『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』キャプテン・ファズマ&ファースト・オーダー ストームトルーパーのプラモデルを製作!~組み立て編

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ここでは、「キャプテン・ファズマ」と「ファースト・オーダー ストームトルーパー」のプラモデルを製作する。

 

 

両キットとも共通パーツが多く、デザイン的に一見しただけではカラーリングが違うだけに感じてしまうが、キットを比べてみるとかなりの点で異なっている。こうしたディテールの違いが確認できるのもプラモデルの楽しみ方といえるだろう。

 

「キャプテン・ファズマ」はメッキ調のコーティングキット、「ファースト・オーダー ストームトル―パー」は金型を磨きあげた光沢仕上げキットなので、今回は成形色を極力活かした製作法を紹介したいと思う。

 

 

「ファースト・オーダー ストームトルーパー」のランナー。特徴的な白の装甲服は金型が磨きあげられ、光沢仕上げとなっている。一方関節などの黒いランナーは半光沢の黒で成形、ポリキャップも同じく黒で成形されている。

 

こちらは「キャプテン・ファズマ」のランナー。クローム調のメッキコーティングが施されており、それに伴い、パーツとランナーの接点部分の多くがアンダーゲートで処理されている。黒い関節パーツのランナーの一部は「ファースト・オーダー ストームトルーパー」と共通だが、多くのパーツが新規となっている。最大の特徴は“クローク”。プラスチック製のパーツの他に、可動の妨げにならないよう、不織布製の“クローク”が付属されていることだ。

 

まずは関節パーツの組み立てから。

「キャプテン・ファズマ」「ファースト・オーダー ストームトルーパー」ともに、各関節はポリキャップを挟み込む構造だが、肩・ヒジ・ヒザ関節は細かなモールドが入っている。この部分の合わせ目処理が最大のポイントといえる。

 

まずは接着剤をパーツの両面に塗布して接着する。その際、はみ出した接着剤がパテ代りになる。この状態で24時間以上放置し、十分に乾燥させよう。

 

接着剤が乾燥したらパーツ表面をヤスリがけし、はみ出した接着剤を削り取る。この時、モールドの凹んだ部分にはヤスリが入り込まないが、まずは表面の凸部分にヤスリがけをして合わせ目を消せばいい。

 

その後、〈目立てヤスリ〉を使って、凹んだ部分の合わせ目を処理する。〈目立てヤスリ〉は本来ノコギリ刃の“目立て”を行うためのヤスリで、先端が非常に薄く作られている。この薄い先端を用いて、スジ彫り状の凹んだ部分を一本ずつ、丁寧にヤスリがけを行う。

一見、地味で面倒な作業に見えるが、コツをつかめばテンポ良く作業できる。

 

 

a

 

〈目立てヤスリ〉で削ったままではヤスリ傷が大胆に残ってしまうので、このモールドに600番以上の紙ヤスリでペーパーがけを行い、凹モールド内のヤスリ傷を消していく。

細い溝の内部にペーパーがけをするので、カッターの刃を斜めにして紙ヤスリをカットしよう。こうすることで、紙ヤスリのカット部分が図のように鋭角となる。図で赤く塗られた部分が、写真の矢印で示した部分だ。

 

 

b c

矢印で示した紙ヤスリの鋭利な角を使って、細い凹モールド内部をヤスリがけしていく。ヤスりがけをしていくうちに鋭角な部分は柔らかくなり効果が減ってくるが、再びカットして鋭角な部分を作れば問題ない。

 

このようにヤスリがけをすれば、連続したスジ彫りの底面も美しくなる。合わせ目消しが終了したら、ツヤ消しブラックで塗装をして完了だ。

 

次は「ファースト・オーダー ストームトルーパー」の装甲服の加工だ。

せっかく美しく成形されたパーツなので、この光沢感を活かして組み立てていく。まずは、パーツから離れた位置でランナーからカットする。その後、少しのゲートを残して二度目のカットをする。

 

次にスティックヤスリなどを使い、ゲート跡がフラットになるように削る。ここまでは通常のパーツ加工と同じだ。ただし、この状態のままではパーツにヤスリ傷が残ってしまう。

 

その後、ヤスリがけでできた傷を消していく。使用するのはウェーブの「ヤスリスティック・フィニッシュ」だ。1000番程度までヤスリがけを行った後に、「ヤスリスティック・フィニッシュ」の緑の面でパーツ表面を磨く。この作業をすると、パーツ表面は半光沢状態になる。

 

次に「ヤスリスティック・フィニッシュ」反対面の白い面で表面を磨く。

磨き続けるうちに“キュッキュッ”と音がしてきたら、作業完了だ。こうするとパーツ表面に光沢が戻り、ヤスリがけを行った部分が他の箇所と同じ光沢となる。

 

コンパウンドでパーツを磨くのも方法のひとつだが、「ヤスリスティック・フィニッシュ」のほうが圧倒的に早く作業を進めることができる。

 

次は「キャプテン・ファズマ」の装甲服の加工だ。美しくクロームコーティングが施されている。ランナーを裏側から見ると、このコーティングを傷めないために、パーツとランナーの接点は見慣れない形状になっている。これが“アンダーゲート”と呼ばれるゲートだ。

 

“アンダーゲート”のカット方法も、基本的には通常ランナーと同じだ。まずはパーツから離れた位置で1回目のカットを行う。

 

ここからカット方法は少々異なってくる。

2回目のカットは、パーツ側面方向に飛び出したゲートをカットする。ニッパーの先端が、かなりパーツに接近するのでコーティングを傷めないよう気をつけよう。

 

そして3回目のカットは、パーツ手前側に飛び出した部分(アンダーゲート部分)をカットする。

ニッパーと水平にして飛び出た部分をカットするのだが、やはりほんの少しだけゲートを残すようにする。ここで完全に切り取ろうとすると、パーツをえぐってしまう可能性があるので、3回目のカットは注意しよう。

 

最後にヤスリスティックを使い、ほんの少し残ったゲートを削り取る。コーティングを傷めないように、ヤスリを当てる部分はできる限りゲート周辺だけに絞るといいだろう。先端が尖ったヤスリやヤスリスティックを使うのがオススメだ。

 

 

ただし、形状的に“アンダーゲート”を設置できなかったパーツも存在する。

 

そんな場合でも、なるべく目立たない位置に、限りなく細く小さなゲートを設置する工夫がなされている。

このようなパーツは良く切れるニッパーで一刀両断にカッティングすると良い。切れ味が良いニッパーなら切り口もあまり目立たない。

 

パーツの切り口が気になる場合は、面相筆を用いてシルバー系の塗料でレタッチすればOKだ。この肩アーマーパーツの場合、切り口のある側を背面に向けて取り付ければ“クローク”で隠れるのでそれほど神経質にならなくても良いだろう。

 

これで基本工作は終了だ。

余談だが、最後に注目ポイントをひとつ……。これは「キャプテン・ファズマ」(左)と「ファースト・オーダー ストームトルーパー」(右)のソールパーツである。身長は「キャプテン・ファズマ」の方が高いのだが、ソールのサイズは横に細く、スレンダーな形状をしている。理由は映画を見ていない人のために記載しないが、こんな箇所を発見できるのもプラモデルの楽しみ方のひとつといえるだろう。

 

次回(5月28日(土)公開)は「応用編」と題して、「キャプテン・ファズマ」の“クローク”パーツの攻略法をお届けしたいと思う。

 

 

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