「ヤマトはファンとスタッフみんなで作品を作っている!」『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』内田彩さんスペシャルインタビュー!
2017年6月24日(土)に上映が開始される『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第二章発進篇。第一章の上映前に電撃ホビーウェブでは監督・羽原信義さんとシリーズ構成・福井晴敏さんにそれぞれ直撃し、本作にかける熱い思いを語ってもらいました。
今回は制作陣からヤマトキャラクターに命を吹き込む声優陣にフォーカスします。トップバッターは『宇宙戦艦ヤマト2199』からの新キャラクター「岬百合亜」を演じる内田彩さん! アニメとリアル両方のラジオのパーソナリティを務めた内田さんにヤマトファンとの交流やイベント、キャンペーンなどのエピソードを聞いてみました。
プロフィール
7月23日生まれ 。アクロス エンタテインメント所属の声優。2008年から声優活動をしており、『ラブライブ!』南ことり役(2013年)、『トリニティセブン』神無月アリン役(2014年)、『終末のイゼッタ』ビアンカ役(2016年)など数多くのメインキャラクターを演じている。また、今年空前の大ヒットとなった『けものフレンズ』かばん役なども記憶に新しい。
YRAラジオヤマトやイベントでのファンとの交流
――内田さんは『インターネットラジオ・YRAラジオヤマト』でも岬百合亜としてパーソナリティを担当されていましたが、マイクの前で“岬百合亜”としてお話しされるのは難しかったでしょうか?
内田:『宇宙戦艦ヤマト2199』の劇中でも百合亜が艦内でラジオ放送をやっているという設定があり、それとリンクしていたのでとてもやり易かったです。通常のトーク部分はラジオ放送のブース内でAU09(アナライザー)役のチョーさんと向かいあってやっていたのでとても楽しかったです。チョーさんがとても上手にリードしてくださったのでとても助かりました。ミニドラマパートもアフレコスタジオではなく、同じラジオブース内での収録でしたので気分的にはとてもリラックスしてやることができました。内容もアニメ本編とは違い、真面目なものから、おふざけ的なものまで幅広くやらせていただきました。艦内食堂に食レポに行ったり、艦内のオバケ騒ぎの話があったりと楽しんでいました。時には真琴ちゃん(佐藤利奈さん)をゲストに迎えて、寝起きドッキリを仕掛けたり楽しくワイワイやっていましたね。あとはリスナーのみなさんからのメールが本当に熱くて、とても励みになりました。
――岬百合亜は『宇宙戦艦ヤマト2199』からの新キャラクターで内容もオリジナル版と違いがありますが、演じるにあたり不安などはありましたか?
内田:仰るとおり私達が演じていた『宇宙戦艦ヤマト2199』とオリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』では、設定的に違うところや変更したところがかなりありました。監督をはじめ、スタッフの方からもオリジナル版をあまり意識しないように指示されていたのですが、これだけ多くのファンを持つ作品なので常にプレッシャーがありました。
最初の頃は「俺たちのヤマトはどうなっちゃうんだろう?」と心配するメールも届いていたので不安な部分も多かったです。私が演じた百合亜もオリジナル版には登場せず、『宇宙戦艦ヤマト2199』で登場した新キャラクターですので「古くからのファンは受け入れてくれるだろうか?」という心配も大きかったですね。オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』はとても熱い男のドラマだったのに、今どきの“ツインテール”や“アホ毛”が付いた、キャピキャピした女子高生みたいな乗組員が出てきて「俺たちのヤマトは大丈夫なのか?……俺の大切な青春の思い出は……」という心配もわかっていました。でも劇場上映の章を重ねていくうちに『宇宙戦艦ヤマト2199』から登場の新キャラクターもファンの皆さんは受け入れてくれて、ヤマトの一員として歓迎してもらえたのが実感できたときは嬉しかったですね。
ただ先ほどもお話ししたように、多くのスタッフの方が大のヤマトファンだったので、古くからのファンにも受け入れてもらえるよう、上手に設定変更をしているのは知っていたので、そういう心配は途中から飛んでいってしまいました。むしろ「おお、ここはこうアレンジしたのか!」といった賛同してくれる声が大きかったですね。ヤマトが三交代制の勤務だった事や、艦内にも大浴場があったことなどがわかった点などは、百合亜をはじめ『宇宙戦艦ヤマト2199』で登場した女性キャラクター達がいるからわかることなので、新キャラクターの登場にも全て意味があったことが伝わったのだと思います。
――全国で行われたイベントやキャンペーンにもたくさん参加されていましたが、ファンの人たちと直接お会いしていかがでしたか?
