【集中連載】大河原邦男展の楽しみ方②_前夜祭レポート

更新日:2016年2月22日 17:18
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美術館・博物館の街、東京は上野。展覧会の聖地ともいうべきこの街に、日本が誇るメカニックデザイナー、大河原邦男氏がついに降り立つ。あなたはどんなメカが好きですか? ガンダム? ヤッターマン? もしかして消防車や時計のような現実に存在するメカニック? 大丈夫、そのすべてがこの展覧会には集っています。洋の東西、ジャンルを問わずにあらゆるメカニックデザインを手がけてきた大河原邦男氏。彼の素晴らしい仕事の一端 ―といっても、恐るべき物量ですが!― に触れる大展覧会が8月8日より開催中です。そして、この展覧会に先駆けて、8月3日には新宿ロフトプラスワンで前夜祭が行われました。司会にタルカスの五十嵐浩司氏、徳重耕一郎氏を迎え、大河原展特別メニューも用意。盛況ななかで行われたトークセッションでは、まさに”ここだけ”の話題が満載。そのすべてをお伝えするのは困難ですが、3時間半にわたった魅力的なセッション、ダイジェストながら電撃ホビーウェブがリポートします! この前夜祭レポート読めば、大河原邦男展がさらに楽しめること間違いなしです!

 

第一部では、大河原邦男氏と、展覧会主催のアドシステム小野美智代さんが登壇。まずは全4章構成となる展覧会の内容が紹介されました。1章はアニメ・オモチャの時代である70年代、2章はガンダムが炸裂した80年代、3章はコミカルの復権ともなった90年代、そして4章は21世紀以降の未来とコラボレーションを主題としています。会場にはB2サイズ6枚からなる、この展覧会のために描かれた屏風図ふうのアートが展示されるとのこと。また、未公開となる幻の企画の画像や、『トランスフォーマー』、『グリコのおまけ』といった普段はお目にかかれない図版も展示。展覧会会場では、氏の制作作業を録画した映像も流されるそう。その図録も渾身の内容で、神戸で行われた『超大河原邦男展』のものと異なり、100パーセント新規作成。多彩な図版に加え、天野喜孝氏、笹川ひろし監督、栃平吉和氏、小田雅弘氏、永野護氏、大張正巳氏、石垣純哉氏、安彦良和氏、富野由悠季監督、『超・大河原邦男展』の主催の小林公学芸員、そして大河原夫人(!)といったそうそうたるメンバーのインタビューも収録されるとのことです。

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会場限定アイテムも紹介。バンダイからは限定アイテムの大河原邦男展バージョンのストライクフリーダムガンダムが登場。こちらはボックスアートを大河原邦男氏自ら手がけられたという、まさにファン垂涎の一品。さらにマックスファクトリーからはヤクトダグラムが販売。こちらは当時の模型をイメージした成型色に、モデリングガイドまで付属してこちらも超豪華。ホビーファンとしてはどちらも是非押さえておきたいですね。また、大河原邦男展の楽しみ方①で紹介した、大河原邦男新聞も会場で先行販売されました。

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トークの中では大河原氏ご自身からの興味深いトークも多数。もともと服飾の仕事に就いていた氏は、トークショーの舞台となった新宿で若い頃働いていらしたとか。その頃はアニメや漫画に興味が無かったものの、タツノコプロに入社してから勉強なさったとのこと。仕事に忙殺されながらも、設定とイラストの仕事をこなし着々とキャリアを積み上げてきたそう。スキューバダイビングにドハマりしたお話や、『Gガンダム』では今川泰宏監督に「ヤッターマンでお願いします」とオーダーを受け、毎週さまざまなガンダムをデザイン。その結果が『ガンダムW』につながり、作品世界が大きく広がった……などなど、キャリア同様多岐に渡るお話を披露。また、夫人との素敵ななれそめも語られました。当日の衣装も、夫人のコーディネートとのこと! 小野美智代さんは「描き下ろしのアートも含め、『ファンの皆さんに感謝の気持ちを』と、さまざまな資料、さまざまなイラストを500点近く展示しています。1点1点しっかり見て頂ければと」と話され、大河原邦男氏は「神戸の展覧会では、40過ぎの方たちがいらしていて、そういった昔からアニメを見てくださっている方は現在いろんな企業の中堅クラス。そういう方たちと、一緒にお仕事をしませんか、とお話を頂いて実際のものを作るチャンスも増えてきました。展覧会にもそういったアニメ以外の面白いものも多いので、ぜひそういった部分も見て頂けたら」と結びました。

