原色カラーを使ってみよう!【冬休み特別企画】マイスター関田の実験プラモLABO Vol.004
電撃ホビーマガジンに連載された「マイスター関田の実験プラモLABO」は、プロモデラーであり、新宿の模型ファクトリー店長でもあるマイスター関田が、見習い店員ホセとの掛け合い形式で、プラモデル作りのハウトゥを紹介する記事でした。電撃ホビーウェブでは、冬休み特別企画として連載の中から選りすぐりの記事を掲載! プラモデル作りのレベルアップに、お役立てください!
原色カラーを使ってみよう
純色カラー使用時のポイント
- 既存の塗料に少量ずつ混ぜイメージ通りの色調にシフト
- シアン・マゼンタ・イエローの内、2色までなら混ぜても濁らない!
- 混色した塗料と下地を組み合わせて色調コントロールが簡単に!
※Web上では正確な色味を再現することができません。色の差などを参考にしてください。
登場人物
マイスター関田……模型店「模型ファクトリー」店長にして本誌ライター。10年余の店員経験から、工具材料に関しては不必要に広い知識を持つ。
ホセ……マイスター関田の元で修業を積む模型店員見習い。モデラーとしても初心者だが様々な課題にぶつかりつつ成長中。
いやぁ、この塗料がイメージ通りのいい色だったからサフ下地に直接吹いてみたらこんな色に……。
ああ、これは原色系の塗料だから単独で使うのには向いていないと思うぞ。
うう……。そうだったんですか。マイスターはよく使ってるイメージあるんですけど、どうやって使うんです?
基本的な使い方として、既存の塗料に混ぜて色調をシフトさせるってのがあるな。
なるほどー。「少しだけ赤みが欲しい」とか「もう少し青みを濃くしたい」っていうときに混ぜていけばいいんですね?
そうだな。少しずつ混ぜていけば微妙な調整も割と簡単にできる。かなり強い影響力を持っているので、大量の原色を不用意に混ぜすぎると取り返しがつかないぞ。
この原色だけを組み合わせて、好きな色を作ることもできるんですか?
できる。原色系の塗料は透過性の高い顔料だから、濁りのない鮮やかなクリアー系塗料を作るところから始めてみようか。三原色シアン・マゼンタ・イエローの内、2色を組み合わせれば濁ることはない。色調が決まったらラッカー系のクリアーに混ぜればOKだ。
例えば、マゼンタにイエローを混ぜていくと、朱色にシフトする前に一度真っ赤になる。とか、シアンにマゼンタを混ぜていくと紫にシフトする前に真っ青になるとかな。
なんか適当に混ぜてましたけど、キレイな色ができるもんですねぇ。
慣れてくれば、どうってことはない。こういう時に大事なのは、これを何%にこれを何%っていう混合比を覚えるんじゃなくて、この原色にこっちの原色を混ぜるとこういう具合にシフトしていくっていう考え方を覚えていくことだよ。
あとは試し塗りしながら丁度いいところで止める、ってことですね?
なるほど~。確かに便利でキレイなんですけど、結局はクリアー系の表現しかできないってことですか?
そんなことはない。下地と組み合わせれば、通常の一色塗りの他、グラデーション表現やメタリック調の表現も思いのままだ。
おお! 下地を変えることで、こんなにいろんな表現ができるんですね!
たとえば、「鮮やかな赤」を表現するにしても、原色調合の時点でどれくらいイエローを混ぜるのか? 下地は赤、ピンク、イエロー、オレンジ、ブラウン、ホワイトのどれにするか? その組み合わせを試すのが理想かな。俺も作例のときは最低でも2~3パターンは必ず様子を見るしね。まだ、経験が少なくて自分の中の塗装レシピが乏しかった頃は下地6パターン×原色クリアー6パターンで36通り試したこともあったかな。
手間をかけるのは必須じゃないが「ブッツケ本番は即死トラップ満載」ってことじゃないかな。とりあえず、原色調合を使った簡単な色相環を作ってみたから参考にしてくれ。
おおっ! これはスゴイ! これ全部が原色調合でできる塗装表現なんですね? 世界が広がるなぁ!
そうだな。クリアーとホワイト以外は2種の原色のみを使用するっていう原色調合の基本を外さなければ、濁りのない色や鮮やかな色はいくらでも出せるんだよ。さらに、下地との組み合わせを使えばその表現の幅はまさしく無限だ!
ここまで見てきて気になったんですけど、三原色を全部混ぜるとどうなるんです?
当然濁る。だが、この濁りを利用してミリタリーチックな中間色を作ったり、グラデーション表現のためのシャドウ色を作ったりもできるんだ。
この濁りを活かした調色もまた原色使用の醍醐味だろう。コントロールするには、これも経験あるのみだな。
うーん、中間色はともかくシャドウ色なんかはブラック混ぜた方が早くありませんか?
うーん、そうとは限らないんだよね。同じく濁る方向性ではあるんだけど……。ちょっとやってみてごらん。
色調のシフトが全く予測できない! そして少量混ぜただけですっごい汚い色に!
まぁ、この色作るにはブラック混ぜるしかないんだけど……使い道は限られるよな。
でも、これもコントロールできれば、どんな色でも作れそうな気がしますが?
確かに。理論上は、蛍光系やメタリック・パール系以外のいわゆるソリッド系クリアー系の色調は三原色とホワイト、ブラックがあればほぼ再現できるなんて言われることもある。とにかく、必要に応じていろいろ試して、自分の中で塗装表現のレパートリーを増やしていくと良いんじゃないかな。
原色カラーのラインナップ
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関連情報
- 模型ファクトリー
- 色ノ源 CR2 マゼンタ
- 色ノ源 CR3 イエロー
- 色ノ源 CR1 シアン
- ガイアカラー 037 純色バイオレット(光沢・15ml入瓶)
- ガイアカラー 033 純色シアン(光沢・15ml入瓶)
- ガイアカラー 034 純色マゼンタ(光沢・15ml入瓶)
- ガイアカラー 035 純色イエロー(光沢・15ml入瓶)