素組みでガンプラ!【基礎】スポンジを使った鋳造表現 前編

更新日:2019年3月25日 15:39

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

ここでは、「HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン」を使用して、簡単な鋳造表現の方法を紹介します。

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▲HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン

▲HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン

 

「鋳造」とは金属を融点よりも高く熱して液体にした後、型に流し込み固める加工方法です。戦車の砲塔などに見られる成形法で、中でもソ連のT-34の砲塔は代表的なものといえるでしょう。ガンプラにもリアリティや独自の表現法として用いられることが多いです。今回はウレタン(スポンジ)を使って簡単にできる鋳造表現を紹介したいと思います。

 

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 「ドムトローペン」はパープルを基調とした通常カラーの他に、ブラウン系の成形色の2種類が発売されています。今回は「サンドブラウン」のキットを使用しますが、どちらも2002年の発売で、シリーズ番号も027番と若いため、現在の設計とは若干異なる箇所が見受けられます。特に脚部やボディなどは、合わせ目処理が必要な構造となっています。まずはこれらの工作から始めていきましょう。

 

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 接着剤を使って合わせ目を消すのがスタンダードな工作法ですが、ここでは最も簡単な、パーツの合わせ目を“装甲の繋ぎ目”として加工する方法で進めます。

パーツの合わせ部分のエッジに、カッターナイフを斜めに当ててカンナがけを行い、パーツのエッジを落とします。これは左右のパーツ両方に行いましょう。

 

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 この作業をすると、パーツを合せた時にスジ彫りのような表現となり、パーツの分割線を“装甲の繋ぎ目”に見せることができます。今回はモモ・スネ・肩アーマー・ボディの合わせ目に同様の処理を施していきたいと思います。

 

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 合わせ目処理が終了したら、「つや消しクリアー」をパーツブロックごとに吹き付け、全体のツヤを消しておきます。この作業はツヤを整えるだけでなく、今後の作業、ウォッシングの定着とウォッシング塗料の“滲ませ効果”を高める意味があります。

 

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 今回ウォッシングに使用したのはMr.ウエザリングカラーの「ステインブラウン」です。同シリーズのブラウン系塗料は暗めの「グランドブラウン」も発売されていますが、ここでは機体色に合わせ、明るめの「ステインブラウン」を使用。Mr.ウエザリングカラーを平筆で全体に薄く塗布します。

 

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 その後、塗料が半乾きの状態のうちにMr.ウエザリングカラー「専用うすめ液」を使い、スジ彫り部や逆エッジ部分を残すように、綿棒で強弱を付けながら落としていきます。

 

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7 綿棒で拭き取る際、基本塗装とウォッシング部分の境目が目立ちすぎる場合は、筆を用いて境目部分をボカしていくといいでしょう。「専用うすめ液」で塗料を溶かすようにすると、自然な感じに仕上がります。グラデーションが付いているような感じが好ましい状態です。

 

 

このウォッシング作業が終了したら下準備は完了です。

次は、いよいよ鋳造表現を施していきます。通常は溶きパテと筆を用いて、キット表面を梨地状態にし、その凸凹した部分をドライブラシなどで強調する塗装を行うのですが、スポンジを用いて塗装するだけで鋳造表現を行えてしまう方法を紹介していきたいと思います。

 

 

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DATA

HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン

  • 1/144スケールプラスチックキット
  • 価格:1,728円(税込)
  • 発売元:バンダイホビー事業部

 

関連情報

 

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