【FMO】コラム・中国のフィギュア工場は今!?

更新日:2013年11月25日 11:41

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フィギュアマニアックスオンライン

フィギュア業界トレンドウォッチ12月

その2

 

フィギュア関連の取材したり撮影したりしていると、メーカーさんから内情をうかがったり、噂話も含めていろんなことが聞こえてきます。
そんな中からフィギュア業界の現在についてちょっとまとめてみました。

 

2つめのネタは、現在の完成品フィギュア製造でなくてはならない存在の中国の工場について。

 

 

その2 中国のフィギュア工場の現状

 

まず最初に断っておくと、これから書くのは現地取材の結果の話ではなく、いろいろメーカーさんに聞いたもの。もちろんいろんな所から聞いてまとめていますので、極端に現状と乖離しているということはないかと思いますが、こんな感じらしいよ、くらい軽く読んでもらえると。

 

完成品フィギュアの製造には、中国の工場がなくてはならない存在であることは、おそらく皆さんもご存じのはず。そんな中、9月以来の日中関係の影響が気になる方もいるでしょう。最近、フィギュアの発売の遅れが多いのはその影響じゃないの、と思う人もいるかもしれません。ですが、何か影響があったという話はまったくと言っていいほど聞いていません。

 

では、なぜ発売の遅れがいつも以上に多いのでしょうか? まず、大ヒットしたフィギュアの製造が遅れ、その影響で他メーカーのフィギュアも遅れたというケースがありました。実はこれは今までにもあったことです。しかし今回はこれに加え、クオリティーがキープできないので遅れているという話をよく聞きました。なぜクオリティーが維持できないのかというと、工員が足りない、特に彩色をする人手が足りないことが理由らしいのです。

 

今までも、旧正月(例年2月くらい)明けには大量に人がやめたり入れ替わったりするため、クオリティーのコントロールがしづらく、発売が遅れるというのは毎年のことでした。しかしいまは、旧正月に関係なく、ずっとその状態だとか。

 

フィギュア工場が多い広州は、もともと多種多様な工場が集中しています。そのため、空調も効いたきれいな電子機器系の工場に人が移ったといった話は、以前からありました。今回のはそれだけではなく、工場で働くこと自体をやめたとか、広州に出稼ぎに来ていた人が地元に新しく出来た工場に移ったとか、社会構造の変化の影響を受けているようです。

 

ここ何年も、中国の工場の話が出ると製造費が何倍になったとか、製造費の高騰の話題ばかりだったのですが、今では人が足りない、クオリティーが下がってスケジュールが厳しい、という話題にすっかり変わってしまっているのです。

 

他の製造業では脱中国の動きが活発でベトナムやタイに移った企業もありますが、フィギュア関係でもそれを志向しているメーカーもあります。ただし、一朝一夕に実行できるものではありませんが(オモチャ系ではすでに移動してるところもあります)。

 

価格が上がりすぎてもう限界だというメーカーからの声は何年も前から聞こえていましたが、これまでは何とかなっていたようです。しかし、最近聞く話はさらに切羽詰まった印象を受けます。いずれにしても広州でのフィギュア製作はそんなに長く続けられない、というのはかなり現実味が高くなっているのです。

 

この先フィギュア自体がどうなるかも含めて、余談を許さないかもしれません。ただ、現在のフィギュア市場はアニメ関係等のグッズの中でもかなり重要なアイテムとなっているので、さすがにそのまますぐに衰退するとは考えにくく、今後もさまざまな取り組みがなされ、継続されていくでしょう。

 

 

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