素組みでガンプラ!朽ちた機体を演出するサビなどの塗装表現【後編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回は「ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃隊セット」を使用して、ボロボロに朽ち果てた感じを出す塗装表現を解説していきます。

 

※バックナンバーもあわせてご覧ください。

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これはAKインタラクティヴの「ラストストレーキ」で、サビ流れを表現する塗料です。

 

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サビ以外にも雨などでできた汚れが作り出す「縦スジ汚れ」を描き込みます。装甲の継ぎ目や表面のディテールなどをきっかけにして、細い縦スジをランダムに描きましょう。塗料が半乾燥状態のうちに溶剤を使って、縦スジの両側をボカすように溶かしていきます。

 

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先ほど描いた縦スジの周辺に、「ラストオレンジ」を使い、色味に変化を加えます。縦スジの周囲などに変化を付けるために少量だけ塗っていきましょう。

 

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最後に雨水が溜まりそうな場所に、カビやコケなどの効果を加えます。使うのはAKインタラクティヴの「スライミーグライムライト」。カビやコケなどの表現に使用します。

 

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ザクの基本色と同型色なので効果は薄いですが、アクセントを加えるにはいい色です。ただしザクは水陸両用MSではないので、使い方と使う量には注意して少量のみ使用しましょう。

 

42頭部のウェザリングが終了したら、展示ベースも兼ねた首周りのパーツも汚しておきましょう。

 

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ここでは使用するマテリアルを変えて、ピグメントを使って汚してみましょう。今回使用したのは、GSIクレオスのウェザリングパステル「ダークブラウン」と「ラストオレンジ」です。

 

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この2色を塗料皿に移し、アクリル塗料用うすめ液を混ぜて使用します。ピグメント(パステル)を使用するときは、数色を混ぜて使うとよりリアリティがアップ。

 

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うすめ液で溶かしたピグメントを、筆を使ってコーナー部分を中心に流していきます。単色のみの使用ではわざとらしい感じになってしまうので注意しましょう。

 

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流した塗料が乾燥する前に、今度は「ラストオレンジ」をコーナーの頂点部分などに少量だけ置きます。乾燥中にムラを作りながら定着するので自然な雰囲気に仕上がります。

 

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完全に乾燥すると若干色味が変化しますが、混色したことやあとから加えた「ラストオレンジ」がムラを作ったことでちょうどよい感じに定着。同じ要領で頭部の内部フレームにも同じウェザリングを施しておきます。

 

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完全に乾燥してピグメントが定着したら、余分に感じる部分を乾いた綿棒で拭き取ります。このときうすめ液は使わないので気を付けてください。きちんと定着しているので、完全に拭き取ることはできません。どちらかといえば、効果が強すぎると感じた箇所の調整です。

 

 

完成!

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これで完成です。首の関節がヌケ、頭を傾けているようにしてクラッシュ感を出しています。動力パイプは途中で切れて垂れ下がっているようなシチュエーションに。ここまでの塗装表現は単品製作ではなく、ジオラマなどの製作時に使うものですが、せっかくの1/35スケールということもあり、1/100や1/144では通常表現しないウェザリングをしてみました。

 

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モノアイシールドは割って内部を見せることも考えたのですが、放置された廃車のイメージに仕上げたかったので砂塵や埃などで汚れ、内部のモノアイが見えない状態にして無表情が醸し出す悲しさを演出。この状態になるまでには1年戦争の期間内では不可能で、ランバ・ラル隊を製作して一緒に展示しなかったのはこのためでした。

 

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このような塗装をする場合は、とにかく現物の観察が大切。一般車両と軍用車両では使用している塗料やその塗装方法も異なるので、廃車を参考にする場合は違いを調べて作品に盛り込んでも楽しいのではないでしょうか。なおこのザクヘッド、今はデスクトップ作品になっていますが、いつかジオラマに利用して再登場させたいと考えています。ではまた。

 

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