素組みでガンプラ!【基礎】塗装で水汚れを表現 後編
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
ここでは、プレミアムバンダイより発売された「RG 1/144 MSM-07 量産型ズゴック」を使って、水汚れの施し方を紹介します。
「塗装で水汚れを表現 前編」では、“錆び”と“潮浮き”の塗装表現を中心に説明しましたが、後編ではアクセントを付けるための水汚れを紹介していきたいと思います。
1 ここでは“潮浮き”表現について、さらにアクセントを付ける方法を紹介します。これはエナメルのフラットベース。本来は塗料に混入してツヤを消すための添加剤ですが、今回はこのフラットベースを溶剤で薄め塗料として使用します。
2 適度に薄めたフラットベースを凹モールドなど、海水が溜まりそうな箇所にスミ入れの要領で塗布していきます。乾燥前は透明ですが、フラットベースが持つツヤ消し効果は絶大で乾くとカサカサな白になります。あまり大量に塗布しない方が良いでしょう。
3 フラットベースは直接塗布した場合、定着効果はほとんどないので、やり過ぎたと感じた場合は綿棒などで簡単に落とせばOK。通常のウォッシングのように溶剤で溶かしたりすると、逆にフラットベースを塗り拡げてしまう結果になってしまいます。
“潮浮き”は汗を含んだ革靴や革ジャンなどの革製品が、雨水などに晒されると、革の中に染み込んだ汗(塩分)が表面に浮き出し、乾燥後、革製品の表面が白くなる現象と同じです。身の回りにも“潮浮き”を起こした日常品が存在すると思うので、それらを観察し模型製作に活かしてみても良いでしょう。
4 最後にズゴックの爪をポイント塗装してみましょう。今回目指すのはモデラーの引き出しには必ずある古びたニッパー。
空気中の酸素や水分による酸化還元反応だけでなく、皮脂なども付着して複雑な色合いになっています。今回はこのニュアンスで爪を塗装することにします。まずはMr.カラー・スーパーメタリックの「スーパーチタン」で塗装していきましょう。
筆ムラが出てもあまり気にせず、一気に塗装していきます。
5 次に、AKインタラクティブのウォッシング専用塗料「ライト・ラスト」を筆で塗布します。その後、溶剤を含ませた綿棒で部分的に拭き取り、茶色のマダラ模様を作ります。爪パーツの表面は「スーパーチタン」で塗装しており、ツルツルしているので、ウォッシング塗料を適度にはじくので、ラフに塗装しても自然なマダラ模様を形成してくれます。
6 最後にエナメル塗料のレッドブラウン・ジャーマングレー・フラットブラックを混ぜて作った色を、エッジ部分にスポンジでハゲチョロ塗装していきます。これで終了です。最後にMr.カラー8番「シルバー」でドライブラシを施すと、さらにリアルな爪になります。
完成写真はコチラ!
まとめ
これで完成です。ここでは水陸両用モビルスーツを用いて、水汚れを中心に汚してみました。水による汚れも海水と淡水では錆び方が異なり、鉄の錆びには“赤錆び”と“黒錆び”が存在します。また使用環境によっては緑系のコケが発生することもあります。モビルスーツが使用される環境を考慮し、さまざまな汚れを施して楽しんでみてください。
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DATA
RG 1/144 MSM-07 量産型ズゴック
- 1/144スケールプラスチックキット
- 申込受付終了(プレミアムバンダイ製品)
- 価格:2,700円(税込)
- 発売元:バンダイホビー事業部
関連情報
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