を一枚くれって言うので用意したものです。形部さんにとっては初めて描いたガンダムというかロボットデザインという事ですね?」
形部「はい、初めて描いた結果、今ではこうして安田さんも来てくださいました。」
コヤマ「この形部さん案のG-セルフは変形する設定なんですよね。」
小形「ちなみにアルケインもプラモデルでは変形するんですよ。ただ、本編では富野さんがその設定を忘れてて、今のところ変形する予定がないんです(会場笑)。すぐ忘れるんですよね。」

 

●吉田さんのによるベルリとアイーダの初期デザインについて

w-DSC_0035 w-C

小形「では次はこの吉田さんの画を。まだベルリとアイーダが双子だった時のデザインです。しかも名前は“ベリル”と“アイダ”でした。」
吉田「そうですね」
小形「この頃はどっちかと言うとアイダの方が主役という感じでしたよね。その内に、富野さんのシナリオの中で表記が今のベルリに変わってた。富野さんに間違えてますよって言ったら、間違えるっていう事は、この名前がいけないんだって(会場笑)。“ベルリ”これだったら“ベル”って呼べるじゃないか。だから“ベルリ”でいいんだ、ということでベルリになりました。」
吉田「的確ですよね(会場笑)。」
コヤマ「当時の我々はベリルで慣れてたので、ベルリとなった時に何度も“ベリル”って間違えてました。でも今は逆に間違えますね。むしろベルリの方がすっときます。」
小形「レコンギスタも始めはレコンキスタだったんですが、点々がないとダメだって言われてレコンギスタに。誰もがあの当時はレコンキスタの方が良いんじゃないのって言ってたんですけど、今はレコンギスタじゃないとしっくりこないなと。」
コヤマ「富野ネーミングの真髄を体感できました。」
安田「“ジャマイカン・ダニンガン”とか普通考え付かないですもんね(笑)。」

 

こうして、30分に渡るトークショーは終了となり、それぞれ締めの挨拶に。

 

●富野由悠季に今まで育てていただいたご恩を返す

w-DSC_0040t

吉田「バタバタしながら作ってますけど、今回の作品は監督が本当にパワフルなんで、とにかく面白いと思います。最後までガーッと勢い良く見ていただければ良いかなと思います。宜しくお願いします。」

安田「とにかく、監督が∀ガンダムの倍くらい元気なのと、監督はいつもガンダムを強くしてくれるんで、それをメカデザイン担当である僕も楽しみにしています。皆さんもどうぞ楽しみにしていてください。」

形部「ガンダムに関しては素人から始めて、いっぱいモビルスーツ書かせていただいて、光栄なんですけど、ちょっと不安もあります。ただ、僕も自身凄く楽しみにして、この先を見たいと思ってますので、皆さんもどうぞ楽しんでください。」

コヤマ「吉田さんと7年ぐらい前からやってるんですけど、始まるとあっという間に終わるんだなって感じがします(笑)。あと一ヵ月後には放送が始まるので、是非最後まで見ていただければと思います。宜しくお願いします。」

小形「富野さんは今回僕らの中で一番働いてますね。朝から夜中の4時まで働いてますから、いつ寝てるのかなと心配するくらいやっていると思うんですよ。で、TVの仕事は流石に富野さんもお終いかなとご本人も仰っています。我々も含めて、皆さんも富野由悠季に今まで育ててもらった部分もあると思います。ですから、その恩を返すためにも、何とか皆さんのお力をお借りして、アクシズじゃないですけども富野さんをこう持ち上げてあげて、国民栄誉賞とまでは言わないですけども、何か良い思いはさせてあげたいなと思うところです。なので何とか26本走りきって、来年富野さんをここの舞台に連れてきて挨拶できれば良いなと思ってます。皆さんの応援宜しくお願い致します。」

 

というわけで、色々な裏話が飛び出したトークショーはこれにて終了。本放送まで後1ヶ月となり、期待も俄然高まる『ガンダム Gのレコンギスタ』。初回放送は1、2話一挙放送の1時間スペシャルとなるのでお楽しみに!

 

【特別先行版】 配信:dアニメストアにて9/8(月)から9/30(火)まで配信
【TVシリーズ】 10月アニメイズム枠にて放送開始! 初回1時間SP(第1、2話一挙放送)決定!
MBS10/2(木)深夜 TBS10/3(金)深夜 CBC10/3(金)深夜 BS-TBS10/4(土)深夜
※放送時間に関しては、追って各放送局、公式HPなどで案内致します。
【Blu-ray&DVD】 第1巻が12月25日発売決定!(以降、毎月1巻ずつ、全9巻発売予定)

 

(C)創通・サンライズ・MBS

上に戻る