GWはガッツリプラモ!4時間1,000円と破格のコスパが魅力的な「秋葉原工作室」の秘密を探る体験レポート!

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

いよいよ年に1度の大型連休、ゴールデンウィーク(GW)がやってきました! ホビーファンの皆さまはいかがお過ごしでしょうか? 旅行に出かけるも良し、自宅でゆっくり過ごすも良しなGWですが「このまとまった休みを利用して、ガッツリとプラモデルに打ち込みたい!」という人も少なくないはず。この記事では、そんなプラモデル好きな皆さまにご紹介したいお店「秋葉原工作室」の体験レポートをお届けします!

 

 

秋葉原工作室はその名の通り東京・秋葉原に居を構えるお店ですが、なんと4時間1,000円(土・日・祝は1,500円)で利用できてしまう破格のコストパフォーマンスが特徴です。それに加えてプラモデル製作に必要な工具はほとんどレンタルできるうえ、塗料も追加料金500円で使い放題! 秋葉原という好立地にありながら、この安さはもはや異常です。その真相を確かめるべく、お店にお邪魔してきました!!

▲JR秋葉原駅・電気街口の改札を出た後、左手側に進めば見えてくる「ニュー秋葉原センター」。秋葉原工作室はこの建物の中にあります。

 

▲秋葉原工作室代表の山口浩志さん。お店をほぼひとりで切り盛りされているそうです。本日はよろしくお願いします!

 

お店は雑居ビルの部屋3つ(2017年4月17日時点)で展開しており、メインとなっているのは2階にある2部屋。中央で存在感を放つ長机や、棚に置かれた工具や塗料など、なんだか部室のような雰囲気です。そんなお店の様子もあってか、集まるお客さんたちはフレンドリーに会話を楽しみながらプラモデル製作を楽しんでいかれるそう。実際にこの日も、お客さんたちが作業で困ったことを相談しながらガンプラなどを作っている場面がたびたびありました。

 

2階のお部屋にはそれぞれガラスケースも設置され、中にはお客さんが製作した作品の数々が。プラモデルファンの交流の場として、どれだけ秋葉原工作室が愛されているかがうかがい知れますね。

 

同じビルの6階にもお部屋がひとつ。こちらには通常のミシン2台に加え、布の端がほつれないようする「かがり縫い」や、ニット素材などを縫うのに最適なロックミシン、厚い布や縫い返しも楽々な工業用ミシンが常備されています。こちらにはドールの衣装を自作するお客さんや、コスプレイヤーさんが衣装を完成させるために駆け込んでくることもあるんだとか。革張りの椅子も座り心地が好評で、お店で行うオフ会的なイベントにも利用されているとのことです。

 

▲ロックミシン

 

▲業務用ミシン

 

さて、せっかくお店にお邪魔したので私も秋葉原工作室の良さを体験してみたいと思います! この日持ち込んだのは、バンダイより発売されている「HG 1/144 ガンダムキマリスヴィダール」。作業に移る前に筆者のことを軽くご紹介すると、小さい頃からガンプラが好きで組み立ててはいたものの、パチ組みしかしたことがなく塗装は未経験。プラモデル製作に関する知識などは、子供の頃の愛読雑誌「コミックボンボン」から得ていました(笑)。

▲山口さんから工具の使い方などレクチャーを受けつつ、まずはパチ組みしていきます。

 

▲通常のニッパーから薄刃ニッパーまで、無料でレンタルできる工具はバリエーションもさまざま。キットだけ持ち込めば楽しめちゃう気軽さも魅力的です。

 

▲ニッパー以外の工具も借りることができますので、まさに至れり尽くせりといった感じです。

 

取材にきたことも忘れ、黙々と作業すること数時間後。パチ組み状態のキマリスヴィダールが完成しました。肩のマッシブなフォルムが素敵で、この状態でも割と満足度が高いのですが、今日は塗装までチャレンジすると決めています。しかし、思ったよりもパチ組みに時間がかかってしまったので、細かく塗装していく余裕がなくなってしまいました。今回はとりあえず、ずっと憧れだった銀色塗装をやってみることに。

 

