鏡のようなメッキ感!他を圧倒する輝きを放つ話題の塗料「ハイパークロームAg」を試してみた!
2017年9月29日~10月1日開催の「2017 第57回 全日本模型ホビーショー」で話題となった塗料「ハイパークロームAg」を電ホビ編集者が試してみました! 実際の塗り方や注意点なども解説していますので、ぜひご覧ください!
ハイパークロームAgってなに?
車の板金やカスタマイズ、車検や整備、塗料開発などをこなす株式会社シグナルSHOW UP事業部が開発した塗料です。今までのメッキ塗料はアルミ粒子でしたが、「ハイパークロームAg」には銀粒子が使われているので曇らず鏡のような輝きが出せる塗料となっています。もともと車の塗装用として180g~1kgの大型ボトルのみ販売されていましたが、2017年10月にホビー用として15gのマイクロボトルが登場しました!
さっそく試してみよう!
さて、メーカーさんからサンプルをいただいたので試していきましょう! まずはパッケージから。一見少ないように見えますが、15gでA4用紙1枚ぶん塗れる仕様となっています。
ボトルを開けると、フタにハケが付いています。わざわざ筆を用意しなくても直接塗れますね。
塗料は銀色ではなく黒緑色の液体となっており、本当に銀になるのか?と不安に駆られます。しかし、ハケを10秒くらい放置すると段々と銀色に変化していくではありませんか! この状態でも見事なメッキとなっていますね。
では、フタのハケを使って試してみましょう。メーカーさんから「ツルツルの下地に塗ってみてください」といわれたので、プラスチックスプーンに塗ってみました。
塗ってみると、2秒程度で黒緑色から銀色にみるみる変化していきます。1回塗っただけでは不十分ですので3回ほど重ね塗りをします。
こちらが3回目。ただ塗っただけでもキレイな鏡面に仕上がります。普通の塗料でこの鏡面を再現するには相当な時間とテクニックが必要となります。
エアブラシで塗ってみる
プラモ用の塗料をエアブラシで塗る場合、薄め液などで希釈する必要がありますが、本塗料はその必要がないので直接カップに入れてOKです。
ちなみに、カップの底に汚れや、前に塗った塗料が残っていると銀粒子が塗装面に付着しないので、しっかり掃除することをオススメします。下写真は、掃除を怠り、塗料カスが付いている状態で塗ってしまった結果です。
エアブラシで塗る際の注意点としては、塗装面から10センチ程度離して吹くこと。そして、先の試し塗りのときと同じように黒緑色から銀色に変わってから重ねて塗りましょう。また、エアブラシの場合、一気に塗れるので一度塗ったら、5分間乾かして2度目に入ってください。さらに、5分乾かしてもう一度塗り計3回重ね塗りをしましょう。
塗り終わった後は絶対に塗装面を触らないでください。塗装面に銀粒子がのっているだけなので、触れた箇所が剥げてしまいます。
ハイパークロームAgを塗ったらクリアーコートをしよう!
本塗料を塗り、1日乾燥させた後は必ず専用クリアーを塗りましょう。同社からハイパークロームAg専用のクリアーマイボトルセットがあるので、これを使っていきます。
クリアー溶剤と硬化剤とシンナーの3点セット。まずクリアー溶剤2:硬化剤1の割合で混ぜ、次にシンナーを30%を混ぜます。適当に配合すると仕上がりに影響するので、しっかり計量したほうが無難です。
今回はクリア溶剤を6グラム入れます(3グラムを「1」としています)。
次に、硬化剤を3グラム入れ計9グラム。後は9グラムの30%分となる、2.7グラムのシンナーを入れて混ぜれば、クリアーコート溶剤の完成です。
クリアコート溶剤の塗り方にも注意点があります。まず、塗装面から20センチ程度離して薄く塗ること。塗った後、5分乾燥させて、さらに同じ距離で薄く塗ります。薄く2度塗ったら、1日以上乾燥させてから本塗りを行います。
最初から近づけて厚く塗ってしまうとクリアーコート溶剤が銀粒子に悪影響を与えてしまい、下写真のように所々青くなり、表面も曇ってしまいます。ちなみに、「ハイパークロームAg」を1日乾燥させずに、クリアーコート溶剤を塗っても同じ現象が起こります。
本塗りのときは塗装面から10センチくらい離して、まんべんなく塗ります。塗り終わったら5~10分くらい乾かして、再度同じように塗って終了です。下写真のように撮影しているカメラマンが映るくらいピカピカになりますよ!
