食玩「スーパーミニプラ 機甲界ガリアン」を絵画風ワンダー・アートに!完成したボックスアート風塗装の真価やいかに!【後編】
圧倒的なクオリティの組み立てキットシリーズ、食玩「スーパーミニプラ」。このラインに登場した『機甲界ガリアン』は、1984年の同タイトルアニメシリーズを材に取ったアイテムです。
完成するガリアン重装改は、物語中盤で主役メカ・ガリアンが改造を施された姿。装備の換装によって初期のガリアンとすることもできます。作例の肝は塗装。まるでイラストのように見える、いわゆる“二次元塗り”を施しています。ここでポイントとなるのは、イラストのタッチ。
今回は、当時の『ガリアン』キットでも多数のボックスアートを輩出したメカイラストの巨人、高荷義之氏のタッチを参考に塗りこんでいきます。後編となる今回はついにアイテムが完成。その抒情的ともいえる、絵の具のマチエール(質感)を活かした仕上がりを堪能ください。
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スーパーミニプラ 機甲界ガリアン
シール併用
色の塗り方は前編で説明したとおりです。
そこで少し応用。あかしろきいろが混在するパーツであるおしりのプレートでおさらいです。黄色は塗ってもいいのですがシールが付属しているので、ベースにこれを使ってみます。
1.黄色はオレンジのつやと白のハイライト、白は赤いパーツの影になる部分から下にグレーの2色を塗ります。この時点でシールが下地であることがわからなくなりますね。
2.そのあと、白が少し物足りないので下の方に薄いグレー(ほとんど水色)でムラを出して、赤いパーツは背中に隠れる部分なのでしっかりと黒の影を入れました。
3.裏側はくろで潰してしまいますが、ベタッとしないよう下の方はグレーのムラを出します。黒を塗った後に、塗装面上でグレーと黒を混ぜるカンジで軽く塗り足すとうまくいきます。
同じように変形時に出て来る垂直翼も白いシールを貼り、って、それぞれ塗っています。左がシールの後断面のところだけ白を塗り足したもの。右は白、赤も塗ったものです。
細部
キットは塗り分けをパーツ分割でもかなり再現しており、黄色い部分や細部に付属のシールを貼ればひと通りの塗り分けは再現できますが、マット水彩マルチで塗るのも手です。
パイロット
パイロットの少々細かいですが余裕があれば塗り分けてみましょう。
上半身とブーツは茶色、腕とふともも、髪の毛(本来は金髪)は黄土色で塗ります。腰のベルトは赤。ヘルメットの銀はしろとくろでグレーを作り、肌色は黄土色に白を足すとそれらしくなります。
各部パーツ
このような調子で、各パーツも随時塗っていきました。単独パーツを見ていると筆目も荒々しく塗ってありますが、結構それらしく見えるものなので、あまり気負わずTVでも見ながらのんびり塗ってみましょう。
最後に
しっかり乾燥した状態でも水で洗うと簡単に落ちます。水がかかると取れちゃうということでもありますが、やり直しが効く、飽きたら洗って別の塗装を試せる、など面白い特性かなあと思います。
塗装が完了して洗い流すつもりがなければ、最後に成形色とポスターカラーのツヤを整える意味も込めてトップコートをしましょう。
今回使うのはGSIクレオスの水性スプレー「Mr.プレミアムトップコート つや消し」です。表面がまんべんなくテカテカになる程度に吹いて乾かせば、しっとりしたつや消しになりました。
最初に”少しベタつくことがある”と説明しましたが、このトップコート後はそうしたこともなくなりますよ。
KuWa氏による製作記事は以上です。ここからは、完成品のフォトをお楽しみください!
●ガリアン重装改
盾や脚部、腕部内側に強く落ちた影が強烈な存在感を醸し出します。光の方向を見失うかのような、風合いあるカラーリングが楽しい。
●上半身
特に効果的なのは腕内側、ホワイトの部分に落ちたグレーの影です。青空の照り返しを思わせる青みがかったグレーが、全体の色調に深みを与えます。胸部左上のハイライトにもぜひ注目!
●下半身
上半身から落ちる影で、全体に強く黒が落ちるようになり、脚の内側などはまさに日陰という感じです。サイズ感を演出する、いわば写実的な表現ではありますが、ここにペンタッチが加わって、非常に絵画的な仕上がり。
アオリでみれば、実際のライティングでなく、塗装する際に設定された光源がしっかり把握できます。また、左肩に残る絵の具そのものの質感もなんとも良い雰囲気。
●各種武装
ガリアンソードや重装砲が、ハイライトや塗装でガッチリイラスト風の仕上がりに。
●素組み状態との比較
こうして並べると二次元塗りの効果は絶大。サイズ感がまるで異なります。装甲の裏の黒々とした部分のグラデーションが、巨大感を演出します。
それではお待ちかねのポージング。
続いて前編でも紹介した重装改のボックスアート風。脚部内側の影がいい仕事をしています。
斬りかかるガリアン。ガリアンソードの絵っぽさがかなり気持ちよい。
イラストではなく、アニメーションのワンシーンをポージングしてもまるでボックスアートのようになってしまうのがこの作例の面白いところです。オープニングのローラーダッシュ!
袈裟懸けに斬りぬけるガリアン。
作例はもちろん、素体のスーパーミニプラの可動はもちろん優秀です。
最後はこちらも前編で紹介した、集合イラストのポージングで〆。いずれ人馬兵・プロマキスとも対決してほしい……!
大ボリュームにつき2回にわたってご紹介した、ガリアン重装改のイラスト塗り。使う道具も、最後のトップコート以外は水と絵の具だけ。オトナの夏休みの自由研究に、作例・イラストとにらめっこして「スーパーミニプラ 機甲界ガリアン」を塗ってみてはいかがでしょうか。
DATA
スーパーミニプラ 機甲界ガリアン
- 発売中
- 組み立て式プラキット 1式(全2種)
1.ガリアン重装改
2.鉄巨神ガリアン - 取扱説明書 1枚(全2種)
- シール 1枚(全2種)
- ガム1個
- 販売元:バンダイキャンディ事業部
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