素組みでガンプラ! ~ローゼン・ズール episode 7 Ver.~ 前編
ガンプラの楽しみ方は人それぞれ。合わせ目を消したり全塗装して“ガチ”で仕上げていくのも楽しいけれど、せっかく色分けが再現されているガンプラだから、そのまま組んで楽しむのもアリでしょう。
そこで本コーナーでは、プロモデラーの桜井信之氏に、充実した作業環境のない方にもガンプラ作りを楽しめるように、超基本からちょっとしたワザまで、素組みで作る際の“コツ”を紹介してもらうことにしました。少しの手間で十分楽しめる“素組み”の楽しさを、味わっていただければと思います。
今回は、大人気「HGUC 1/144 ローゼン・ズ―ル episode 7 Ver.」を例に、デカールの使い方を紹介します。
■HGUC 1/144 ローゼン・ズ―ル episode 7 Ver.
~デカールの使い方~
●今回使った道具
ピンセット
綿棒
ハサミ
のり
お皿
水
ティッシュペーパー
1 先頃発売された「HGUC ローゼン・ズ―ル episode 7 Ver.」は、episode 6で破損した右腕に、Iフィールドとメガ粒子砲装備のシールドを装着した状態を再現しています。さらに、成形色が新しくなり、塗装しなくても劇中に近い色味を再現できます。そこで今回は市販のデカールを使って、リアリティをアップしてみたいと思います。
2 これはバンダイから発売されている「ガンダムデカール」。水転写シールとも呼ばれ、水に浸けて台紙から剥がし、キットに貼り込む特殊なシールです。「ガンダムデカール」は純正のガンプラ用商品で、連邦・ジオンに限らず、それぞれの機体専用のデカールが発売されています。サイズも1/100、1/144とそれぞれのスケールに合わせて発売されており、かなりの種類がラインナップされています。
3 内容は、機体の各部に書き込まれた〈注意書き〉や、〈部隊マーク〉、〈パーソナルマーク〉などがセットされています。これは実際の戦闘機などに書き込まれているものと同じで、これらをキットに貼ることで「実在の兵器」のようなリアリティを加えられます。そのため、古くからガンプラのディテールアップに使われる手法なのです。
4 そのまま水に浸けるのではなく、まず必要な部分をハサミで切り取ります。2~4枚単位で水に浸け、少しずつ作業を進めるようにしましょう。ローゼン・ズ―ル専用の「ガンダムデカール」は発売されていないので、今回は好みのデカールをチョイスして使用することにしました。
5 では実際に使ってみましょう。お皿などに水を入れ、切り取ったデカールを水に浸けます。このとき冷たい水よりも、ぬるま湯の方が作業に適していますが、水でも問題ありません。3~5秒ほどデカールを水で濡らせば十分です。
6 水に浸けた後はティッシュペーパーなどの上に置き、余分な水分を取ります。デカールの大きさにもよりますが、30~60秒くらいで、デカールが台紙から剥がれます。無理に手で剥がそうとせず、自然に台紙から剥離するのを待つことが大切です。
7 台紙からデカールを剥離したら、ピンセットを使ってキットに貼り込みます。デカールは大変薄く破れやすいので、ピンセットでつまむ時は優しく掴むよう注意してください。
8 貼る位置が決まったら、綿棒などを使って余分な水分を取ります。キットに密着させるように上側から軽く押さえるだけで十分です。綿棒で擦ったりすると、デカールが破れてしまうので、優しく軽く押さえてください。水分が乾燥すると、デカール裏に塗られた“のり”により、キットに密着します。
9 デカールの裏面には“のり”が付いていますが、より強力に貼り付けたい場合はデカール専用の“のり”を使用します。これはGSIクレオスから発売されている「Mr.マークセッター」です。デカールの定着をよくするための“のり”と、デカールを曲面になじませるための“デカール軟化剤”が混ざったものです。
10 この「Mr.マークセッター」を貼り込む場所に塗ります。「Mr.マークセッター」のフタには専用のハケが付いているので、それを使いましょう。少量で十分に接着効果が出るため、たくさん塗る必要はありません。
11 平面にデカールを貼る場合は、デカールを貼り付けた後、手早くはみ出した「Mr.マークセッター」を拭き取ります。このときも綿棒を使い、はみ出た「Mr.マークセッター」を吸い取るように作業をするのがコツです。決して擦ったりしないよう注意してください。
前編はここまです! 後編では、起こりやすいトラブルとその解決法などをご紹介。2014年10月16日に更新予定なので、お楽しみに!!
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