大人の男玩『ダイアクロン』新シリーズ!「トライヴァース」始動!! 玩具デザイナー・高谷元基(タカラトミー)インタビュー

更新日:2019年6月29日 03:31
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身長わずか3センチの極小アクションフィギュア<ダイアクロン隊員>とパワードスーツ・ロボ・ビークル・基地等、大人男子のイマジネーションを刺激する魅力の詰まったアイテム群が織りなすダイアクロンワールド!

 

1980年に誕生したオリジナルSFトイ・ダイアクロンは変形合体ロボット玩具の先駆けとなり、その画期的なコンセプトは後にトランスフォーマーへと受け継がれ、2016年にハイエンド向けアイテムとして再起動を遂げた。

 

今回は、ダイアクロンラインの新シリーズ、「トライヴァース」についての情報と、タカラトミーの男児玩具のノウハウを継承し、最新の技術で現在のダイアクロン商品を続々と開発しているタカラトミーの玩具デザイナー、高谷元基さんにお話をお聞きしました。

 

――まずダイアクロン再起動の頃のお話からお聞きしたいのですが、高谷さんが本シリーズの商品開発に関わるようになったきっかけは……。

 

高谷:現在展開しているダイアクロンラインはハイターゲット市場に本格参入するという会社方針を受けて、私が全体のコンセプトや商品の方向性等をまとめ立ち上げた企画です。ダイアクロンは過去に子供向けラインとしても展開しましたが現在展開中のダイアクロンは、単なる懐かしモノのリバイバルとして復活させる事でも復刻アイテムのコレクタブル展開をする事でもなくて、今現在の大人の方々に玩具の本質である“遊ぶ事の楽しさ”を再認識していただけるような商品ラインとして展開して行く事がこの企画の真の目的でした。飾って楽しむ、作って楽しむ、いじって楽しむ等の大人向けホビーは自社を含め各社から非常に多くリリースされていたり、子供向け玩具ラインをあえて大人が楽しむという事は多々ありますが、真っ向から大人に向けたロールプレイ的に遊んで楽しむ玩具というラインは希有でしたので、長年玩具開発を生業としてきた身として、ぜひともこの方向にチャレンジしたかったんです。玩具は子供のための物、とか大人が玩具で遊ぶ事は奇異である、とか言った前時代的な考え方を払拭して、玩具遊びを大人の趣味、というか映画を見たり、本を読んだりするのと同等のエンターテインメントとして堂々と打ち出したいという想いがありました。

 

――キーワードとして使われている「大人の男玩」というのはどういった意味なのでしょうか?

 

高谷:先程の大人が本気で遊び込めるプレイバリューを備えた玩具ラインを本格的に構築するというコンセプトに由来するキーワードです。“男玩”とは男児向け玩具を指す業界用語で1980年にスタートしたダイアクロンはフィギュア・ロボット・乗り物・基地等、花型アイテムが詰め込まれた男児向け玩具の集合体とも言えるラインなので“大人の男玩”を体現するには最適のラインでした。サイズ感も1/60スケール近辺という手頃なサイズで投資リスクの低い小物から大きな売上が見込める大物まで投資規模に合わせた柔軟なラインナップが展開できるという事も重要な要素でした。

 

――シリーズ第1弾として華々しくデビューした「ダイアバトルスV2」は、ダイアクロン隊員の搭乗はもちろん、頭が自動的にせり上がるギミックや目が光る”集光ギミック”を採用したり、ダイアクロンらしい変形や合体アクションが詰まった魅力あふれる商品でした。それだけに、開発担当者としてはご苦労が多かったと思います。

 

▲ダイアバトルスV2

 