内田:日本中、どこでイベントをやっても毎回来て下さるファンの方が多くて、そんな人達と仲良くなって会話を交わしたり、毎回ラジオにメールをくれている人と直接お会いできたのが楽しかったですね。それまではラジオネームでしか知らなかった人がイベント会場で「○○です」ってご挨拶してくださると「あなたが○○さんですか!」って。これはラジオをやっていたからこその驚きと感動でした。あとはとてもファン層が広い作品なので「昔からヤマトが大好きで……」と言う人から、「最初はヤマトを全く知らなかったのですが、見ているうちに大好きになりました」っていう中学生の方とか、あらゆる年齢層に愛されている作品だと実感できたのもイベントやキャンペーンに参加して良かった点ですね。
あるファンの方などは「妻に怒られながら毎回劇場上映に来ています」とラジオにメールをくださって(笑)。チョーさんとも「サラリーマンパパはガミラスじゃなくて、ママと戦いながら観に来てくれているんだね」と話していたんです。その方がイベント会場に会いに来てくださって「あのメールは、あなただったんですね!」と初めてお会いするのに、まるで再会したような感覚になるのはラジオをやっていたおかげですね。
ファンと共に成長していった航海
――ファンの人達との語らいが演技に影響を与えた部分はありますでしょうか?
内田:それはとてもありましたね。自分が演じている『宇宙戦艦ヤマト2199』はよくわかっているのですが、オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』の事をファンの方から教えていただき、知識を高めていった部分もありました。最後の方にはオリジナル版と『宇宙戦艦ヤマト2199』の違いについて語り合えるようになっていました(笑)。「あの部分が2199ではこう変わった。あのキャラクターはオリジナルの方が男らしかった」とか(笑)。他にも女性ファンの人と「男性キャラでは誰が好き?」なんて普通のガールズトークの様なこともしていました。このようなファンの人たちとの交流やYRAラジオヤマトでの経験が、本編でのお芝居にも良い影響を与えたのだと思っています。
――他の作品のファンとヤマトファンとの違いはありますでしょうか?
内田:イベントなどでヤマトファンの人と一緒にいると、とても安心感があるんです。最初は自分がヤマト初心者のような感覚だったので、昔からヤマトをよくご存じで色々と教えてくれたり、時には励ましてくれるので、とても頼もしい感じを受けました。それに男性女性問わず、ファン層が本当に幅広く、私の両親と同世代の人達と同じ話題で盛り上がれるのはヤマト特有のことで、素敵なことだと思いました。他の作品の場合、自分達が中心にいて「お客さんを楽しませなきゃ!」って意識が働くのですが、ヤマトの場合はファンの人もスタッフの人もみんなで作品を作っている感覚が凄く強かったですね。スタッフの多くが元々ヤマトが好きで観ていた人も多いですし、中にはアニメーションのお仕事を始めるきっかけが“ヤマト”だったという人いました。イベントに参加するファンの人も、生活の基本がヤマトという人が多いですし(笑)、みんなそれぞれのヤマト愛を持っていて、受け手と送り手を越えてみんなで作った、みんなのヤマトという感覚でしたね。
――先ほど好きな男性キャラの話が出ましたが、岬百合亜ではなく、内田さん個人としてはどのキャラクターがお好きでしょうか?
内田:毎回監督やスタッフのみなさんにも“男の趣味が悪い”と言われていたのですが、伊東(真也)さんが好きでした(笑)。表情からは何を考えているのか全くわからないのですが「絶対にコイツはヤリ手の男だな……」という存在感がたまらないですね(笑)。話が進むにつれて本性というか本来の目的が表面に現れてくるのですが、それも伊東さんなりの正義だと……。非情なことをしていても「これは伊東さんなりに考えて決断したことで、地球と人類を思うが故の行動なんだ……」とか良い方向に解釈して(笑)。最後に雪さんを守って倒れるあたりは、「ほらほら、思った通り素敵な人だ!」って感じで……。元々私はちょっと悪い人が好きみたいですね(笑)。
“2199”から3年後の“2202”では……
――さて『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』のお話しを伺いたいのですが、続編製作のお話しを聞いた時はどう思われましたか?
内田:最初に続編のお話しをいただいた時は「百合亜の出番はありますか? 艦内のラジオ放送はまたやるんですか?」とか、ちょっと浮足立っていたところもありました(笑)。でも何よりもイベントやラジオでファンの方たちと分かち合ったヤマトをまた観られる喜びが大きいですね。
――『宇宙戦艦ヤマト2199』が終わってから物語では3年の月日が流れていますが、岬百合亜はどのように過ごしていたと思いますか?
