『ロウきゅーぶ!』にかける思いをPLUM担当に直撃!

更新日:2015年6月15日 22:53

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2014年7月にリリースされた「湊 智花~うさぎさんVer.~」から始まり、着々とラインナップを増やし続けるピーエムオフィスエー(PLUM)の「うさぎさん」フィギュアシリーズ。バニースタイルのキャラクター達を立体化するという一味違ったコンセプトで、『ロウきゅーぶ!』ファンからの評価と期待も高い、人気シリーズとなっています。

 

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そんな本シリーズの最新作である「三沢真帆~うさぎさんVer.~」が現在予約受付中……ということで、このシリーズを企画・担当しているピーエムオフィスエーのA氏に直撃インタビューを敢行。『ロウきゅーぶ!』という作品に対するA氏の熱い思いと挫折のエピソード、そして気になる今後への展望などを聞いてみました。

 

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▲「三沢真帆~うさぎさんVer.~」。1/7スケール塗装済み完成品。価格:9,800円(税抜)、6月発売予定。

 

 

■ピーエムオフィスエーとは?

 

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▲ずらりと並ぶ『ロウきゅーぶ!』フィギュア達とA氏。シリーズ開始1年足らずでこれだけアイテムが増えているところにA氏の本気を感じます。

 

――すごく基本的な質問になるのですが、まずはピーエムオフィスエー(PMOA)という会社、そしてPLUMというブランドについて教えてください。

担当A:元々は、長野県の自動車部品など精密部品を手がけるガチガチの製造業の会社です。ただ、リーマンショックの影響で自動車部品の仕事が減ってきました。かねてより、弊社社長が設立10周年を期に、下請けとしてだけではなく、メーカーとして独立した商品を提供する側になりたいと思っていたこともあり、設立されたのがキャラクターホビー事業(PLUMブランド)になります。

 

――なぜホビー事業へ、となったのでしょうか。

担当A:いろいろと検討した中でホビー業界が一番活気があり、また弊社がプラスチック成形用の精密金型を製作するノウハウをもっていた、というのが大きいですね。また会社としても「チャレンジしてみたかった」というのもあります。私も、そういった国内生産でプラモデルを作る、という部分に面白みを感じPMOAに入った感じですね。そこから、2010年にPLUM最初のアイテムとしてプラモデルの「SA-77 シルフィード」を手がけることになりました。

 

――当初はプラモデル中心のラインナップでしたよね。現在のようにフィギュアも手がけるようになったきっかけとは?

担当A:何かがきっかけになった、というよりは、昨今のホビー業界を見るに当然の流れではないかなー、と思います。元々の業務でも、プラ成型品に部分塗装が必要になったり、細かな部品の組み立てが発生することもあって、中国の工場にツテがありまして。そこへヒアリングしたところ、PVC製フィギュアの生産などもできそうだということで、フィギュアのラインも始まりました。いっしょに0からスタートして、試行錯誤を重ねつつ現在に至ります。

 

■『ロウきゅーぶ!』フィギュアができるまで

――そんなPLUMのフィギュアを語る上で外せない存在になった感もある『ロウきゅーぶ!』ですが……。2014年夏から開始なんですよね。個人的にはかなり長くやっているように感じていました。

担当A:「うさぎさんVer.」のリリースが始まってまだ1年も経っていませんからね(笑)。ただ、5年ぐらい前から模型雑誌の担当さんには「『ロウきゅーぶ!』のフィギュアをやりたい!」 とお話してましたから、長くやっているように感じるのは恐らくそのためではないでしょうか(笑)。

 

――そう言われればそうかもしれません(笑)。ところで、『ロウきゅーぶ!』をフィギュア化したいと思ったきっかけとはなんでしょう?

担当A:もともと『ロウきゅーぶ!』という作品が、原作もアニメも含めて個人的に大好きで、すごくフィギュアが欲しいなー……と思っていた、というのがあります。でも、どこからもフィギュアが出ないなー、かわいいのになー、と。やはりフィギュアの売れ筋ってどうしてもスタイルの良いキャラになるじゃないですか。そのせいなのかなー、とか、色々と考えたりしていましたね。なので「フィギュア始めるけど、何かやりたいことある?」 と聞かれたときには、イの一番に「『ロウきゅーぶ!』やりたいです!」と答えました(笑)。

 

――それがアニメの第1期が放映された(2011年夏~)ぐらいのタイミングということですよね? そこからスタートしたとするとかなり時間がかかっていませんか……?

担当A:実は、その時に出した社内用の企画は、今の「うさぎさんVer.」ではなく、体操服+スパッツ姿での立体化だったんです。で、まずは当然、企画を長野の本社でプレゼンをすることになるのですが……。元々、弊社ガチガチの製造業だったものですから、プレゼン会議に参加するのも、設計一筋何十年、金型一筋何十年といった長野県が誇る匠達なわけです。
そんな人達に囲まれて「このフィギュアの売りはどこ?」「このキャラクターは何歳なの?」と質問されるわけです。そして僕が「スパッツに浮き出る下着のラインです……」「小学校6年生です……」と答えるという。あの時は「こいつ、何を言ってるんだ?」という空気のいたたまれなさに、心が折れましたね……。そんなわけで、一度社内で企画がストップしていたんです(笑)。

 

――ということはフィギュア企画そのものは一回挫折していたんですね……。その企画が「うさぎさんVer.」として復活した経緯とはなんでしょう?

