『装甲騎兵ボトムズ』トイライズ ATコレクション01「スコープドッグ レッドショルダーカスタム」予約受付スタート記念!開発者・幸 日佐志インタビュー!!

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●取材:RED染谷(電撃ホビーウェブ編集部)

1983に放送されたアニメ『装甲騎兵ボトムズ』。主人公 キリコ・キュービーが操縦する人型機動兵器AT(アーマードトルーパー)スコープドッグのリアリティ溢れる存在感と個性的な登場キャラクターたちが今も世代を越えて多くのファンに愛され続けています。

あれから40年、これまでにもさまざまなスケールや仕様によって立体化されてきたスコープドッグですが、この度、当時の番組スポンサーであるタカラトミーがハイターゲット向けの新ホビーレーベル「トイライズ」で商品化。1/48スケールというコレクションに最適なスケール感と最新の技術で蘇る装甲騎兵の登場にファンの期待が高まる中、ついに第一弾商品の予約受付がスタートしました。1/48スケールといえば、かつて手のひらサイズながら、精巧で緻密な構造のアクションフィギュアが同社より発売され、ATの動きを可能な限り再現することをコンセプトとして企画開発された「アクティックギア」は、コクピットハッチの開閉や各部関節可動に加え、多彩な装備の着脱など、劇中の設定を余すことなく再現した人気シリーズでした。

そこで今回は、「トイライズ ATコレクション」シリーズの開発担当者であり、「アクティックギア」の開発にも携わっていたタカラトミーのトイデザイナー、幸 日佐志さんに本商品の特徴や開発経緯、「アクティックギア」との違いについてお聞きしました。

AT(アーマードトルーパー)の傑作機 スコープドッグ!

再検証された各部形状と可動ギミック!!

――完成品リアルトイ「トイライズ」は、タカラトミーが持つ豊富な経験と知識を注ぎ込んだプロダクトで、単なる新しいギミックに留まらずタカラトミーがチャレンジするトイライズコンセプトによるスコープドッグの再構成。まず始めに、本商品の企画立ち上げや開発経緯についてお聞かせください。

幸:弊社のホビー向けブランドとしてT-SPARKが立ち上げる際に多くの企画が立案され、その中に作品キャラクターとしてタカラ(現タカラトミー)時代に番組企画当初から関係の深い装甲騎兵ボトムズがあり、過去にもアクティックギアやDMII、ガガンガン等の多くの商品化をさせて頂いたご縁もあり、ボトムズでの商品化を検討企画いたしました。

――1/48スケールのモデルで商品化することにこだわった理由(わけ)は?

幸:過去のアクティックギアが1/48スケールであり、そのアクティックギアがボトムズという作品で最も統一スケールで多くの種類のATをリリースしていた実績も鑑みて、上手く新シリーズを継続できたならアクティックギアで発売に至らなかったATも商品化の可能性と同スケールでのATコレクションを完走できるのではないかと思いを馳せた結果です。

――「アクティックギア」と「トイライズ」の違いについてお聞かせください。

幸:基本継続シリーズと言える物です。時間が経って、基本機体であるスコープドッグを最新の物にアップデートして、それに準じて新機体をリリースして行く流れを考えています。過去にアクティックギアを購入して頂いていた方々に引き続きコレクションして頂ければと思っています。初期のアクティックギアとトイライズの違いは、細部にまでこだわった徹底した作りこみや可動範囲が広くなったことによる再現度高いポージングの実現です。この記事を読まれる方の多くが現状のホビー市場の状況を肌で感じていらっしゃるとは思いますが、今の市況では当時のアクティックギアをそのままリリースするだけでも3倍位の価格設定にしないと商品として成り立ちません。この問題が今回一番製品化のハードルが高く、アクティックギアと異なる点でした。

アクティックギア AGV-01スコープドッグ

2006年発売。2017年にシリーズが再始動した際にはキリコのライバルであるイプシロンが乗る青いヘビィ級試作機「X-ATH-02 ストライクドッグ」やル・シャッコが搭乗した「ATH-O64べルゼルガ」、キリコが乗った「ATM-09 WR マーシィドッグ」等も商品化された。

※現在は絶版

――シリーズ第1弾「トイライズ ATコレクション01スコープドッグ レッドショルダーカスタム」についてお聞かせください。

幸:レッドショルダーカスタムはアクティックギアでもリリースした機体ですが、アクティックギアの時は標準武装のノーマルドッグを先にリリースした後にレッドショルダーカスタムの順で、当時もレッドショルダーカスタムを後から発売するならノーマルドッグは買わなかった的なコメントを頂いた事が記憶にあった事もあり、今回はシリーズのキックオフタイミングからリリースさせて頂く事にしました。

――劇中で印象的な銃を両手で構えるポーズや可動アクション、足首の接地性など、気になる点は多々ありますが、その点はいかがでしょう?

幸:今回のスコープドッグに関しての可動に関してはアクティックギアNEXTをベースにブラッシュアップをしており、初期のアクティックギアのスコープドッグより可動に関しては大きく改良されています。追加された可動軸もあり、ポージングの幅も広くなっています。

――上腕部を延ばして強烈なパンチを繰り出すアームパンチ、ターンピック、グライディングホイール、ローラーダッシュ等のギミックについてはいかがでしょう?

