【ガンダムビルドファイターズ連載】ザクアメイジングのバリエーションが登場!
月刊ガンダムエース(毎月26日発売)連載のガンダムビルドファイターズ外伝『ガンダムビルドファイターズA-R(アメイジング レディ)』は、既刊の『ガンダムビルドファイターズA』の続編としてユウキ・タツヤの新たなる戦いが描かれています。
本連載『ガンダムビルドファイターズD-R』は、『ガンダムビルドファイターズA-R』と連動し、その登場機体を外伝のシナリオを手がけるスタジオオルフェ 千葉智宏先生に解説していただきます。今月は、タツヤのザクアメイジングのバリエーション機体が登場です!
さらに、解説を行った機体は作例も製作! 今回は、前回機体解説を行った、カイザーの娘プリンセスの「クランシェ★アスタ」がフクダカズヤの手によって登場! 編集部からの「モデラーオリジナルのガンプラ作例を作って」というアバウトな無茶ぶりに、見事フクダカズヤが応えての機体です。これから4回にわたり、製作過程を含めて紹介します。
まずは、千葉智宏先生による機体解説をご覧ください。
ザクアメイジングの新たなる可能性を広げる二種類のバリエーション機
ザクアメイジング・マリンタイプ&ザクアメイジング・ラピッド
アニメ本編では、第六回世界大会でユウキ・タツヤはザクアメイジングを使用していたことしか情報がありません。しかし、世界大会の競技種目は多彩です。ベース機体のザクが汎用性に長けた機体であるとしても、すべての競技を勝ち抜くのは難しいはずです。アニメの中でもレナード兄弟のように種目に合わせガンプラを変更しているビルドファイターもいました。タツヤはザクアメイジングのみで参加していたとしても、その装備には数種類が存在していた可能性が高いといえるでしょう。
▲『ガンダムビルドファイターズA-R』第一話。タツヤがザクアメイジングのケースを開くシーン。同機の武装以外にも、ショットガンやウイングなど各種武装が見て取れます。まだまだバリエーションがあってもおかしくはないでしょう。
この考えにそって外伝の中では、アニメにはないザクアメイジングの二つの装備形態が登場しました。
ザクアメイジング・マリンタイプ
水中での競技に特化した形態です。本体は戦闘しない前提で、アーマーを極力外して軽量化しています。肩アーマーは関節部を隠せるぐらいの小型なモノに変更されていますが、ここにはタツヤのガンダム作品へのこだわりがあり、「水中用ザク(ザク・マリンタイプ)」に類似したデザインになっています。
▲『ガンダムビルドファイターズA-R』第三話、世界大会の川下りレースに参加しているザクアメイジングライトアーマーとアメイジングアクアブースター。
水上での航行に使用されるサポートメカであるアメイジングアクアブースターは、その名から分かるとおり、アメイジングブースターから武装を外して水中用のジェットパックを組み合わせたものです。
この機体には秘密のギミックがあります。アニメでザクアメイジングからパーツが分離してアメイジングアクアブースターが生み出されるのと逆に、本体とブースターが合体することで、ザクアメイジング・マリンタイプになることができるのです。この形態では水中航行が可能となり、さらに高速移動時に水を構成するプラフスキー粒子を圧縮して機体の周りに展開することで、推進力をより高めることが可能になってます。この状態では機体は赤い粒子に包まれて見え、タツヤの代名詞となっている『紅の彗星』を水中で実現することができます。
▲ザクアメイジング・マリンタイプ。この機体に関しては、『HOBBY×HOBBYイメージングビルダーズ』にて、ユウキ・タツヤ本人が機体に言及しています! そちらもぜひご覧ください!