内田:私もそこがとても楽しみでした。(岬)百合亜も勿論ですが、イスカンダルまで一緒に旅をしてきたみんなはどうしていたのかなぁ?と。特に私が楽しみにしていたのは、(原田)真琴ちゃんがどうしていたかということですね。真琴と百合亜はヤマト艦内では同室で仲良しだったので凄く気になっていました。きっと旦那さまや生まれたばかりの子供と微笑ましくすごしているんだろうなぁ……、と個人的に妄想したりしていました。子供は大きくなったかなぁ? 男の子かな、女の子かな? とか。無事に生まれた子供に逢って「百合亜お姉ちゃんだよぉ。大きくなったねぇ」みたいな会話があって、百合亜もそれを見てママになりたがっているのかなぁ? とか想像しちゃいます。
▲加藤三郎と結婚した加藤(旧姓:原田)真琴。現在は月面の医療施設で治療を受ける翼に付き添い続けている。今後展開される話が気になるところ。
――他のキャラクターや新たに登場したクラウス・キーマンについてはいかがでしょうか?
内田:新キャラクターのキーマンさんにしてもそうですが、今回上映される第二章を観ていて最も感じるのは、『宇宙戦艦ヤマト2199』本編に登場していないだけであって、地球もガミラスも互いの立場や考え方があって、それぞれの時間を過ごしてきたのだと思います。今回のポスターに描かれている斉藤(始)さんや永倉(志織)さんにしても、ガミラスとの戦いが終わってからどんな生活をしていたかが、本編の些細なシーンやセリフの中から垣間見えるんです。そこが凄いと思いました。私が演じた百合亜にしても同じで、地球に帰ってきてからの3年間、どう過ごしてきたのが本編を観ていると感じてもらえると思います。もちろんみなさんご存じの百合亜ですから、相変わらずのところも多いのですが(笑)「あれ? ちょっとは頼もしくなったかな?」というところがわかるシーンがあるので、そこに注目して欲しいですね。あとはとにかく観ていただいてから、また以前のようにイベントなどでファンの方たちと、熱い“ヤマトーク”ができることを願っています(笑)。
▲ガミラス帝国地球駐在武官の「クラウス・キーマン」と空間騎兵隊第5連隊隊長の「斉藤始」と部下の「永倉志織」。第二章で活躍する彼らの会話もポイント。
――立体物についてお話を聞かせてください。他の作品も含め、ご自身が演じられたキャラクターがフィギュアなどの立体物になるご感想はいかがでしょうか?
内田:最初は『宇宙戦艦ヤマト』という作品タイトルからも、当然宇宙戦艦の立体物がメインなのだろうと思っていたのですが、これほどまでにキャラクターの立体物が発売されたのが意外でした。ヤマトガールズコレクションなどは、かなりの数がラインナップされてとても華やかですよね。どのキャラクターも本編ではしない表情やポーズで立体化されていて、そのあたりがこれらフィギュアの魅力だと思います。ヤマトガール達は閉鎖された環境の中で、イスカンダルへの旅をして過酷な任務にあたっているキャラクターです。日常的な仕草や、優しい表情をみせることが少ないので、フィギュアになった百合亜などを見ていると、普段見せない表情がとても愛おしく感じます。他の作品のフィギュアより、なぜか特にヤマトの子達にはそう思いますね。それが安心できるというか、可愛く作ってもらえてよかったねという気持ちになります。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
内田:『2202』には地球・ガトランティス共に、新しい戦艦がたくさん出るので、今から「どれを買おうか? どれを作ろうか?」と楽しみにしていてください。あと、百合亜も今回の第二章では一瞬だけですがちょっと違った衣装で登場します。私自身も新たな百合亜のフィギュアが発売されたらいいなあ、と思っていますので、フィギュアが発売された際には、みなさんにも手に取っていただきたいと思っています。何よりも『2202』を楽しんでいただいて、またイベントなどでお会いして楽しくお話しできる日を楽しみにしています。
――ありがとうございました!
DATA
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』第ニ章「発進篇」
- 全国20館にて期間限定劇場上映(シリーズ全七章順次劇場上映)
- 上映開始日:2017年6月24日(土)
- 上映館:[東京]新宿ピカデリー、シネマサンシャイン池袋、MOVIX亀有、MOVIX昭島[神奈川]横浜ブルク13、川崎チネチッタ[千葉]MOVIX柏の葉[埼玉]MOVIXさいたま[栃木]MOVIX宇都宮[静岡]MOVIX清水[宮城]MOVIX仙台[北海道]札幌シネマフロンティア[大阪]大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ[京都]MOVIX京都[愛知]ミッドランドスクエアシネマ、MOVIX三好[岡山]MOVIX倉敷[広島]広島バルト11[福岡]T・ジョイ博多
関連情報
(C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会
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