『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』Xウイングのプラモデルを製作!〜基本塗装&塗装編
製作・文/桜井信之
バンダイより発売中のプラモデル「1/72 Xウイング・ファイター レジスタンス仕様」。
『スター・ウォーズ』の主役ビークルのひとつともいえるXウイング・ファイターだが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、より洗練されスタイリッシュな印象を与えるフォルムにアレンジがなされている。
電撃ホビーウェブでは、全3回にわたって本キットの基本的な工作から簡単塗装、ウェザリングの方法までを動画をまじえながら紹介したいと思う。
「1/144 ミレニアム・ファルコン(フォースの覚醒)」では機体の塗り分けはデカールを使用して製作したが、「1/72 Xウイング・ファイター レジスタンス仕様」では全て塗装にて再現したいと思う。その際のマスキングのコツや、特徴的なウェザリングの方法などXウイング・ファイターの塗装方法をご紹介しよう。
■キットの構造と基本的塗装
キットは機体の基本色であるホワイトとメタリックシルバーのランナーに加え、Aランナーはバンダイのスタンダードでもある多色成形で構成され、機体中央のストライプがブルー、キャノピーはクリアー樹脂で成形されている。エフェクトパーツとして軟質樹脂によるレーザーも同じランナーに配置されている。
戦闘機モデルを製作する際、コクピットを最初に作る。Xウイング・ファイターのコクピットは全6パーツ(パイロットフィギュアを含めれば7パーツ)に分割されている。まず組み上げる前に全パーツをダークグレーで基本塗装しよう。
ダークグレーで塗装後、エナメルのフラットブラックで「スミ入れ」を行う。特にコンソールパネル上部のパーツは表面に細かなモールドが彫り込まれているので、スミ入れをするだけで、この彫刻が浮き上がる。
その後、コクピットの基本色に使ったダークグレーより2段階程度明るいグレー(ニュートラルグレー)で「ドライブラシ」を行う。基本色に対して暗い部分は「スミ入れ」で引き締め、ハイライト部は「ドライブラシ」で強調する。三段階の階調を付けることで、繊細なディテールをさらに精密に見せることができる。
もう一つの方法として、付属のデカールを使ってコクピットを仕上げる方法がある。しかしコクピットパーツには凹凸があるので、マークソフターを使いモールドになじませることが大切だ。
ちなみに「マークソフター」はデカール軟化剤。「マークセッター」はこの軟化剤にデカールの定着性を上げる“ノリ”が含まれたものだ。デカールを貼った後、「マークソフター」をデカールの上から塗布する。
「マークソフター」を塗布して5分ほど経つと、デカールが柔らかくなりディテールになじんでくる。隙間がある場合は綿棒などでデカールを軽く押さえれば、凹凸にしっかりとはめ込むことができる。デカールには計器盤などの細かな部分が印刷されているので、きちんと貼り込めれば詳細なコクピットを再現できる。
コクピットが完成したら、いよいよ本体の塗装を始めよう。
優れた設計とパーツ分割のおかげで“合わせ目消し”を行う場所はほとんどない。パーティングラインとゲート跡・ヒケなどを処理し、サーフェイサーでキズチェックが終わったら本体色を吹く。
今回はGSIクレオス・Mr.カラー311番「グレーFS36622」と62番「フラットホワイト」を1対1で混ぜた色を基本色とした。
機体中央に走るブルーのストライプは別パーツとなっているので、マスキングをせずに塗装できる。ここは80番「コバルトブルー」に先ほども使用した311番「グレーFS36622」を加え明度を上げた色を使用した。
主翼には機体番号を示すラインがブルーとグレーで塗られている。このライン部分をマスキングする際、5本とも等間隔に揃えるため、本来マスキングの必要のない“ライン部分”も等間隔にテープを貼る。ライン→隙間→ライン→隙間……とテープを貼っていくのだが、模様入りのマスキングテープを使用し“ライン部分(模様入り)”と“隙間部分(黄色)”を判別しやすくしている。
ライン部分を等間隔にマスキングできたら、模様入りのテープを剥がし、全体をマスキングする。Xウイング・ファイターはその特異な姿のため、前部主翼と後部主翼で形状・塗り分けが異なり、表裏で8面分マスキングする必要がある。ここは根気よくマスキングをしよう。
このブルーで塗り分けられた部分に、塗装が剥がれて本体色のホワイトが露出した箇所をマスキングする。「1/144 ミレニアム・ファルコン(フォースの覚醒)」ではデカールを使用し、デカールの一部を剥がすことで、“塗装剥がれ”を表現したが、今回はあらかじめ剥がれる部分をマスキングしておく。マスキングに用いたのはゲル状の「マスキングゾル」だ。面相筆で「マスキングゾル」を細かく塗っていく。
15分ほどすると乾燥して半透明状態になる。この状態になれば塗装が可能だ。
「マスキングゾル」が乾燥したら、先ほど本体のストライプ塗装で用いたものと同色のブルーを吹いていく。塗装終了後にマスキングテープと「マスキングゾル」を剥がせば、ブルーの塗装が剥がれた状態を再現できる。
「マスキングゾル」が剥がれにくい時は爪楊枝やテープを使って剥がすと良いが、エナメル溶剤でも剥離するので無理に剥がして塗膜をキズ付けないように注意しよう。
●マスキングゾルを使った塗装剥がれ表現について動画でも紹介!
Xウイング・ファイターは機首の先端もハードに汚れている部分だ。ここは単なる汚れだけでなく、ホワイトの基本塗装が剥がれ、下地剤の色が露出したと考えた。
そこで、下地色にライトグレーを吹き、先端やエッジ部分を中心に「マスキングゾル」を塗布する。その後、機体色を吹き「マスキングゾル」を剥がせば機首の塗装剥がれが再現できる。
今度は同じ要領でグレーの塗り分け部分をマスキングして塗装をする。
グレーの塗り分け部分に規則性はないので、資料やキットの塗装図を見ながらマスキングを行えば良い。本体の塗装が終わったら全体に「スミ入れ」と「ウォッシング」を施せば、『スター・ウォーズ』登場ビークルらしい仕上がりとなる。
<関連情報>
バンダイ ホビーサイト STAR WARS PLASTIC MODEL
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