素組みでガンプラ!艦船モデルの製作【後編】

更新日:2017年6月19日 19:16

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

EXモデルについて艦船・戦車など各ジャンルに分けて、それぞれの簡単な製作方法を説明したいと思います。

 

前編では「EXモデル 1/1700 ホワイトベース」を使って、部分塗装による塗り分け方法を紹介しました。ここではEXモデルをより引き立てる塗装方法を行っていきます。

 

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_K1A0946これは中央船体の上面パーツです。艦船モデルの甲板らしいモールドが彫刻されています。このスジ彫りに丁寧にスミ入れすれば、EXモデルをより引き立てられます。主砲取り付け部はグレーで塗装しておくと、さらに仕上がりが良くなるでしょう。

 

_K1A0949中央船体の側面と下面パーツは非常に律義なスジ彫りが縦横に走り、SF映画のプロップのようにアレンジされています。こちらもきちんとスミ入れすることで、全体が引き締まった印象に仕上がります。一番右のパーツはスミ入れ前のものです。印象が全く異なるのがお分かりいただけるでしょうか。

 

_K1A0936 _K1A0996カタパルトデッキの内部はメカニカルなモールドが彫り込まれていて、軍用艦内部としての見せ場となっています。こういった部分はスミ入れがとても映える箇所です。加えて主砲・メガ粒子砲・モビルスーツハンガーなどの小パーツもダークグレーで塗装後、ブラックやダークブラウンでスミ入れをしておきましょう。

 

_K1A0960ミノフスキークラフトなどはメカニカルなモールドとは異なり、アニメ設定でも書き込まれているスジ彫りです。きっちりとスミを入れると劇中と同じ印象的な仕上がりとなります。カタパルトハッチや、エンジンブロック正面の3本ラインはホワイトベースの象徴的な記号です。ここがきちんと塗装されているだけで、一気に“ホワイトベースらしさ”を加えることができるので丁寧に仕上げたい部分です。

 

_K1A0968スミ入れが完了したら、各ブロックを組み立てていきましょう。部分塗装した各色とスミ入れが加わったことで、ご覧のように、組み上げた時の感動もひとしおです。スミ入れはできる限りパーツ単位で行いましょう。エナメル系溶剤や油彩系溶剤による“パーツの割れ”を避けることができます。

 

_K1A0963 _K1A0966EXモデル ホワイトベースには、カタパルトデッキ以外にも内部を楽しめるバリューが存在します。エンジンユニットもその一部。赤い外装パーツを外すとエンジンを見ることができます。この時、エンジンノズルも同じ黒鉄色で塗装すると統一感が生まれます。この部分は黒鉄色で塗装後、黒や茶系でスミ入れを行うと良いでしょう。

 

_K1A0972エンジンブロックを組み上げたところ。カタパルトデッキと対になる構造で、どちらも左右2つずつ製作します。

 

20170417164929KDF0024 20170417164929KDF0025基本塗装が終わって、組み上げ作業が完了した状態。

部分塗装とスミ入れをしたことで、仮組みを行った状態とは別物の仕上がりとなっています。ホワイトベースをはじめペガサス級の強襲揚陸艦は各部ユニットごとに組み上げ、最後に中央船体に各ユニットを取り付ける構造で、模型の組み立て手順としても合理的で、ワクワクできる構造になっています。

 

さて、ここで終了しても良いのですが、もうひと手間加えて、模型に“味付け”をしてみましょう。ホワイトベースは水平・垂直方向に律義なスジ彫りが彫り込まれているので、海外SF映画のプロップに見られるような「パネルシェーディング」を施してみようと思います。

 

20170417164929KDF0026 20170417164929KDF0027まずはスジ彫りに沿って、マスキングテープを貼り込みます。

 

20170417164929KDF0028ここでは、「ボカシ筆」を使ってウェザリングを加えていきます。写真の筆は少々高価な「熊野筆」といい、繊細なボカシ効果を簡単に作ることができます。

 

20170417164929KDF0031ダークグレーやブラックのアイシャドーを「ボカシ筆」に取り、マスキングした周辺に“ほんのり”色を乗せていきます。

 

20170417164929KDF0032 20170417164929KDF0033 20170417164929KDF0034作業後マスキングテープを剥がすと、スジ彫りを境に急激なシャドーが現れ、その後グラデーション状に徐々に基本塗装の白になっていきます。この急激なシャドーを作るのがマスキングテープで、グラデーションによるボカシを作るのが「ボカシ筆」です。

 

20170417164929KDF0035 20170417164929KDF0036 20170417164929KDF0037同じ作業をパネルラインごとに、色の濃さ・方向を変えながら数回繰り返します。さらにエッジ部分などにも通常のシャドーを加えていきます。これにより、重量感に加え、清潔感のあるウェザリングを加えられます。

 

_J9A2051 _J9A2054黒立ち上げのようなグラデーション効果と「パネルシェーディング」によるウェザリングが加わりました。安価な「ボカシ筆」でも十分に効果が出せますので、使ったことのない人は、まずは安価なものから試してみてください。

 

ここで終わっても良いのですが、もうワンポイント手を入れてみましょう。

 

「サビ垂れ」を加えてみます。

_J9A2089 _J9A2092 _J9A2100エナメル塗料や油彩塗料のライトブラウンを面相筆で縦方向に書き込みます。半乾き状態になったら、専用溶剤で周囲をボカしていけばよい雰囲気に仕上がります。サビが垂れそうな箇所を考えて書き込んでいきましょう。

 

 

完成!

ホワイトベースはア・バオア・クーにて沈むまで、短期間ですが宇宙・砂漠・都市・海上とあらゆる場所で使用され、激戦を繰り広げてきた艦なので、少々派手に汚しても良いと思います。

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_M5A4619メガ粒子砲は前期型の横2連タイプと、後期型の縦2連タイプの2種類が用意されています。

 

_M5A4618エンジンブロックは外装パーツを取り外すと、エンジンが見られます。

 

_M5A4620ブリッジ正面の主砲と、対空機銃座もパーツの差し替えで再現されています。

 

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_M5A4625カタパルトデッキのハッチは、差し替えによりオープン状態を再現可能。外装パーツを外すとカタパルトデッキを見ることができます。製作例は『機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙』版としてガンキャノン2機とコアブースター2機で製作。他にも中央格納庫、後部デッキの内部も再現され、ガンペリー・Gファイター・ガンタンクも付属しています。

 

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_M5A4617主砲・メガ粒子砲・対空銃座を展開した戦闘状態。各兵装が格納されて平時は美しい艦影になるのがペガサス級強襲揚陸艦の特徴。

 

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EXモデル ホワイトベースを用いて艦船モデルの製作法をお送りしましたがいかがでしたか? 通常のガンプラとはパーツ構成やディテーリングも異なるキットですが、ガンプラ慣れした人でも新鮮な気持ちで楽しめるシリーズなので、ぜひトライしてみてください。

 

 

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