他社メーカーとの相性を確かめる
今回のレビューはここまで!っと締めたいところですが、プラモを作る人たちにとって疑問点が残るところでしょう。その疑問というのは、“他社メーカーとの相性はどうなのか!”ということ。ここからは編集者が普段使用している塗料を使っての実験結果となります。
下地はどんなのがいいのか?
まずは、下地から。私の場合、ゲート処理や合わせ目、表面処理を行った後サーフェイサー(ガイアノーツ GS-03 サーフェイサー エヴォ ブラック 50ml)を塗るので、この上から試しにハイパークロームAgを塗ってみます。結果はご覧の通りで完全に銀粒子がのらず、輝きません。
次にサーフェイサーの上にクリア(ガイアノーツ クリアカラー 007 クリアー15ml)を塗った場合(写真1枚目)。一見表面はツルツルなので大丈夫かと思いきや、結局中途半端に銀色っぽくなりました(写真2枚目)。
次にサーフェイサーを塗らず、塗装面をヤスリ(800番⇒1200番⇒2000番の順)で整えて凹凸を減らしてみました。銀色っぽくはなりましたが鏡面になりません。
続けて、サーフェイサーを「ガイアノーツ GS-01 サーフェイサー エヴォ 50ml」に変更し、さらに「GSIクレオス Mr.スーパークリアー スプレー 光沢」を塗ってみました。これは、意外と塗料のノリがよかったのですが、完全な鏡面には仕上がりませんでした。
さて、いろいろと試してはみましたが、他社メーカーとの相性は悪く、良い結果となりませんでした。なお、公式では下地にベースカラーブラックという塗料が推奨されています。下地のツヤもメッキに影響するので注意が必要ですね。
仕上げのクリアコートは他社メーカーでも大丈夫なのか?
専用のクリアー溶剤以外にも相性が合うか試してみました。ここでは「HG 1/144 ガンダムエクシア」の武装(GNソード、GNブレイド(ロング/ショート))に「ハイパークロームAg」を塗りガイアノーツ クリアカラー 007 クリアー15mlを塗ってみました。結果は下写真の通りで、所々青くなり、輝きも半減し曇ってしまいます。
また、細かい箇所を青色にしてみたかったのでガイアノーツ 044 クリアーブルーで塗ってみましたが、「ハイパークロームAg」の銀部分がひび割れてしまいました。GNソードは薄めに塗ったのでそこまで酷くはありませんが、シールド部分は濃い目に塗ってあるので表面に大きなひびが入っています。
ちなみに、ちゃんと下地を整え、同社の専用クリアーとカラー塗料で塗ると下写真のようにキレイなメッキになります。
(写真提供:株式会社シグナルSHOW UP事業部)
いろいろと試してはみましたが、やはり同社の塗料でないと塗料の真価を発揮できず残念なことになりますね。ネットで調べても本塗料をプラモに使って解説しているところが少なかったので、この記事を参考にしてもらえれば幸いです。ぜひ、「ハイパークロームAg」を使ってお気に入りのプラモをカッコよく塗ってみてはいかがでしょうか!
ここまでレビューをお届けしてきた「ハイパークロームAg」ですが、アンケートにお答えいただいた方の中から本アイテムとクリアーマイボトルセットをセットにして抽選で1名様にプレゼント! 下記の応募フォームページよりふるってご応募ください!!
※このアイテムのプレゼント番号は「3」です。
※応募締め切りは2018年1月31日(水)24時までです。
※応募要項の詳細は「プレゼント応募フォーム」でご確認ください。
DATA
ハイパークロームAgマイクロボトル
- 塗料
- 容量:15g
- 発売元:株式会社シグナルSHOW UP事業部
- 価格:2,800(税抜)
- 発売中
ハイパークロームAg 専用クリアーマイボトルセット
- 塗料
- セット内容:クリアー(180g)・硬化剤(90g)・シンナー(50g)
- 発売元:株式会社シグナルSHOW UP事業部
- 価格:2,800(税抜)
- 発売中
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