『パシフィック・リム:アップライジング』イェーガーに込めた魂とは!?ブルーレイ&DVD発売記念 ROBOT魂開発者インタビュー

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2018年4月に公開され大反響を呼んだ『パシフィック・リム:アップライジング』がついにパッケージ化! 2018年10月11日(木)にBlu-ray&DVDが発売となります。

 

いくつかの仕様でパッケージは発売されますが、電撃ホビーウェブとして一番気になるのは、BANDAI SPIRITSのROBOT魂「ジプシー・アベンジャ-」と「オブシディアン・フューリー」が重塗装仕様となって封入される「アルティメット・コレクターズ・エディション-シベリア対決セット-」でしょう!

 

この重塗装仕様はアメリカ・サンディエゴで開催された「Comic-con International San Diego」(2018)で限定販売されただけという幻のアイテムで、日本ではこの「アルティメット・コレクターズ・エディション-シベリア対決セット-」でのみ入手可能なスペシャルな逸品です。

 

インタビューに応じてくださった、BANDAI SPIRITS オレスカ ジュリアン氏

インタビューに応じてくださった、BANDAI SPIRITS オレスカ ジュリアン氏

 

今回は、この重塗装仕様“シベリア対決セット”についてROBOT魂の企画・開発を手がけるBANDAI SPIRITS オレスカ ジュリアン氏に思う存分語っていただきました。ROBOT魂における『パシフィック・リム:アップライジング』シリーズの位置づけや開発時のチャレンジ、そしてこれからの展望とは!? 『パシフィック・リム』好きの人はもちろん、『ROBOT魂』好きの人も必見のインタビューです!

 

可動こそROBOT魂の“魂”

――今回の重塗装仕様“シベリア対決セット”についておうかがいする前に、ROBOT魂『パシフィック・リム:アップライジング』シリーズ全体について質問させてください。情報量がとにかく膨大なイェーガーたちですが、ROBOT魂で表現する際に一番注力したところは?
オレスカ ジュリアン氏(以下、オレスカ):ROBOT魂は通常5,000円以上の高価格帯の可動フィギュアという位置づけのブランドなのですが、『パシフィック・リム:アップライジング』シリーズは全世界で販売したいと考えていました。ですから、世界中の市場で販売しやすくするために、お求めになりやすい価格帯を実現するという目標が最初からあったんです。ただ、クオリティやROBOT魂らしい可動域は諦めたくないという思いもありました。ROBOT魂のシリーズを作りはじめた頃から、(ROBOT魂では)可動域をできるかぎり広くとるというこだわりがあるんです。ですから、一番のこだわりをあげるとするならば、やっぱり可動ですね。

 

価格と可動を両立させるため、『パシフィック・リム:アップライジング』シリーズは、普段のROBOT魂では余り使わないPVCという柔らかめの素材を久しぶりに採用しました。主に脛や二の腕、胴体にも多少PVCを使っています。最近のPVCは成形技術がかなり進化していて、以前では考えられないほどシャープな造形になっています。また、従来のROBOT魂では股のジョイントや二の腕のひねりなどを実現するためにはパーツを増やし対応する必要がありましたが、今回はPVCを使っているので直接間接を繋ぐ構造にすることができました。また、普通のROBOT魂ではあまり用いないボールジョイントも使い、可動範囲をかなり広くとることができたんですよ。

 

PVCの採用で可動とコストを両立。劇中のポーズもなんなく再現できる。

PVCの採用で可動とコストを両立。劇中のポーズもなんなく再現できる。

 

――映画公開前のだいぶ早いタイミングでROBOT魂からのリリースがアナウンスされましたが、開発は映画製作と並行して進んでいたのですか?

オレスカ:ええ。テスト映像はかなり早い段階でいただいていて、そのテスト映像を元にパーツの分割線や個々の部品が動く・動かないといった指示をLEGENDARYさんからいただいていました。ですが、最終的にどんな風になるかは想像するしかありませんでした。

 

というのも、CG制作は外形から作りはじめ大枠のパーツ分割をし、そこから詳細なディティールが作り込まれていく……といった段階を経て進んでいくのですが、公開の約3か月前ぐらいまでひたすら作り込まれ、ギリギリまで細かな電灯やワイヤーをはじめとした小物が追加されていくんです。

 

今回のフィギュアは映画公開前に発売したいという目標があったので、それらの完成を待っていては間に合わない。細かな要素が入りきったものを待つ時間的な余裕がないんです。そのため、いろいろと予測をして進行していかなくてはならなかったのですが、色だけはきちんと合わせたいとLEGENDARYさんにお願いをして、相当に早い段階で決定していただきました。フィギュア用に選んだ整形色が実際の映画ではまったく違ったというケースもあるので(苦笑)、かなり近い色をフィギュアに反映できたのはうれしかったですね。

 

これは動きについても同様で、映画では最終決戦で「ジプシー・アベンジャー」や「セイバーアテナ」が大きく飛んだり、かなり低い姿勢でしゃがんだりしていて、「これは……ちゃんと再現できるかなぁ……」って心配になりました。でも、先ほども言いましたが可動はROBOT魂の肝の部分なので、最初の段階から(可動範囲の)確保を最優先すると決め、股関節や膝関節の可動範囲をかなり広くとっていたため、映画に近いポーズを無事に再現することができました。正直、ホッとしましたよ(笑)。

 

「ソフビ魂で発売中の怪獣たちと戦わせるのも楽しいですが、やっぱりイェーガー同士のほうが燃えますよね」(オレスカ氏)

「ソフビ魂で発売中の怪獣たちと戦わせるのも楽しいですが、やっぱりイェーガー同士のほうが燃えますよね」(オレスカ氏)

 