高谷:バトルスについて本格的に語るとかなりの時間を要しますので省きますが、実は第1弾で最も注力した部分はバトルス本体ではなくてダイアクロン隊員フィギュアの方でした。約3センチ程のフィギュアに極小の関節可動部を組み込んだアクションフィギュアなのですが、試作ではできた事も実際の生産ではできなくなる事も多々ありますので、生産工場と密に連携し試行錯誤を繰り返した結果ようやく現状の仕様で量産できるようになりました。ダイアクロンラインの真骨頂である「フィギュアが乗り込むメカニック」のカッコよさは、ダイアクロン隊員フィギュアの表現力に直結しますので、これがイメージ通りの仕様で生産できなければ第2弾アイテムの発売継続はしなかったかもしれません。まだダイアクロン隊員を実際に手に取って遊ばれていない方は何とか機会を作ってその関節可動機構を試していただきたいですね。直近でリリースされたパワードスーツアイテム<マニューバ アルファ スパルタン>や<スカイジャケット>は比較的入手しやすくフィギュアとマシンの親和性も楽しめますのでお勧めです。

▲マニューバ アルファスパルタン

▲マニューバスカイジャケット

 

ダイアクロン隊員フィギュアの最新版である女性隊員フィギュアはさらにレベルアップしており頭部可動機構が搭載されています。リリースされ次第、ぜひともその表現力に驚愕していただきたいと思います。隊員フィギュアはこのサイズゆえに非常に手の込んだ生産工程と高額の極小磁石部材が必要となるため、コストの掛かるアイテムなのですが、これがなくしてダイアクロンは始まりませんのでさらなる進化を目指して行きたいと思っています。

 

▲女性隊員セット

 

▲女性隊員セット ロードヴァイパー

 

>>ダイアクロン DA-41 女性隊員セット|タカラトミーモール<<

 

――遊び方は、開発者が提案したものから、ファンの間で自然発生的に生まれたものとさまざまのようですね。そのままディスプレイをする人もいれば、カスタマイズを楽しむ人もいる。高額なアイテムでも好調な売り上げを記録しているのは、開発者の高谷さんがユーザーと近い世代ということもあり、積極的にユーザーの意見を取り入れて商品化していることが大きいと思うのですが……。

 

高谷:組み換え自由なシステム玩具の要素も組み込んでいますので、商品紹介の際には極力必要最低限のプレイバリュー情報に抑え、そこから先はユーザーの皆さんの玩具力や創造力に委ねるための余白を残すような打ち出し方を心がけています。ダイアクロンホームページに掲載しているストーリーやメカ設定等も、そのような考え方を前提に作成しています。遊び方や設定は目安程度に捉えていただきそれに縛られ過ぎずに皆さんの思うがままに自由に楽しんでいただきたいと思います。

 

――商品化の方向性はどう決定されているのでしょうか。

 

高谷:商品化の件ですが“皆さんの意見を取り入れて商品化してますよ”、というと一見聞こえはよいのですが、逆に言うと予定調和のモノ作りになってしまいエッジの効いていない商品を乱発しかねません。私はあくまでも玩具を創り送り出す側の人間ですので、商品の仕様やバリュー等は、より多くのユーザーの皆さんに喜んでいただけるであろう様々なポイントや好まれる傾向を常に模索しつつ、仕様やバリューに落とし込み、それを商品という形にしてユーザーの皆さんに楽しんでいただくというスタンスで取り組んでいます。というと、なんだか突き放した感じにとられるかもしれませんが、なあなあになる事なく緊張感を持って真剣勝負のように取り組む事で商品は回を重ねるごとに切磋琢磨され、皆さんにより新鮮で楽しめる遊びを提供し続けられるのでは、と思っています。毎回毎回限られた開発期間内で皆さんの想定を超える様な驚きやバリューをどれだけ仕込めるか? を考え抜く事は非常に苦労する所ですが、また一番楽しい所でもあるんです。

 

 

――1980年の展開では著名なメカニックデザイナーの方々等が参加されていたとの事ですが、現在のダイアクロンはどの様な形でデザインされているのでしょうか?

