素組みでガンプラ! ~バンシィ・ノルン(デストロイモード)~ 後編
ガンプラの楽しみ方は人それぞれ。合わせ目を消したり全塗装して“ガチ”で仕上げていくのも楽しいけれど、せっかく色分けが再現されているガンプラだから、そのまま組んで楽しむのもアリでしょう。
そこで本コーナーでは、プロモデラーの桜井信之氏に、初心者や充実した作業環境のない方にもガンプラ作りを楽しめるように、超基本からちょっとしたワザまで、素組みで作る際の“コツ”を紹介してもらうことにしました。少しの手間で十分楽しめる“素組み”の楽しさを、味わっていただければと思います。
今回はガンダムUCのepisode 7に登場した“バンシィ・ノルン”を取り上げたいと思います。ティターンズのMSに代表されるように、〈黒いガンダム〉は作品の魅力の一つであり、人気の高い機種です。このバンシィ・ノルンは物語の後半でフレームがオレンジからグリーンに変化します。1号機であるユニコーンはMG・HG共に「フルアーマー・ユニコーン」としてこのグリーンフレームが発売されていますが、残念ながらバンシイ・ノルンのグリーンフレームは一般商品としては販売されていません。そこで前回に続いて今回も、このクリアーオレンジのパーツをクリアーグリーンに変化させる方法をご紹介いたします。
■HGUC 1/144 ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン(デストロイモード)
~クリアーグリーンに変化させる方法~
●今回使った道具
缶スプレー
ヤスリ
爪磨き
爪楊枝
8 さて、今回はより複雑な形状の塗装方法と注意点をご紹介します。その前に、透明パーツの処理方法を一つお知らせしましょう。写真は足首部分の透明パーツです。平板上の“フィン”部分の真ん中に、パーティングラインが入っています。透明パーツは不意にキズを付けてしまったり、ヤスリで削ってしまったりした場合、透明度の回復が不可能と思われがちですが、そんなことはありません。ちゃんと元に戻すことができます。
9 通常色のパーツを処理するように、パーティングラインをヤスリで削ります。600番・800番・1000番とヤスリ目を細かくしていきます。その後、100円均一ショップやドラッグストアでも購入できるネイル用品の“爪磨き”で処理すると、本来の透明度に戻すことができます。写真でも徐々に透明度が回復していくのがわかります。
10 この方法で、ゲートとパーティングラインを処理してから缶スプレーで塗装すれば、より美しくパーツを仕上げられます。
11 さて、これらのフレームパーツにクリアーブルーを吹き付けます。正面側から吹き付けただけでは、パーツ裏側の形状が複雑であるため、光がパーツ内部で屈折してしまい、キレイなクリアーグリーンに発色しません。写真は肩パーツにクリアーブルーを1回吹いただけの状態です。
12 バックの色を変えてみると、パーツがキレイに発色していないのがわかります。これはパーツの形状が複雑なため、“スジ彫り内部”や“逆エッジ”部分に塗料が溜まりやすく、逆に“エッジ”部や“凹モールド”周辺に塗料が付きにくいのが原因です。
13 そのため、パーツの裏側からもクリアーブルーを吹き付けます。その後、正面方向から再度クリアーブルーを吹き付ければ十分に発色させることができます。ただし、何度もクリアーブルーを吹き付けると、透明度が下がるだけでなく、緑の色みも濃くなりすぎてしまいます。クリアーグリーンに発色したら、必要以上に何度も吹き付けないことが大切です。
14 さて、せっかく缶スプレーで部分塗装を行ったので、ゴールドのパーツも同じように缶スプレーで塗装してみましょう。同じく缶スプレーのゴールドを吹き付ければOKです。キットは色分け部分がパーツ分けされているので、マスキングを行わなくても、缶スプレーを吹き付けただけで、きちんと劇中どおりの塗り分けになるので、作業も簡単です。
まとめ
これで、バンシイ・ノルンのグリーンフレーム版が完成です。「フルアーマー・ユニコーン」のグリーンパーツを活用するのも一つの手ですが、アームドアーマー・DE部分のクリアーパーツは「フルアーマー・ユニコーン」には含まれていないので、やはり今回の手法を用いる必要があります。全パーツの塗装が難しいと思う方は、アームドアーマー・DEの透明パーツだけでもこの塗装に挑戦してみてはいかがでしょうか。
完成写真はコチラ!
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素組みでガンプラ! ~バンシィ・ノルン デストロイモード~ 前編
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