素組みでガンプラ！MG 1/100 高機動型ザク “サイコ・ザク” Ver.Ka（GUNDAM THUNDERBOLT版）の製作方法 後編
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。今回は「MG 1/100 高機動型ザク “サイコ・ザク” Ver.Ka（GUNDAM THUNDERBOLT版）」を用いて、デカールの貼り方を紹介します。
前回はシーリングの加工方法とデカール貼りの基本を説明しました。後編となる今回は他の貼り方や、少々イレギュラーな箇所への貼り方を紹介していきます。
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細かなコーションマークは、デカール自体も大変小さなサイズです。この小さなデカールは、前編で紹介したような台紙を引き抜く方法では手間も時間もかかってしまいます。
コーションデカールは種類（デカール番号）ごとにまとめて貼るといいでしょう。数枚をまとめて切り出して水に浸します。その後デカールの端をピンセットで直接摘まみ、該当箇所に貼っていきます。同じ番号のデカールを複数箇所貼ることになるので、説明書の貼り位置をよく確認するのがポイントです。
長い時間、台紙を濡れたままにしておくと、デカール裏面の糊が取れてしまい接着力がなくなってしまうことがあります。その際は市販のデカール糊を使えば大丈夫です。写真は「デカールフィクサー」と「デカールのり」。どちらもデカール裏面に付いている糊と同じ成分が液体になったものです。
まずデカールを貼る場所に、デカール糊を少量塗布し、その上からデカールをしずかに乗せ、貼ればOKです。
デカール周辺の糊は綿棒で吸わせて除去します。デカール糊が乾いている場合は、水を含ませた綿棒で作業すればデカール糊をきれいに取ることができます。
肩アーマーのような曲面部にデカールを貼ろうとすると、隙間ができたりシワがよったりします。
これはマークセッターといい、デカールに塗布することで、デカール素材を軟化させ柔軟性を持たせる液体です。マークセッターにはデカール糊の成分も入っているので接着効果もあります。
貼ったデカール上からマークセッターを塗り、しばらく待ちます。デカールの厚みにもよりますが、ガンプラに付属のデカールであれば1分程でデカールが軟らかくなってきます。その後、綿棒などで圧着すれば、肩アーマーなどの三次曲面にも隙間なくデカールを貼ることができます。
これで平面・曲面に関わらず、ほとんどの箇所にデカールを貼ることができます。写真は肩アーマーとシールドに、それぞれ通常版のデカールとプレミアムデカールを貼ったものです。メタリックデカールを使用すれば、通常版では得られない高級感あふれるゴージャスな雰囲気を作れます。
さて、最後によく質問される現象についてお話ししましょう。
デカール周辺が白く濁り、デカールが浮いたように見えています。これは“シルバリング”といい、模型とデカールの間にわずかな隙間が生じていて、デカールがきちんと密着していない時に起きます。
リカバー方法はマークソフターをデカール表面に塗り、カッターや針でデカール表面に見えない程の小さな穴をあけます。
その微細な穴からマークソフターをデカール裏面に浸透させます。マークソフターが浸透し模型とデカールが密着すればシルバリングは消えてなくなります。このリカバーは皆さんが思っている以上に簡単なので、シルバリングが発生しても慌てず対処してください。
完成写真はコチラ！
デカールで機体各部にマーキングが施されると、一気にリアリティが増しますよね。
きちんとレタリングされた部隊マークや機体ナンバー、加えて肉眼で判読することさえ困難なほど、細かく精密なコーションマークは筆で描くのは非常に困難です。それでもデカールワークが発達していなかった40年以上前のモデラーは、極細の面相筆を使って模型に直接書き込んでいたものです（笑）。今はデカール貼りのスキルさえ身に付ければ、非常にリアルなマーキングを施すことが可能。
“サイコ・ザク”が発売された今、失敗を恐れずに、素晴らしきデカールワークの世界を存分に楽しんでみてくださいね。
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