 

 

高谷:よく今のダイアクロンラインのデザインは誰が担当されているのですか? と聞かれる事があります。また玩具のデザインスケッチを描いた人が商品仕様や変形機構まで全て考えて商品化している、と認識されている方が非常に多いのですが、少なくとも現在展開中のダイアクロンラインではそのような事はありません。最終的なデザインが決まるまでに非常に長い工程を経る必要があります。

 

――どのような工程になるのでしょうか。

 

高谷:その工程を簡単にお話しますと、まずどういった仕様の商品にするかを検討し、決まり次第、遊びの仕様、変形パターンや機構パターンを考えフォルムやプロポーションを調整しディティールのないブロック状外観モデルを3DCGソフト上でまとめます。ここまでは私が担当しています。そこから先はCADモデリングのステージとなり、外部の3Dデザインモデラーの方に引き継ぎ、製品と同じ仕様となる最終モデルの製作に入ります。この最終モデルの段階で構造設計をしつつ細かな各部のディティールやヘッドデザイン等を組み込んでいきます。最終モデル完成後からは、私が担当する外観仕様のステージとなり、成型色やカラーリング等を決定します。以上の工程を経て最終的なダイアクロン製品のデザインが完成して行くのですがこの工程に携わるのは私と3Dデザインモデラーの方の2名のみです。ですので、先ほどの「ダイアクロンラインのデザインは誰が担当しているか?」の問いの答えは、遊びのデザイン・ラフのフォルムデザイン・ラフの機構設計・カラーデザインは私が担当し、最終機構設計・最終製品構造設計・最終ディティールデザイン(ヘッドや武器等のデザイン含む)は、3Dデザインモデラーの方が担当という事になります。ダイアクロン製品のディティールは単に細かいだけでなく、設定や世界観までもが読み取れる表現力を有していると思います。これは3Dデザインモデラーの方の確かなモデリング技術力と卓越したセンスによるものです。現在のダイアクロンは最初にデザインありきではなく、遊びを徐々に形にしていく工程でデザインしていきますので最終デザインは一番最後に確定するんです。

 

――いつごろからこの体制になったのでしょうか。

 

高谷:ダイアバトルスV2と初期のパワードスーツあたりまでは玩具企画会社さんのメカデザイナーの方に手描きのディティール用スケッチをお願いしていましたが、パワードスーツCタイプ以降からは手書きスケッチ依頼の工程は完全に廃し、3Dデザインモデラーの方と私のタッグでほとんどの商品を創り出しています。

 

――パワードスーツやダイアクロン隊の敵である侵略者ワルダーのメカも商品化され、ますますラインナップも充実! さらに、新シリーズ<トライヴァース>が始動。第1弾として登場する「トライダッシャー」が、「東京おもちゃショー」で展示&映像放映され、話題になっていましたね。

 

▲トライヴァース トライダッシャー<特別Ver>

 

>>ダイアクロン DA-40 トライヴァース トライダッシャー<特別Ver>|タカラトミーモール<<

 

高谷:<トライヴァースシリーズ>はサイズ感やビークルから人型に可変する機構搭載という観点では過去のカーロボやダッシャーシリーズに相当する中型アイテムですね。過去3年間にリリースしたアイテムに組み込んで来た様々な遊びのアイディアを軸に新しい遊びを加えつつ、よりシステマチックに再構築し拡大展開していく構想のシリーズです。と言ってもダイアクロンラインの仕切り直しという事ではなく、あくまでも玩具的には<パワードシステムシリーズ>のようなライン内の中の1シリーズであり世界設定的には互換型多目的戦闘システム<VERS(ヴァース)システム>を搭載した戦闘チームという位置付けです。

 

――<VERS(ヴァース)システム>とはどういったものでしょうか。

 

高谷:<VERSシステム>とはダイアクロン隊員が乗り込む<ボレットコア>という小型マシンモジュールをコアとして、互換合体機能搭載の人型マシンや機能特化型ビークルに可変し、あらゆる戦闘状況に対応した戦闘を可能とするマシンシステムです。序盤の展開はスタンダードな機能の異なる人型戦闘マシンシリーズのリリースが続きますが、徐々にボレットコアのバリエーション・強化拡張アイテム・作戦支援ユニット・等々多彩なアイテムの拡大投入を予定しています。

 

▲ボレットコアに隊員が搭乗した状態

 

過去のダイアクロンの知識がなくてもSFメカやロボット好きな方々であれば、思わず手にとって遊んでみたくなるような内容になっていますので、少しでもダイアクロンに興味を持たれた方はこのシリーズからダイアクロンデビューされてみてはいかがでしょうか。

 

――本商品のセールスポイントについてお話し願えますか?