ザクアメイジング・ラピッド
カルロス・カイザーとバトルロワイヤルで戦った時に、思うように攻撃することが出来なかったタツヤ。トーナメントで再び対戦する時のために「対カイザー戦」用に特化して組み上げたのか、この装備です。名前のラピッドとは、「速い」という意味を持ちます。
タツヤがカイザーに勝利するために選んだ戦略は「速さ」でした。ただし、『紅の彗星』と呼ばれるほどすでにザクアメイジングは速いガンプラです。これをさらに高速化した場合には、動きが直線化することになり、普通なら柔軟な攻防ができなくなります。これに対応するためラピッドは、脚部、背部、肩アーマーに大型のスラスターを装備し、大推力でねじ曲げる選択肢を取っています。
▲ザクアメイジング・ラピッド。こちらも、『HOBBY×HOBBYイメージングビルダーズ』にて、ユウキ・タツヤ本人が解説をしています。
これは諸刃の剣であり、機体にかかる負荷も大きく、ガンプラの操作自体も格段に難しくなります。タツヤがここまでするのは、カイザーに対して自身の全てを出して戦うと誓ったからです。タツヤのデザインへのこだわりとして、ラピッドの脚部は高機動型ザクを踏襲したものになっています。
これらザクアメイジングの二つの装備形態ですが、実は市販されたキットを組み合わせることで比較的簡単に再現可能です。ザクアメイジング・マリンタイプは、本体と「ビルダーズパーツHD MSマリン01」を使用しています。一方でザクアメイジング・ラピッドは本体とアメージングブースターを使用しています。公開予定の作例を参考に皆さんもぜひ、製作してみてください。
手に乗せてみたくなるガンプラ
作例記事:1/144 クランシェ★アスタ(その1)
こんにちは。フクダカズヤです。今回作成したのは、機動戦士ガンダムAGE第3部に登場しました可変型モビルスーツ「クランシェカスタム」をベースをオカメインコ型に改造したガンプラ「クランシェ★アスタ」です。
この度も「モデラーが自由につくる」という機会に恵まれ、ここはフクダ動物園(命名今ノ夜きよし先生)でいった方がいいんだろーなぁ、と思いまして(笑)前作ビルドファイターズAのニャイアシリーズと共通の「可愛カッコイイ」が製作テーマですが、今回は「てのひらで楽しむガンプラ」という要素をプラスしています。手に乗せてみたくなる、思わず顔を覗き込んでみたくなる、そんなペットのような身近さを感じていただけたら幸いです。
実はベースキットとした「HG 1/144 クランシェカスタム」の変形ギミック自体には一切手を加えていません。手足の曲げ伸ばし方の変更とライフルが変形した鳥の頭で別物のように見せているだけです。キット自体は後ハメ加工程度の工作なので、記事はアスタ用として新規で作ったパーツを中心に、デザインの経緯なども混ぜながら紹介していこうと思います。
カワイイ鳥さんにするため、鳥の頭は大きくコミカルに。インダストリアルクレイをキットに盛り付けザックリとしたボリュームを検討。同時により完成形に近いイラストも用意して、アイディアとギミックに破綻がないか双方から検討しました。というのも、アスタはこの鳥の頭でキャラクター性が決まりますし、重量と自立の問題、ライフルへの変形ギミックと片手で保持できる軽量化など、クリアしなければいけない課題が多かったからです。
鳥の頭は変形ギミックの都合で縦に3分割となり、奇しくもニャイアシリーズと同じ構成です。ですがギミックはまったく別物になっており、一度バラしてライフルへと組み替える立体パズルのような構造になっています。
ライフル時に銃身とグリップになる中央部は軽量化のためプラ板の箱組みで製作。グリップ部は球体関節で可動するのでモビルスーツ時は装備しやすく可動し、鳥型時では首をかしげるギミックにも併用されています。左右の顔の側面のパーツはプラ板をゲージにエポキシパテで造形。モールドやギミックなどを製作したら、最後に内側をガッポリ削って軽量化しています。
次回は、鳥型の爪やMS形態時のフロントアーマーなどの工作をお届けします。
▲「ガンダムビルドファイターズA-R&D-R」オリジナルモビルスーツ選手権開催決定! クランシェ★アスタのようなオリジナルモビルスーツを作って投稿しよう!
DATA
HG 1/144 クランシェカスタム
■1/144スケールプラスチックキット
■発売中
■価格:1,404円(税込)
■発売元:バンダイホビー事業部
関連情報
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