作品を象徴するシーンを再現したい

――今回の重塗装仕様ですが、作中、印象的なシーンはいくつもありましたが、シベリアでの対決の場面を選んだ理由は?
オレスカ:現在発売中の通常版はシリーズを通して均等な3,300円前後を価格帯とする戦略があったので、各イェーガーの生産設計もそれらを前提に行いました。ですが、今回の重塗装仕様はコスト的な余裕があったので、完成した作品を踏まえてできる限り再現できるぞ! と。

 

そこでチーム内で印象的なシーンはどこだったのかディスカッションをしたんですが、みんなが一番感動していたのはシベリアでの対決……イェーガー対イェーガーのシーンだったんです。イェーガー同士の対決は本作品を象徴する新しい表現ですし、何より格好いいですよね。そこで、このシーンを再現できるものにしようと決めました。だから対決セットでは「ジプシー・アベンジャー」も「オブシディアン・フューリー」も、チェーンソードを装備している姿になっています。

 

また、先ほども申し上げたように、ROBOT魂でフィギュア化したイェーガーたちは映画完成前のCGをベースに造形をしています。このサイズのフィギュアでは細かなディティールの再現よりも全体のバランスや目立つ部分の要素をいかに上手に盛り込むかを優先して設計しますが、それでも「ここは入れたかった」という部分がどうしてもでてきてしまいます。ですので、重塗装仕様では製作の最終段階で追加された目立つ部分をできる限り再現しました。「ジプシー・アベンジャー」でいうと、股の上にあるパネルラインなどをタンポ印刷で再現しています。

 

質感の向上は重塗装仕様での大きな目標だったとのこと。顔から胸にかけてしっかり手が入っているのがよく分かります。

質感の向上は重塗装仕様での大きな目標だったとのこと。顔から胸にかけてしっかり手が入っているのがよく分かります。

 

オレスカ:その他では、「オブシディアン・フューリー」は各カ所に銀色の吹き付け塗装で雪のような表現を加えグレードアップをし、「ジプシー・アベンジャー」はウェザリングを施し、リアクターの部分には金色の吹き付け塗装を追加して情報量を増やし質感を向上させました。さらに肩の部分にはガンメタリックを、目の部分には金色の塗装を追加し劇中の配色に近づけています。

 

彩色で質感を向上させるというのは重塗装仕様の目標で、仕上げのクオリティはかなり向上できたと自負しています。
――だいぶ長期かつ広範囲な展開となった規模の大きいプロジェクトとなりました。『パシフィック・リム:アップライジング』という作品を振り返って、オレスカさんはどのような印象を持っていますか?
オレスカ:『パシフィック・リム:アップライジング』は前作の10年後という設定でしたが、10年の間に何が起きたのか、イェーガーの技術はどのように進化したのか? といった開発ストーリーは、ロボ好きとしてはやっぱり気になりますよね(笑)。

 

前作のイェーガーは各国の代表として描かれていましたが、本作ではすべて「PPDC」(Pan Pacific Defence Corps)に所属するイェーガーという設定です。すべてのイェーガーが進化しているという点は、デナイト監督が特に意識していたポイントだったとうかがっています。プロモーション用の映像やポスターでも、各イェーガーの象徴的な部分にフォーカスを当てた露出がされていましたし。

 

深掘りできる要素がまだまだたくさんあるので、そういう濃い開発ストーリーは個人的にぜひ見たいですし、LEGENDARYさんの中でも、そういう目標がきっとあるんじゃないかな、と(勝手に)思っています(笑)。

 

――作中でおきた10年の進化を、デザインから、そしてそれを立体化したROBOT魂からも感じることができました。これはすごいことですよね。
オレスカ:『パシフィック・リム』のイェーガーたちは、様々な国の人が納得できるすばらしいデザインだと思います。世界中の人に受け入れてもらえる、全世界で展開できるロボットコンテンツは数少なく、それらを立体化することができたのは、BANDAI SPIRITSとしてもとても光栄なことだと感じています。
今後、BANDAI SPIRITSでイェーガーを立体化する機会があるのならば、ぜひROBOT魂でも続けて出していきたいですね!

 

――本日はありがとうございました。

 

DATA

パシフィック・リム:アップライジング アルティメット・コレクターズ・エディション -シベリア対決セット-

  • 日本限定3,000セット
  • 4K ULTRA HD+3D ブルーレイ+ブルーレイ(3枚組)
  • 封入特典
    「Comic-con International San Diego」で販売されたBANDAI SPIRITS社“ROBOT魂”<SIDE JAEGER>シベリア対決セット (ジプシー・アベンジャー×オブシディアン・フューリー フィギュア2体)
    サイドストーリーを描いたオリジナル・アメコミ(52P)
    日本オリジナルアートカード2種 (ダイナミック・プロ&大張正己氏)
  • 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • 価格:19,990円(税別)
  • 2018年10月11日発売

 

パシフィック・リム:アップライジング スチール・ブック仕様 ブルーレイ+DVDセット

  • 日本限定4,000セット
  • ブルーレイ+DVD(2枚組)
  • 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • 価格:4,990円(税別)
  • 2018年10月11日発売

 

パシフィック・リム:アップライジング ブルーレイ+DVDセット

  • ブルーレイ+DVD(2枚組)
  • 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • 価格:3,990円(税別)
  • 2018年10月11日発売

 

パシフィック・リム:アップライジング 3Dブルーレイ+ブルーレイセット

  • 3Dブルーレイ+ブルーレイ(2枚組)
  • 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • 価格:5,990円(税別)
  • 2018年10月11日発売

 

パシフィック・リム:アップライジング 4K ULTRA HD+ブルーレイ

  • 4K ULTRA HD+ブルーレイ
  • 発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • 価格:5,990円(税別)
  • 2018年10月11日発売

 

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