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第二部では、『ガンダムビルドファイターズトライ』のEDでプチッガイを描かれた、アニメーターの阿部宗孝氏とタカラトミーの幸ひさし氏が登壇。阿部氏からは、「シンプルで分かりやすく、(アニメーターが)ディテールやバランスが変わってもシルエットが変わらない」、幸氏は「プロフェッショナル。企画会議用に3点の画像を用意してくださるので会議を進めやすかった。必ず一週間でデザインが上がってくるうえ、立体にしやすい、形にしやすい現場で助かるデザイン」と大河原デザインを評していました。好きな大河原デザインを問われて、阿部氏は「やっぱりザクです。目線が表現できるというのは画期的でした。『装甲機兵ボトムズ』のスコープドッグとどちらにしようか迷ったぐらいです。スコープドッグはアームパンチ、降着機構、ローラーダッシュとこちらも映像演出で魅力的な要素がいっぱいあります」と解答。幸氏は「玩具の仕事をしていますが、自分の好きな作品を担当したことはほとんどありません。唯一やったのが、『トランスフォーマーV』のスターセイバーと、『装甲機兵ボトムズ』のファッティーくらいですね」と少し残念そうでした。

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第三部では、クリエイターの野中剛氏と、サンライズの井上幸一氏が登壇。井上氏は「当時から現場に居た”凄い人”のひとりで、その粛々としたデザインのやり方は当時から今まで変わっていない」と改めて氏の変わらぬ、プロに徹した仕事ぶりを振り返っていました。また、あのシド・ミードが『デザインが商品や立体になっていいなあ』と羨んでいた、という驚きのエピソードも。野中さんは『ダイノゾーン』での大河原邦男氏との関わりから、「大河原先生の絵を通すことでちゃんとキャラクターになる、というイニシエーションがあったように思う」と語られていました。また、好きな大河原デザインを問われて野中氏は「タツノコテイストあっての大河原デザインかな、というのが世代的にはある。中村光毅先生あってのデザインが、ガンダムから変わっていくのを思春期からずっとご一緒させて頂いている立場としては、(デザインを)丸ごと愛したい」と年季の入ったコメントをなさっていました。井上氏は「(『太陽の牙ダグラム』の)アイアンフットは、モビルスーツではない、コンバットアーマーとしか呼べないものができた」とその魅力を語りました。

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じつに3時間半のロングセッションでしたが、”デザイナー・大河原邦男”という軸を多面的に見つめる、非常に濃い内容で最初から最後まで楽しめるイベントでした。もちろん、これは前夜祭。ここで語られたさまざまなポイントをチェックしつつ、8月8日より開催される大河原邦男展をより楽しみたいところです!

 

<イベント概要>

メカニックデザイナー 大河原邦男展

■開催日時
開催中~9月27日(日)※休館日なし

10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)

■会場
上野の森美術館
(東京都台東区上野公園1-2)

■入場料
一般1,500(1,300)円
高大生1,200(1,000)円
小中生500(300)円
※( )内は前売・団体料金。団体は20名より。

※前売券はイープラスほか各プレイガイドにて発売中。
作品を使用した絵柄入りチケットは、エキュート上野チケットショップなどで発売中。

※障がい者は無料。付添いの方は有料。

 

<関連情報>

メカニックデザイナー大河原邦男展 公式サイト
http://www.okawara-ten.com/
特設サイト

http://www.sankei.com/special/okawara/

公式twitter

@okawara_ten

公式facebook

http://www.facebook.com/okawaraten

上野の森美術館

http://www.ueno-mori.org/

電撃ホビーウェブ|【集中連載】大河原邦男展の楽しみ方①

https://hobby.dengeki.com/news/91665/

 

(C)タツノコプロ  (C)創通・サンライズ

 


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