幸:基本アクティックギアで採用していたギミックは全て継承されています。アクティックギア自体が当時からATの基本ギミックは網羅していたので、逆に減らす事ができませんでした。

――「アクティックギア」シリーズのスコープドッグは胸部装甲ハッチ(コックピットハッチ)が開閉可能(着座状態のフィギュアも付属)で、基部を上に引き出してから開くギミックも好評でしたね。

幸:この辺りもアクティックギアから基本変更はありません。

――降着姿勢については?

幸:降着はネクストからの継承でいわゆる立て腿での降着姿勢を採用しています。

――バニラによって塗装された左肩の赤いアーマーは、オリジナルの機体に塗られた深みのある赤とは少し違う色味だと思うのですが、そういった点も抜かりはないようですね。

幸:色に関しては当時のブラウン管モニター色や最新のリマスターでの色や当時のセルの色等様々な考え方がありますが、完全にアニメ本編色に調色するのではなく、トイライズラインのカテゴリーであるというコンセプトに準じて、少しメタリック系の色も使い、昔のデュアルモデル的な質感を採用しています。アクティックギアと並べても楽しめる仕様にと考えています。

トイライズ ATコレクション01 スコープドッグ レッドショルダーカスタム

TVシリーズ第10話「レッドショルダー」に登場し、第11話でも活躍したキリコによるフルチューンナップ重武装機体。左肩のバニラによって塗装された赤いアーマーも再現!

コックピットやメンテナンスハッチが開閉。バイザーは上部開閉。

DATA

トイライズ ATコレクション01 スコープドッグ レッドショルダーカスタム

  • 対象年齢15歳以上
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:8,250円(税込)
  • 2025年1月15日(水)予約受付開始
  • 2025年9月下旬発売予定

※画像は試作品の為、最終仕様とは形状、カラーリングが異なる場合があります。

メルキアの正規軍カラー!パラシュートザック付属のスコープドッグもラインナップ!!

物語冒頭、惑星リドでの戦闘やウド編終盤の降下作戦でも印象的なスコープドッグのメルキア軍カラー仕様。標準武装のヘビィマシンガンの外に、ファン待望のロックガンとペンタトルーパーが付属。パラシュートザック付で商品化。

DATA

トイライズ ATコレクション02 スコープドッグ メルキア仕様

  • 対象年齢15歳以上
  • 発売元:タカラトミー
  • 価格:8,250円(税込)
  • 2025年1月15日(水)予約受付開始
  • 2025年9月下旬発売予定

※画像は試作品の為、最終仕様とは形状、カラーリングが異なる場合があります。

――キリコが乗るスコープドッグと同じく、物語冒頭から登場したことでもファンにとっては印象的なパープルを基調としたメルキア軍カラー仕様。本商品については?

幸:折角新規で作ったスコープドッグですので、カラーバリエーションの展開も視野に入れて、アニメの1話から登場して印象的だったメルキアカラーを選びました。

本音はアクティックギアでは発売出来なかったロックガンをラインナップに入れるためにはメルキアカラーはマストだったのがセレクトの理由ですね。

――今回の再構築にあたり、改めて気付いたことも含め、スコープドッグの魅力についてお聞かせください。

幸:多くのファンやモデラーのみなさんも同じ認識かと思うのですが、スコープドッグの立体物には絶対的な正解は無く、プロパーの製品でも様々な解釈でその時代に合わせて様々な答えが出せる魅力的なデザインのロボットキャラクターです。そう言った意味で、アクティックギアの時とは違う答えの出し方ができる機会を頂けていちファンとしてもありがたい気持ちと、やはりATは立体物で表現できる最高の素材である事を再認識させられました。

1/48スケールは複数機体を並べたり手軽にジオラマが組めるなどの利点もボトムズ世界を表現するのは適しているサイズ感だと思います。

――今年5月に開催された「第62回 静岡ホビーショー」では、スコープドッグのバリエーション機である「ATM-09-STTC スコープドッグ ターボカスタム」の原型が展示され。鋭意開発中であることが発表されましたが、今後の商品展開についてもお聞かせください。

幸:ボトムズの展開でスコープドッグのバリエーション機体は避けては通れないのはみなさんご存じの通りで、今回ターボカスタムも同時開発で進行させて頂いており、ホビーショーでの展示となりました。今シリーズでは前述の通りにアクティックギアでは未発売に終わった機体も積極的に検討するのと、アクティックギアでは最初期に設計されたスコープドッグ系のリニューアルを平行してリリースできたらと考えています。

――スコープドッグ ターボカスタムは、ターンピックの再現はもちろん、ジェットローラーダッシュ機構のギミックも気になるところです。

幸:ターボカスタムは、基本的にはアクティックギアのアップグレード版となりますが。機体ベースとなるスコープドッグの改良点が相乗効果でアクティックギアとは異なる感じの仕様になっていると思います。

アップデートされた新機構による可動アクションと手のひらサイズならではの手軽さやコレクション性を追求する「トイライズ ATコレクション」シリーズ。今から発売日が楽しみですね!!

【PROFILE】

幸 日佐志(ゆき・ひさし)

タカラトミー トランスフォーマー開発チーム所属。1991年入社。『ビーストウォーズII』よりトランスフォーマーチームに参加、トイデザイナーとして同社の数多くの合体&変形ロボット玩具の開発に携わっている。

(C)TOMY (C)サンライズ

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