素組みでガンプラ! 【基礎】道具を使ってきれいに作る初心者向け講座 後編
ガンプラの楽しみ方は人それぞれ。合わせ目を消したり全塗装して“ガチ”で仕上げていくのも楽しいけれど、せっかく色分けが再現されているガンプラだから、そのまま組んで楽しむのもアリでしょう。
そこで本コーナーでは、プロモデラーの桜井信之氏に、初心者や充実した作業環境のない方にもガンプラ作りを楽しめるように、超基本からちょっとしたワザまで、素組みで作る際の“コツ”を紹介してもらうことにしました。少しの手間で十分楽しめる“素組み”の楽しさを、味わっていただければと思います。
今回は前回に続き、『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場する「ガンダム G-セルフ」を使って、模型製作の初級講座をお送りします。放送中のTVアニメを観てプラモデルを作りたくなった方も多いはず……。そんな初心者に役立つ模型製作の基礎を、お届けします。
前回は「プラモデル専用ニッパー」の大切さをお伝えしましたが、ここではさらに「プラモデル専用ニッパー」の上手な使い方と、ゲート処理の方法を考えていきましょう。
1 「プラモデル専用ニッパー」は切れ味が鋭く、一発でカッティングをしても充分な仕上がりになりますが、より美しくパーツを切り離すにはさらに適した方法があります。まずは「パーツ」から少し離れた位置で1度目のカットを行います。1ミリ程度、「ゲート」が残っているのがベストな位置といえます。
2 次に慎重に位置を決め、二度目のカットで余分なゲートを完全に取り除きます。これを「ニッパーの二度切り」といい、切り離し作業の際、「パーツ」に無理な力が加わって一部が白く変色することを防止できます。なお、「パーツ」が白くなる現象を「パーツの白化」と言います。一度変色したプラモデルのパーツを元に戻すことはできず、塗装でリタッチするしか方法はありません。無塗装でプラモデルを仕上げるなら、「ニッパーの二度切り」をオススメします。
3 さらにゲート跡を美しく仕上げたい場合は、「ヤスリ」を使うといいでしょう。これは金属製の「棒ヤスリ」です。この「棒ヤスリ」を使い、先ほど1回目にカットした「パーツ」に残った「ゲート」を削っていきます。パーツに対して縦方向でヤスリがけをすると、わずかに残った「ゲート」が取れてしまい、手でもぎ取ったような状態になる場合があるので、注意しましょう。
4 ヤスリは一方方向に動かすことで対象物が削れていきます。ゆっくり少しずつ、“削れ具合”を確認しながら作業します。急いでガリガリと削るのは避けましょう。ヤスリを当てる方向は、「パーツ」に対して横方向が基本です。
5 ヤスリで「ゲート」を削った状態です。ニッパーでカットした時より美しく、どこに「ゲート」があったのかわからないほどきれいに仕上がっているのがわかります。全ての「ゲート」をこのように処理できれば、ワンランク上の完成品になります。
6 せっかくなので、もうひとつ便利なヤスリを紹介します。これは「紙ヤスリ」で、シート状のベースに研磨剤が付いたものです。ヤスリ目の粗さは何種類も存在しており、番号が大きくなるほど、ヤスリの目は細かくなっていきます。
7 「紙ヤスリ」の最大の特徴は、切ったり、曲げたり、折ったりして、曲面になじませながらヤスリがけをできるという点です。便利なアイテムなので、「紙ヤスリ」についてはまた次の機会に 説明したいと思います。お楽しみに!
完成品はコチラ!
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<関連情報>
素組みでガンプラ! 【基礎】道具を使ってきれいに作る初心者向け講座 前編
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