【FMO】コラム・女性向けフィギュア市場
フィギュアマニアックスオンライン
フィギュア業界トレンドウォッチ12月
その1
フィギュア関連の取材したり撮影したりしていると、メーカーさんから内情をうかがったり、噂話も含めていろんなことが聞こえてきます。
そんな中からフィギュア業界の現在についてちょっとまとめてみました。こんな見方もある、くらいで読んでもらえれば。
まずは注目が高まりつつある女性ファン向けのフィギュア市場について。
その1 女性向けフィギュア市場活性化
以前この記事でも少し書きましたが、このところ女性ファンをメインターゲットにしたもの、メインとは言わないまでも強く意識したフィギュアが続けて登場しています。
アルターでは「アルタイル」、コトブキヤでは「esシリーズ」(現状はグッズ系中心ですが)というブランドを使ってはっきりと女性向けであることを打ち出し、他メーカーからも続々と新製品が登場しています。
女性向けリアル頭身フィギュアについてのトライは結構前から行われてはいました。しかし、その後の展開を見ているとそんなに成功した感はなく、唯一コンスタントに登場していたのはデフォルメミニフィギュアのみでした。女性向けフィギュアの市場にはリアル頭身の高価格フィギュアを買う習慣がなかなか根付かないなぁ、というジャンルだったのです。
それがこのところの活況。
女性ファンも一番くじやプライズなどでリアル頭身フィギュアにも慣れてきたことに加え、『TIGER & BUNNY』関連の商品などで「フィギュアは予約しておかないと手に入りにくい」という状況を経験したことによって、高価格帯のフィギュアも予約して手に入れる習慣が生まれてきたのではないか、という印象を受けます。
実際、メーカーさんのお話だと女性向けフィギュアも確実に売れるようになり、男性向けフィギュアよりも良い販売実績を残しているものもあるとか。
さらにフィギュアメーカーでも、企画や広報を担当している女性がかなり多くなり、企画や造形の方向性などを決めるうえで女性ファンの気持ちをくみ取りやすいという状況も影響しているのかもしれません。
一方で女性ファンは新しい購入層だけに、問い合わせなどもこれまでとは違うパターンがあるようです。2種類の表情があると聞いて2個買わなきゃいけないと思ったり、表情換えで頭部が交換できると聞くと他のフィギュアの顔もそのまま付けられるのではないかと誤解したり。昔からのフィギュアファンなら常識と思ってくれるような表現でも、考え直さなければならない場面もあるようです。
イベントを取材していておもしろかったのは、写真の撮影の仕方の違い。
ワンフェスなどの展示ブースでは、撮影をする人は展示台の端から移動していって全部撮るというのが基本。そのため、展示台と平行で列が出来ていきます。
それが、先日開催された女性向けのイベント「アニメイトガールズフェスティバル2012」(AGF)では、展示台と直角の列になっていました。目的のフィギュアのみを撮影したいらしく、展示されたフィギュアに対して個別に列が出来ていたのです。
今後も各メーカーからの女性ファン層向けのフィギュアのラインナップはますます拡充していきそうで、注目したいところです。