『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』Xウイングのプラモデルを製作!〜ウェザリング編
製作・文/桜井信之
バンダイより発売中のプラモデル「1/72 Xウイング・ファイター レジスタンス仕様」。
『スター・ウォーズ』の主役ビークルのひとつともいえるXウイング・ファイターだが、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』では、より洗練されスタイリッシュな印象を与えるフォルムにアレンジがなされている。
電撃ホビーウェブでは、全3回にわたって本キットの基本的な工作から簡単塗装、ウェザリングの方法までを動画をまじえながら紹介したいと思う。
プラモデルのスジ彫りは“装甲版のつなぎ目”などを再現した彫刻だが、『スター・ウォーズ』撮影用模型やCGを見ると、このスジ彫り部分からくっきりとコントラストの付いた汚し塗装が施されているのが確認できる。
この塗装は「パネルシェード」と呼ばれ、海外の古いSF映画などで一躍有名になった塗装方法だ。本体はスジ彫りのない面に「いかにも装甲版のつぎ目があるように見せる」テクニックなのだが、この塗装を施すと『スター・ウォーズ』特有のビークルの雰囲気を再現しやすくできる。今回はこの「パネルシェード」にポイントを絞って、その塗装方法をご紹介しよう。
※これまでのバックナンバーも併せてご覧ください。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』Xウイングのプラモデルを製作!〜基本塗装&塗装編
■「パネルシェード」による汚し塗装
基本塗装が完了したら「パネルシェード」による汚し塗装を始める。
「パネルシェード」はパーツ単位ではなく、“機体”“翼”などのブロック単位で行う方が良いため、主翼を取り付けず、機体ブロックを組み上げて汚し塗装を行う。なお、本来「パネルシェード」は「スミ入れ」と「ウォッシング」をした後に行うのだが、ここではわかりやすいように基本塗装後の汚しを施していない状態で説明する。
コクピット前方のブルーの塗り分け部分に「パネルシェード」を施してみる。ブルーとホワイトの境い目のスジ彫り、ブルー側部分にマスキングを行い、そのマスキングラインにMr.カラー・101番「スモークグレー」を吹き付ける。
「スモークグレー」を吹く際に、色変化をさせないのがコツだ。“薄っすら黒ずんでいる”程度で十分だ。吹いた直後は「こんな小量の変化で効果があるのだろうか?」と思うかもしれないが、マスキングテープを剥がして見れば一目瞭然である。
次に同じスジ彫りの反対側(ホワイト側)をマスキングし、先ほどよりも若干強めに「スモークグレー」を吹く。このことで、“黒ずみ方”に強弱が加わる。同じ濃さで吹いてしまうと、マスキングを施した意味がなく、単に“スジ彫り部にシャドーを吹いただけ”になってしまうので注意しよう。
この際、側面のスジ彫り部分までマスキングを施し、上面と側面を同じニュアンスで「パネルシェード」を行えば雰囲気が良くなる。
何パターンか「パネルシェード」を施した状態。スジ彫りを境に両側に吹いても良いし、片側だけに吹いても良い。この塗装にルールはなく、感性で施していく。大切なのは“汚れ方のリズム”だ。
次はキャノピーの塗装だ。ミレニアム・ファルコンと同じく、バンダイの『スター・ウォーズ』キットシリーズは透明パーツによるキャノピーパーツの他に、“窓枠のみ”のパーツが入っている。今回は透明パーツにも塗装を施し、その違いをご覧いただきたい。
透明パーツのマスキングは失敗すると美しいクリアー部分にキズが入ってしまうので、難易度が高い。そこで付属のシールを活用した方法を紹介したいと思う。付属シールには窓枠を簡単に再現できるように窓枠部分が含まれている。
このシールを使えば、マスキングがとても簡単になる。本来は使用しない“余り部分”のシールを使うのだ。
透明パーツの形状に合わせて正確にカッティングされているため、きちんと貼るだけで精巧なマスキングを施すことができる。
このシールの余り部分を活用することで、2パーツ6面分のマスキングが1分弱で完了する。マスキングが終わったら、ダークグレーを吹き付ければ終わりだ。
ツヤ消しをする場合はマスキングを剥がす前に、ツヤ消しクリアーなどを吹いておく。マスキングを剥がした後で透明パーツにツヤ消しクリアーを吹くと、透明パーツが半透明になってしまうので注意しよう。「スミ入れ」もマスキングを剥がす前に施しておくと良い。
今回の作例では「パネルシェード」が終わった後に、「スミ入れ」「ウォッシング」を施す。パーツ割れを避けるために、エナメル系塗料や油彩系塗料は、できる限りパーツをバラバラの状態で使う。
Xウイング・ファイターの特徴である主翼もこの状態でスミ入れする。特にエンジンパーツは、主翼に取り付けた状態で「スミ入れ」「ウォッシング」を施すと、パーツをはめ込んだ際にかかるテンションで割れる可能性が高いのだ。
翼端に取り付けるレーザー砲もバラバラの状態で「スミ入れ」「ウォッシング」を行おう。ここも矢印で示した箇所が要注意のパーツだ。
レーザー砲の先端はランナーから切り離してしまうと、“持ち手”を付ける場所がなくなってしまうので、この状態で塗装作業を行い、組み上げ直前にパーツを切り離すのが良いだろう。
●「パネルシェード」による汚し塗装について動画でも紹介!
<関連情報>
バンダイ ホビーサイト STAR WARS PLASTIC MODEL
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