【ガンダムビルドファイターズ連載】ガンプラエース付録をレッドウォーリアに付ける(2)/ビルド外伝座談会(2)
月刊ガンダムエース(毎月26日発売)連載のガンダムビルドファイターズ外伝『ガンダムビルドファイターズA-R(アメイジング レディ)』は、既刊の『ガンダムビルドファイターズA』の続編としてユウキ・タツヤの新たなる戦いが描かれています。
本連載『ガンダムビルドファイターズD-R』は、『ガンダムビルドファイターズA-R』と連動し、その登場機体を外伝のシナリオを手がけるスタジオオルフェ 千葉智宏先生に解説していただきます。今月は、別冊の『ガンプラエース』発売記念企画! ガンダムレッドウォーリアに、絶賛発売中の『ガンプラエース』付録「ガンダム・アスタロト用追加武装セット」をフクダカズヤが取り付け。いかにカッコよく取り付けていくか? 今回から製作を開始します。
さらに、ガンプラ作りの楽しみを広げるべく、スタジオオルフェ千葉智宏先生、『ガンダムビルドファイターズA-R』マンガ担当今ノ夜きよし先生、そしてビルドファイターズ関連で数々の作例を製作してきたフクダカズヤが、特別座談会! 今回は、その第2弾をお届けします。
【ガンダムビルドファイターズ連載】オリジナルガンプラ作りのヒント満載!「ビルドA-R/D-R制作陣座談会“3ミリ穴の野望”」/ガンプラエースの付録をメチャクチャカッコよくレッドウォーリアに付けてみた!
1/144 ガンダムアメイジングレッドウォーリア+『ガンプラエース』付録 ガンダム・アスタロト用追加武装セット=ガンダムアメイジングレッドウォーリア・月鋼
こんにちは。フクダです。本作例ガンダムアメイジングレッドウォーリア(以下、レッドウォーリア)はガンダムエース2016年12月増刊号ガンプラエース付録の「アスタロト用オプションセット」(以下、付録キット)をメイン武装としています。
シンプルなデザインですが、長い砲身で存在感の強い「210mm対物ライフル」(以下ライフル)は、長さだけでは平均的な1/144クラスのガンプラを超えるサイズで迫力があります。砲口のマズルブレーキや折りたたみ式バイポッド(正しくは一脚なのでモノポッドでしょうか)から運用方法が想像できます。ビルドファイターズの世界ではアニメに登場したレナート兄弟を連想させる武器ですね。長めのサブグリップ、サイドアーマーなどへアクセス可能な3ミリ径のジョイントも設定されていますので、ほとんどの1/144クラスのガンプラに装備可能なのではないでしょうか。
また「パイルバンカー・シールド」も見た目どおり「硬いんだろうなー。強度あるんだろうなー。殴られたら痛ェんだろうなー」と思わせる面構成なので、どのガンプラに装備させても「コイツ、ヤベェの持ってる!」という第一印象を与えることができそうです。
今回レッドウォーリア用に付録キットを改造した点は、
- 長いライフルを分割構造に
- 武器合体のギミックを追加
- パイルバンカー・シールドの装備方法を変更
- バックパックに取り付けるための補強
の4点です。
長いライフルを分割構造に
砲身側にある本体に取り付ける穴(A2-16のダボに取り付ける穴)を「Cの字」に切り欠き、砲身側と本体側が分割できるようにしました。少しずつ切って何度も確認を行い、パチンと音を立て脱着ができるようにまで地道に削っていきます。
「この構造でどこを弾が走るんだ?」という疑問が残りますが、そこはビルドファイターズなので遊び心を優先させました(笑)。
武器合体のギミックを追加
分割したライフルの本体側(グリップがある方)の先端にレッドウォーリアに付属する「ガンブレイド(ショート)」を合体させオリジナルのブレード形態になるギミックを追加しました。“月鋼ガンブレイド”とでも呼称しておきましょうか。
付録キットに付属するA2-13(もしくはA2-12)はメイスなど「約3ミリ径の棒を挟む」以外に「ライフルのグリップも差し込める」という使いかたもできます。確認したらガンブレイドのグリップは問題なく取り付けられましたので、これを本体側のサブグリップの手前に接着しました。ライフル本体側は多少ラウンドした形状なのですが、比較的平らな面なのでしっかりと接着しておけば外れる事はないと思います。接着面をあらかじめ粗めのヤスリ(180~240番くらい)で荒らしておけば、より食いつきも良くなります。
パイルバンカー・シールドの装備方法を変更
装備する場合は左腕の小型シールドを外し、その取り付け穴を利用します。手で握るのではなく、左腕に直接取り付ける方法にしていますので、パイルバンカー・シールドのグリップはニッパーで切り取っています。
バックパックに取り付けるための補強
分割したライフル、パイルバンカー・シールド、ガンブレイドはバックパック側面に取り付けられます。
さらに、分割構造にしたライフルの砲身側は補強をしています。砲身のマズルブレーキ根元の一番細い部分をA2-12(もしくはA2-13)のジョイントでパチンとはめ込むように取り付けるのですが、材質と形状から少々強度不足を感じます。先端のマズルブレーキをしっかりと接着しておけば、そこそこ強度も上がりますが、作例では破損防止のため砲身の中に1ミリのピアノ線や1.5ミリの真ちゅうパイプなどを入れて強度を上げています。
ガンダムビルドファイターズD-R座談会「誰でもできるミキシングビルド!」後編
『ガンダムビルドファイターズA-R』のシナリオ担当、スタジオオルフェ千葉智宏先生、同じくマンガの今ノ夜きよし先生、そして電撃ホビーマガジン時代から数々のガンプラ作例を展開してきたプロモデラー フクダカズヤが、オリジナルガンプラをミキシングで作る楽しさについて座談会! 前編では『A-R』、『D-R』のオリジナルモビルスーツがどのように登場したか? そして各モデラーのオリジナル作例を見てきました。後編では、引き続きオリジナルガンプラを紹介! さらに今後の『A-R』そして『D-R』の展開についても言及!