 

高谷:まずはYouTubeにアップしたPVをご覧いただきく思います。

 

高谷:トライヴァースシリーズ第1弾<トライダッシャー>は走行機能と闘士型の格闘戦に特化した戦闘マシンです。ダイアクロン隊員が乗り込むボレットコア、決戦モード(人型モード)では上半身を形成するトップマシン、下半身を形成するボトムマシン、という3機の小型マシンで構成されています。

 

▲トップマシン 飛行形態

 

▲トップマシン 高速走行形態

 

▲ボトムマシン A接続

 

▲ボトムマシン B接続

 

これらのマシンが合体する事で6輪高機動装甲車となり、機動メカのメックモード・人型の決戦モードへの多段変形を組み換えなしの一体変形で行う事ができます。

 

▲マシンモード

 

▲メックモード

 

▲決戦機動モード

 

機体上部(人型戦闘マシン時では背中部)には武装パーツを懸架するためのアームマウントベースが設けらていますので、付属のキャノン砲やソード等を自由に配置できるようになっています。ボレットコアのドッキングスペースとトップマシンとボトムマシンを連結するジョイントの規格はシリーズ間で統一していますので、今後リリースされる全てのアイテムとの互換合体ができる仕様になっています。

 

 

▲D-MAXキャノン

 

▲クラッシュキャリバーII

▲それぞれの武器は懸架可能

 

――既発売アイテムの再販企画などはあるのでしょうか……?

 

高谷:展開中のダイアクロンシリーズの中で再販リクエストの高いアイテムは初回と全く同じ仕様ではないと思いますがリリースの可能性はあると思います。ちょっと話は外れますが「ダイアクロンは欲しいと思っても店頭や通販サイトにないので入手できない」とよく言われる事があります。ダイアクロンラインは一般玩具と異なるホビー系の流通に属しており、発売前の予約数に準じた受注生産に近い形の生産スタイルになります。ですので、一般玩具のように潤沢に長期間、店頭等に並ぶ事は難しく、確実に入手されたい方は発売日前の予約購入をお勧めしています。

 

――<トライヴァースシリーズ>の登場によって、さらに拍車をかけた展開に期待します。それでは最後にダイアクロンユーザーへメッセージをお願いします。

 

高谷:早いもので再起動から既に3年が経ち4年目の展開が始まりました。大抵のラインはこのくらいの継続年数になると企画開発に多少の息切れが出てくるものなのですが、ダイアクロンラインにはその様な気配は全くなく一刻も早くリリースさせたい商品アイディア達が順番待ちの長蛇の列を作っている様な状態です。「遊んで楽しいダイアクロン」の今後の展開にご期待ください。

 

最後に、ここだけの話にしていただきたいのですが7月末の「ワンダーフェスティバル2019[夏]」の弊社ブースにおいて<あっち側のアレ>が“遂にその姿を現す”予定です。重ねてご期待ください。

 

 

――(読者を代表して……)期待します! ありがとうございました。

 

≪プロフィール≫
高谷元基(たかや・もとき)

現在展開中のダイアクロンラインの企画開発全般を司る。電脳警察サイバーコップ・トランスフォーマーZ・機甲警察メタルジャック・鉄人28号FX・電光超人グリッドマン・B’T(ビート)X・小さな巨人ミクロマン(2000年版)・クールガール・ビーストサーガ等の開発に携わる。

 

 

 

DATA

ダイアクロン DA-40 トライヴァーストライダッシャー<特別Ver>

  • 対象年齢15歳以上
  • 商品内容:ボレットコア×1、トライダッシャー本体A×1、トライダッシャー本体B×1、銃パーツA×2、銃パーツB×2、銃パーツC×2、剣×2、アーム×2、マウントパーツ×4、ダイアクロン隊員×1、ダイアクロン女性隊員×1、取扱い説明書×1、ミニパンフレット×1、シール×1
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:9,000円(税抜)
  • 2019年10月下旬発売予定

 

DATA

ダイアクロン DA-41 女性隊員セット

  • 対象年齢15歳以上
  • 商品内容:ダイアクロン女性隊員×4、ロードヴァイパー×1
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:3,800円(税抜)
  • 2019年10月下旬発売予定

 

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(C)TOMY


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