担当A:僕自身が何かをした、というよりも、キャラクターホビー事業を続けていく中で、会社全体として、「萌え」コンテンツに対する理解が深まったのが大きいと思います。その中で、弊社の社長のほうから「前、会議で言っていた『ロウきゅーぶ!』のフィギュア、やらないのか」と言われまして。ちょうどアニメも第2期をやっていたころでしたね。
バニースーツ姿となった理由ですが、当時すでに体操服+スパッツのフィギュアは他社様から発売されていましたので、以前の企画をそのまま進めることにやや抵抗もあったんです。それで、色々と考えていたのですが、そんな折、偶然、智花のバニーのイラストを拝見して、そのイラストの可愛さに一目惚れしまして。「これをフィギュアにしよう!」と思ったのがきっかけですね。

 

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▲「湊 智花~うさぎさんVer.~」。1/7スケール塗装済み完成品。価格:8,800円(税抜)、発売中。

 

■うさぎさんVer.について
――そんな「うさぎさんVer.」シリーズも、今回の真帆で3アイテム目になりましたね。
担当A:そんな経緯もありまして、このシリーズは、元々智花だけの単発企画の予定だったんです。基となるイラストも、智花のものしかありませんでしたし。ただ、私と同じ志を持った世界中の紳士淑女の皆様のおかげで、好評をいただきまして。以降のキャラクターは公式の描き下ろしイラストと共に、シリーズ展開することができました。

 

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▲「袴田ひなた~うさぎさんVer.~」。1/7スケール塗装済み完成品。価格:9,200円(税抜)、発売中。

 

――ちなみにリリース順番の理由とは?

担当A:第2弾のひなたは、ファンも多いですし、メインの5人組の中ではもっとも“幼い”イメージのキャラクターということで、すぐに決まりました。第3弾に関しては、残りの3人、真帆、紗季、愛莉のうち、良い意味で誰がどの順番で発売されてもいいかな、と思っていました。真帆と紗季は連続で出したいな、とか、でもひなたの後は愛莉でもいいな、とか、そういう、自分の中での順番はありましたが。そういう意味では、3人目が真帆になったのは最終的には、趣味がちょっとあるのかもしれません(笑)。

 

――ちなみにファンの方から、リリース順についての要望があったりしますか?

担当A:むしろ、メインの5人以外の立体化希望のほうが多いですね。ファンの皆さんの中では、順番はどうあれ、5人全員フィギュアになるのは間違いないという確信があるのでしょうか(笑)。それ以外だと、ミミの要望が多いですね。変わったところでは昴のお母さんの七夕さんが欲しいという方もいらっしゃいますが(笑)。

 

――企画担当の視点から、本シリーズを製作する際に気をつけられたポイントなどを教えてください。

担当A:智花の場合は、一番最初のアイテムだったということもあり、原型師さんとのやりとりが特に大変でしたね。必ずしも原型師さんが私と志を同じくするわけではありませんから、イメージのすり合わせにはかなりの時間を割いています。具体的には「ちょっとお腹が出ます」「くびれはありません」「この子たちはまだ小学生なんです!」と言いながら、ジュニアアイドルの写真をお見せしつつ、説明をすることになります。結果として、こちらが白い目で見られるわけですが(笑)。

 

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――やはり『ロウきゅーぶ!』のキャラクターの立体は難しい?
担当A:本作には、ちょうど育ち始める時期といいますか、フラットなボディラインのキャラクターが多いのですが、そうなると、人体として一切ごまかしが効かないのでとても気をつかいますね。もちろんグラマーな女性キャラクターでもお肉のボリューム感や形、ラインの流れといった部分は難しいのですが、それらとは異なる難しさがあります。またその中でも胸の大きさの差が公式に設定されているところからもわかるように「無いんだけど、ある」という部分をいかに再現していくのか……という、非常に難しい部分があります。

 

――かなり哲学的な話になってきましたね……。
担当A:その微妙な差を原型で再現できたとしても、PVCの完成品に落とし込んだときにキチンと伝わるのか? など、悩みながら製作していますね。このあたりに関しては、ユーザーさんからの忌憚ない意見もおうかがいしたいところでもあります。

 

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▲「智花」「ひなた」「真帆」の胸の大きさを比較。担当A氏こだわりの造形となっています。

 

 

 

――ちなみに最新作である真帆の製作の際に気をつけた部分は?

担当A:特に真帆は5人の中でももっとも胸がないスットンな子なので、そのあたりを意識した造形になっています。そのように伝えた原型師からは「差がわかりません……」と言われましたが(笑)。また、父親がファッションデザイナーという設定を意識して、前の二人のものとは違う、少しフリルなどでアレンジの入ったバニースーツとしていますね。このあたりは、基になったイラストを描いていただく際にお願いしました。

 

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 ■最後に

――最後に……の前に、今、思い出したのですが、「うさぎさんVer.」が始まる前、「裸ビブス」について熱く語られていた時期もありましたよね? アレはやらないんですか?

担当A:ありましたねー……というより、まだ僕の心に残っています(笑)。ただそうなると、裸ビブスについて説明して、企画を通したりしないといけなくなるな……という部分もありますよね。それは間違いなくスパッツやバニーよりも色々なハードルが高くなると思われるので、今は心の中で温めつつ、さらに時期が熟すのを慎重に待ちたいと思います(笑)。

 

――それでは最後に、本シリーズのファンの方に一言お願いします。

担当A:「うさぎさんVer.」は、『ロウきゅーぶ!』ファンとしても企画者側としても、可愛らしくできたと思える自信作となっています。まずはこのシリーズで5人を揃えるところを目標にしていきたいと思っています。そしてこれからも、皆さんの『ロウきゅーぶ!』愛を受け入れる器として頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いいたします!

 

<関連情報>

『ロウきゅーぶ! SS』公式サイト

http://www.ro-kyu-bu.com/

 

ピーエムオフィスエー(PLUM)公式サイト

http://www.pmoa.co.jp/

 

 (c)蒼山サグ/アスキー・メディアワークス/TEAM RO-KYU-BU! SS

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