編……後編で一発目に紹介するのは「ヘイズルチーフテン」。ベテランモデラーのサエキコウイチ氏によるものです。コメントから見ていきましょうか。
●機体の発想は?
「ヘイズル(HGUC 1/144 ガンダム TR-1[アドバンスド・ヘイズル])とフライルー(HGUC 1/144 ギャプラン TR-5[フライルー])をニコイチにする」というオーダーだったので、他のキットのパーツは使わないというレギュレーションを自ら設け、両キットのパーツを広げてあれこれ組み合わせ、おもしろく、かつまとまりのいいデザインになるように模索しました。
武装はリアルさは度外視して、いかにもプラモ改造らしい若干のバカっぽさ(笑)を求めました。
●ミキシングのコツは?
「なるべく元キットが分からないように」とよく言われますが、ビルドファイターズの場合はあまり気にしなくていいと思います。とはいえ、腕を別の腕に……といった組み合わせでは発想が広がらないので、関節ブロックなども含めてすべてのパーツをフラットに見渡して、ピンときた「カタチ」をピックアップしましょう。フィッティングには気をつかうべきで、必要なら接合面をごっそり削ったり幅増し・幅つめ等の加工も必要です。
●カラーリングはどうやって決めましたか?
ヘイズルチーフテンの場合は「イギリスのビルダーのガンプラ」ということは決まっていたので、スコットランド国旗のカラーを踏襲しました。ミキシングでは、改造ポイントをアピールしたいあまり追加パーツ単位で塗り分けたくなるものですが、それだと散漫になりがちなので注意が必要です。
●ミキシングの楽しみとは?
思ってもみない箇所のパーツをあてがってみて、ラインがピタリとハマった時は快感です(笑)。パズル遊びに通じるものがあります。
『D』の作例をマンガで採用したのが、このヘイズルチーフテンが登場した頃からかな。
そうですね。サテライトストライクはでも、元からマンガに登場する予定だったけど、ヘイズルチーフテンは予定がなかったにも関わらず登場させました。サエキコウイチさんも、結構設定を作ってくれていて、結局アーロン(タツヤがイギリス留学中に登場するキャラクター)の機体になりました。
先ほどのエボリューションとはまた違って、今度は完全に独自デザインのようになっていて、これも面白いですね。
編……次に紹介するのは、「ゾックIII」。こちらもベテランモデラーであるGASさんの作品です。
●機体の発想は?
先に編集部より「ゾックIII」という名前だけを提案してもらいました。ギャグ要素を取り入れてもOKとのことだったので、ゾックからイメージできるものを考えて、カッパの意匠を採用しました。とはいうものの戦わなければいけないわけですから、あくまでもバトルするための改造という本分を外さないようなギミックを考えて、マトリョーシカ人形を取り入れることを思いつきました。
●ミキシングのコツは?
あまり考えないでいつも楽しんでいますが、思いつくものを全て取り入れて、見た目から強くなりすぎないように気をつけています。それから元機体が分かるようにすることも大事だと思います。
●カラーリングはどうやって決めましたか?
今回は本体色の緑をまず初めに調色して、他は色の強さのバランスを考えながら配色しています。発色のいい派手な色ばかりを使うと色同士がケンカをしてまとまらなくなるので、色目を抑えることも大事だと思います。
●ミキシングの楽しみとは?