マスキングのやり方も知らない状態だったので、引き続き山口さんの説明を受けながら作業を進めます。これが非常に分かりやすくて、話を聞くだけで「みんなそういう風にやっていたのか!」と楽しくなってしまいました。カッターマットって何に使うのかイマイチ分かってなかったのですが、マスキングテープの切り分けなんかに使うんですね……。

 

塗料の薄め方、エアブラシの使い方なども丁寧に教えていただき、まずは黒色で下地を作っていきます。下地を作るという概念がなかったので、山口さんの助言がなければ塗装初チャレンジで失敗し、苦い思い出を抱えることになっていたかも知れません。右も左も分からない初心者でも安心して塗装に臨むことができました。

 

そんなこんなで銀色に塗装したパーツがこちら。完全に初挑戦だったので「仕上がりはちょっと残念な感じになってしまうんだろうな」と覚悟もしていたのですが、我ながら非常にキレイに塗装することができたと思います。想像以上の出来栄えにテンションも上がるというものです!

 

トップコートを吹き、墨入れをした完成品がコチラ。時間があればもっと細かく塗装したかったのですが、個人的には大満足の仕上がりです。今度はもっと時間に余裕をもって再チャレンジしたいですね。

 

 

なんでこんなに安くてもお店ができるのか。
ズバリ代表者に訊いた!

 

ここからは、山口さんに秋葉原工作室についてお伺いしたいと思います。

 

――まずは、山口さんがどんな経緯でお店を開くことになったのかを教えていただけますか。

山口さん(以下、山口):はい。職歴としては、大学生の頃にバイトで働いていた会社の社員になって5年、その後はサラリーマンになりたいと思って神田にあるゼネコンに15年ほど務めていました。その時に大病を患って、辞めて独立。オタク産業に関わりたいなって思って、秋葉原工作室ができました。最初は、秋葉原駅から徒歩2分で遊べる場所を作りたかったんです。プラモだけじゃないよ、ガレキ(ガレージキット)でもいいよ、エアブラシは他のお店より充実してるよって感じでした。お店ができたのは、2015年の5月15日ですね。

 

――もうすぐ2周年なんですね! ズバリお尋ねしてしまうのですが、秋葉原という好立地にありながら利用料4時間1,000円は破格の安さです。それでも営業が続けられる秘密はどこにあるのでしょうか?

山口:やっぱり、来てくれるお客様の数が多いってことですね。さっき組み立てていたHGのキットってだいたい1,000円くらいじゃないですか。僕がサラリーマンだとして、他にもいっぱいお金を使うので1,000円くらいのものを作るのに大金がかかると、僕なら行けても月に2回くらいがいいところかなと。それだと仲良くなれないんです。皆と。

 

――確かに、5,000円くらいになっちゃうと少し足が遠のいてしまいますよね。

山口:なので、その1/3くらいの値段にできないかなーと料金を下げました。その代わり、ずっと満席になっていれば何の支障もないんです。単価が高くてガラガラになってしまうよりは、人がいっぱい来てくれた方が宣伝効果も高いですし、また新しいお客様を呼んでくれる。

 

――なるほど。でも、それは難しい問題のような気もします。安い料金で営業していても、満席になるまでは厳しいところもあるのではないでしょうか? 卵が先か鶏が先か、みたいな。

山口:そうですね。僕自身、独立してこういう仕事をやってみて、お金儲けはやめたというか、諦めたんです

 

――と、言うと?

山口:今はひとりでも多くの人に(お店の存在が)広まってくれればいい。お金儲けはいつか自分が有名になったら、この店が順調にいって大きくなったらその時すればいいやって。例えば、いずれ販売店をやるにしても何をやるにしても、ここで知り合いになった人やフォロワーさんの数が増えたりすれば、いずれ困って商売をしなきゃいけなくなった時でも、何とかなるかなって思っているんです。なんて言うんですかね。皆が楽しめればそれでいいかなっていう。

 

――ちょっと優しすぎやしませんか?(笑)

山口:綺麗事ですね(笑)。でも、最初に「模型を広めたい」とか「皆で楽しみたい」とか、そういう綺麗なことを言っちゃったんで、最後まで意地は通しますか! って気持ちです。

 

――そういう山口さんの気持ちがお客さんにも伝わっているのか、今日1日お邪魔した感想として「お客さん同士のコミュニティがかなりしっかりとできている」と思いました。それに対して、何か意識的に取り組んでいることはあるんでしょうか?

