素組みでガンプラ!【基礎】ピカピカに輝く模型の製作方法 前編
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
ここでは、HG-REVIVE-第6弾として発売された「HGUC 1/144 キュベレイ」を使って、光沢仕上げの方法を紹介します。
キュベレイ装甲の光沢についてはツヤ消し白との説も存在しますが、模型的にはキュベレイ独特の曲線主体のデザインから、光沢仕上げやパールコーティング仕上げの人気が高いようです。本キットも肩の大型バインダーは表面が“超光沢仕様”で成形されているので、今回はピカピカに輝く模型の製作方法を解説したいと思います。
1 これは特徴的なバインダーのパーツです。左用は三連スリットがモールドされて、右用は丸いスラスター状のモールドが施されています。キットは金型表面を徹底的に磨きあげて成形されているため、パーツ表面は“超光沢仕様”となっています。
このようなパーツはランナーから切り離してゲートの処理をしただけでは、ゲート跡周辺の光沢が失われてしまいます。2000番以上の紙やすりで磨いた後、コンパウンドで最終仕上げを行えば、元通りのツヤに戻すことができますが、もっと手軽にパーツを光らせる方法があります。
2 これはウェーブから発売されている「ヤスリスティック フィニッシュ」というプラモデルの表面を磨くためのツールです。表と裏では用途が異なる二面構成となっています。
3 800~1000番の紙やすりでパーツを磨いた後、グリーンの面でパーツ表面の細かなキズを消します。その後、ホワイトの面で磨いていくとツヤが出て、本来の光沢を取り戻すことができます。使用方法は、このたった2ステップだけです。
4 さらに細かく作業方法とその効果を見てみましょう。
まずはグリーンの面でパーツ全体を磨いていきます。ヤスリのキズだけでなく、アクシデントで付いてしまった細かなスリキズなども消すことができます。グリーンの面で磨いた後は全体が半光沢の状態になります。
5 次にホワイトの面で磨きます。同じ箇所を数回磨き続けていくと、“キュッキュ”と音がします。この音が聞こえたら磨きは終了。写真でもツヤツヤ・ピカピカの状態になっていることが確認できます。
6 基本的な使い方がわかったところで次の工程に進みましょう。
バインダー下部には2箇所、ピンクでポイント塗装する部分があります。ここは凹モールドになっているので、面相筆を使って少々のはみ出しは気にせず塗装します。
7 スミ入れの吹き取りと同じ要領で、はみ出た部分を溶剤で拭き取るのも作業法のひとつですが、今回は削りと磨きではみ出し部分を修正してみます。
当て木をしたペーパーや、平面出し用のツールを使ってはみ出た部分を削っていきます。塗装したい部分は凹モールドになっているので、平面出し用のツールを使えば、凹モールド内部の塗料まで削ってしまう心配はありません。ここで使用しているのはサテライトツールの「タイラー・800番」です。
8 削った後、このことにより失われたツヤを取り戻すために、「ヤスリスティック フィニッシュ」を使用して磨きあげれば完成です。
9 他のパーツも同じように磨いてツヤを出してみます。
なお、「ヤスリスティック フィニッシュ」には細型や三角型なども発売されているので、入り組んだ部分などは、小型のヤスリを使用すれば細かな部分もきちんと磨きあげることができます。
■まとめ
他のパーツもヤスリを使用し、同様の方法で磨きあげれば、塗料しなくても光沢仕上げを施せます。パーツ磨きといえば紙ヤスリとコンパウンドを使うことが通例となっていた模型製作ですが、紹介した「ヤスリスティック フィニッシュ」の登場で、磨き作業に革命的な変化が起こりました。飛行機模型のキャノピーや、カーモデルのウィンドウなどの透明パーツも、このツールでキズ消し・つや出しが可能です。使用したことのない人は、ぜひ一度試してみてください。
今回は、パーツそのものを磨くことで光沢感を出す方法を紹介しましたが、後編では缶スプレーを使用した方法を説明します。
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