たとえば「○○専用」とパイロットを決めて、個性を表現するために改造を施し、武装を決めて、カラーリングを考える……これが見事に纏まったときは、たまらない楽しさです! オリジナルの設定で製作して楽しめることもガンプラの醍醐味だと思います。
この機体は名称が編集部から先にオーダーとして出ていたんですね。
当時の編集担当がノリノリだったんですよ。で、形を見たらオモシロ系の感じで。でも連載ではガンプラ塾で死のトーナメントをしている時期で「(シリアス展開なのに)どーするこれ?」と(笑)。『A』の中ではヤナとカワイイ勝負をしていて、『D』ではタツヤと戦い、本領発揮でマトリョーシカのシーンが描かれています。
マトリョーシカはマンガでやろうとしたのですが、スペース的に難しくて。ちなみに、『プラモ狂四郎』では、ガンダムの中からガンダムが出てくるというシーンがあるんですよね。
というわけで、単行本『ガンダムビルドファイターズD 立体作例集 Complete File』にも収録されていますが、『D』のエピソードでそれをやろうと。
劇中ではモヒカンのキヨタカのガンプラなのですが「このゾックIIIには魂が入っているんだ!!」って颯爽とマトリョーシカのゾックが飛び出してくるのに、タツヤは「ならば、その魂ごと切り捨てる!」って言ってあっさり(笑)。
たまにね、最初は思いつきなのに「おお! これは!」とぴったりハマることがあるんですよ。水中用のアストレイ(サルベージタイプ。ザフトの水中用MS「グーン」の上半身をすっぽり被ったアストレイ レッドフレーム)がありますが、あれは『少年エース』で連載していた戸田泰成先生の『アストレイR』用に私が考えたのですが、ときた洸一先生に「こんなの考えているんです」って言ったら、すぐに「ガンプラでやってみました!」って写真が来て。「あ! 入ってる」と(笑)。
違います違います。それで、電撃ホビーマガジンさんに「入るから作例を作ってください」とお願いしました。
『ガンダムビルドファイターズA-R』今後の展開と『D-R』
編……さいごに、今後の展開などをお願いします。
今月号の月刊ガンプラエース連載ではバトル装置のロケテストが始まって、関東選抜大会が行われ、レディのスターゲイザーガンダムが出てきます。黒田(『ガンダムビルドファイターズ』シリーズ脚本の黒田洋介氏。スタジオオルフェ所属)に聞いたら、レディは大会には一切出ない人とのことでしたが、関東選抜大会にはナゼか出場しています。その理由は、是非読んでご確認ください。
今月号で長いプロローグが終わって、ついに第8回大会(アニメ『ガンダムビルドファイターズ』で描かれた大会の次開催)が始まることになって、A-Rならではの展開に入ってきたという感じですね。
D-Rに関しては、これまでも作例やフルスクラッチ、簡単にマネができるものがあったり、キャンペーン武器の使い方を提案したりと、いろいろな企画をやってきましたが、今後はさらにガンプラが楽しくなるような企画を考えています。
ですので、記事が上がったらTwitterでリツイートしたり(笑)。広めてくださったら嬉しいですね。『ガンダムビルドファイターズD』の単行本『ガンダムビルドファイターズD 立体作品集 Complete File』も絶賛発売中です。こちらは連載時のストーリーをすべて増量しているし、これからコンテストなどに向けてガンダムビルドファイターズ的なオリジナル機体が作りたい人が参考になる改造方法もたくさん載っています。
マンガでは立体で作られているギミックは出せるだけ出そうと思っています。マンガを読んで「これの立体ってどうなっているんだろう」と思った方は『D-R』を見ていただければと思います。コミックスも見ていただいて、ある程度は初心者の方でも作れるガンプラも載っているので、ガンプラも一緒に買っていただいてソンはないぞと。是非一緒に棚に並べて飾ってください。
まずは今製作している次回作に期待してください。これまで僕が担当してきた作例は、「もともとこういうキットだったんじゃないか?」と思われるようなデザインというか構成を心がけています。元キットはどういうものだったけ? というくらい印象が違う機体を目指していきたいですね。そして、皆さんが真似したり参考になったりするものを作っていきたいので、『D-R』に載っている作例は、見てもいいし誰でも作れて一石二鳥というか、そういう楽しみができると思います。
フクダさんが手がけている次回作は、初心者も作れるものを目指しているので、「初めてガンプラを作ったんだけどストレートではなくてプリンセス機を作ってみました!」みたいな話がネット上でツイートされていたりしたら、我々は大喜びします(笑)。
編……ガンプラファンが『A-R』と『D-R』を楽しみながら、さまざまな作品を作り続けてくれたら嬉しいですね。そのための企画も、今後用意しています。ありがとうございました!
次週は、フクダカズヤによるガンダムアメイジングレッドウォーリア・月鋼がついに完成! さらに、ミキシングビルドに関するお役立ちコラムを掲載! お楽しみに!
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