山口:初めての方がどれだけ来てくれるのか、プラモに興味がなかった人をどれだけ振り向かせられるかだと思っています。僕が強調したいのはそこですね。なので、できるだけハードルを下げようと。プロの方って、既にもう自宅にすごい設備を持ってらっしゃるんですよ。だから、商売相手にはならないんですよね。

 

――確かに、言われてみるとそうですよね。

山口:そういう考えに行き着くきっかけとなった、同じような商売をされている方からの金言があるんです。「山口くんは誰相手に商売したいの?やっぱり一番多いのはガンプラのお客さんだよね。ガンプラメインでやりたいの?」って言われて。あまり考えてなかったので、「何も考えてないです」って正直に言ったら、「そうだよ、何も考えなくていいんだよ。だってこの世に一番多いのは何も考えてない人だから」と。

 

――ハッとさせられる言葉です。

山口:僕もその時はガンプラしか頭になかったので、その方向を突き詰めていくとプロの人たちを相手にしていくしかなくなっちゃうんですよね。すると一番多いはずの初めての方が置き去りになって、ウチにとってのお客さんも減ってしまうんです。僕自身モデラーではなく、単なるオタクなので(笑)。モデラーじゃない人たちが、どうやったらプラモデルとか模型とかガレージキットとかをやりたくなるかを考えて、それを実践しています。

 

――例えばどんなことでしょうか?

山口:お店に来てくれる初めての方を見ていて気づいたんですが、最初は皆いいニッパーや工具を買って「さぁやるぞ!」と意気込むんです。でもそれの使い方が分からなかったり、その結果5,000円もするようなニッパーが折れちゃったり。そんなこんなで、やる気がなくなってしまうというパターンが多かったんですよね。

 

――僕にも覚えがあります……。

山口:使い方はきちんと調べれば分かるんですが、初めての方は「高いものが良いものだ」と買ってしまう。だから、お店では色んな工具を置くようにして「そこそこのものでもちゃんと使えばキレイにできるんだ」とか「もっとキレイに作りたいから高い工具を使うんだ」っていう選択肢を選んで欲しいんです。手ぶらで来ても楽しんでもらえるように、最初はニッパーとデザインナイフくらいしかなかった備え付けの工具類も今では数百種類になりました。ここに来てひとつプラモを作ってもらえば、マインドが少しは変わるかなって。

 

――実際、正しい使い方が分からない工具について教えていただけたのはとても心強かったです。最後に、これからお店としてやっていきたいことはありますか?

山口:お店を運営するにあたり、色々な人に気を使ってもらったのでそのお返しがしたいですよね。記念の展示会なんかができたらいいなって思っています。後は土日がずっと満席の状態で、せっかく来てもらっても入れないお客様がいるので、借り増しとかしてお店を広げたい。お金の問題があるので、難しいところですけど……。

 

――この価格で営業を続けていることが、もうすでに利用者へのお返しになっている気がします。

山口:ほとんど脅迫に近いですけどね。「お店をたたんだらこれまでウチでプラモ作ってた人たち、できなくなるんだから見限らないでね!」って(笑)。

 

――ぜひ、これからも多くの人たちに足を運んで欲しいと思います。本日はありがとうございました!

 

DATA

秋葉原工作室

  • 住所:東京都千代田区外神田1-16-10 ニュー秋葉原センタービル 2階(地図で見る
  • TEL:03-5244-4842
  • 営業時間:平日13:00~23:00(開店時間はご予約をいただければ、時間はご相談承ります)/土・日・祝11:00~23:00 ※深夜営業あり、要相談
  • 駐車場なし

料金システム

  • 平日:基本料金 1時間500円/パック料金:4時間 1,000円、8時間 2,000円
  • 土・日・祝:基本料金 1時間600円/パック料金:4時間 1,500円、8時間 2500円
  • 深夜パック料金:23時〜始発 2,500円 ※パック料金のみ
  • 座席数:塗装ブース5席 工作机4席 大机有 最大16席
  • 予約:可 電話またはTwitterのDMでご予約できます

 

 

関連情報

 

上に戻る