素組みでガンプラ!ミキシングビルドのすすめ 初級【後編】
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
今回は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』MSDの「ザク・ハーフキャノン」の色味について考えていきましょう。
※バックナンバーもあわせてご覧ください。
ミキシングビルドでザク・マインレイヤーを製作するにあたり、サンドカラーのザク・ハーフキャノンを選んだのには理由があります。本コーナーではエアブラシなどは使わずに、できるだけお手軽に製作するのが目的なので、ひと工夫して作っていきましょう。まずはつや消しを全体にスプレーし、模型表面をザラザラな状態に。
ザク・マインレイヤーといえば、大河原氏のイラストにあるようなカーキグリーン色のザクをイメージする人が多いでしょう。とくに僕のようなリアルタイム世代にとっては、あのカーキグリーンの色こそがザク・マインレイヤーの特徴の1つ。宇宙用の「C型/C-5型」ザクに取り付ければ設定的にはちょうどいいのですが、やはり緑が濃すぎて、カーキグリーンとは程遠い感じがしてしまいます。
というわけで、フィルタリングでザク本体の色味を変化させてみます。目指すはもちろんあのカーキグリーンです。まずは盾の裏側の目立たない場所で実験。ザク・ハーフキャノンにはMr.ウェザリングカラーの「フェイスグリーン」。「C型/C-5型」には同じく「ステインブラウン」でフィルタリングしてみます。が、どちらもイメージが違います。緑が強いですが、「ザク・ハーフキャノン」のサンドカラーのほうがイメージ的には近くなりそうな予感が。
ですので、今回は「フェイスグリーン」60%に、「ステインブラウン」40%で混色し、オリーブグリーンのような色を作ります。
これをサンドカラーのザク・ハーフキャノンに塗っていきます。第1の方法は平筆で丁寧に塗りましょう。このときホコリがつかないように注意。つや消しでザラザラになった表面に塗料が滲むように、染み込むように塗っていきます。
第2の方法はウォッシングのように大胆に塗り、あまり時間を開けずティッシュで塗料を拭き取る方法。このとき溶剤は使わず、カラ拭きで塗料を落としていきます。どちらの方法も塗るというよりは模型を染めるという感覚に近いものです。
サンドカラーの成形色にフィルタリングしたことで、カーキグリーンに染めあがりました。胴体などの一段濃い部分も同じ色をフィルタリングしたことで、ブラウンからダークグリーンに色味がシフトしました。
ザク・マインレイヤーのイメージに近いカーキグリーンの色になりましたね。フィルタリング1コートで効果が薄い(色味が薄い)ときは、24時間以上完全乾燥させて再度フィルタリングをしたり、もう一度つや消しスプレーをコートして保護膜を作った上から再度フィルタリングをすれば、色味の濃さの調整も可能。あくまでフィルタリングなので少々色ムラも出ますが、それもいい雰囲気になります。
付属のシールを貼って、つや消しスプレーを吹いた状態。カーキグリーンの本体色と、赤いラインのシールの相性もよく、やはりザク・ハーフキャノンを選択して正解です。
ザク本体の塗料が乾いたら機雷散布ポッドを取り付けます。動力パイプも新造したので、違和感なく取り付けることが可能。
最後に頭部を取り付け、頭部右側の動力パイプを機雷散布ポッドに接続して完成です。
完成!
旧キットのパーツを取り付け、動力パイプやバーニアをアップデートするだけで、HGシリーズでは発売されていないザク・マインレイヤーを手に入れることができます。ミキシングビルドとしては初級レベルの工作なので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください。近日中に中級レベルのミキシングビルドも紹介します。しかしその前に、今回簡単に紹介した「フィルタリングによる色味の変更」をもう少し掘り下げて、この方法による色味変化の限界にまでチャレンジしてみたいと思いますのでお楽しみに。では。
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