ガンプラ「MG ガンダムアストレイレッドフレーム」の素体を活かしつつディテールアップ!書籍「ガンダムホビーライフ011」表紙作例(再掲載)

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製作・文●NAOKI/編集●電撃ホビー編集部

2018年3月30日(金)にいよいよ書籍「ガンダムホビーライフ012」が発売! 最新号は可変機特集となっています。最新号が発売間近ということで、これまで「GHL」の表紙を飾ってきた珠玉のガンプラ作例をご紹介! 今回紹介するのは、「MG ガンダムアストレイレッドフレーム」です。

 

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MBF-P02ガンダムアストレイレッドフレーム

※初出:ガンダムホビーライフ011号/記事内容は雑誌発売当時のものです。

さて今回は、「マイ・ベスト・オブ・MG」ということで、お声がけさせていただいたモデラーさん各々が思い入れなどを含めてベストだと思われるキットを使用して作例を製作してもらいました。技術的なベスト/プロポーション的なベスト/売上的なベスト(笑)と、客観的に順位を決めるとしたら今回取り上げた以外のキットもいろいろあると思うのですが、それはこの企画が意図するところではありませんし、そもそもそれを相対的に決めることにあまり意味を見出せませんので、あくまで各々の「マイベスト」だということをご理解ください。

 

という前置きをしたところで、自分が選んだキットは「MG アストレイレッドフレーム」。キットのチョイスとしてはちょっと変化球になってしまうのですが、一般販売された「改」ではなく、プレミアムバンダイで発売されたノーマルのレッドフレームです。『機動戦士ガンダムSEED』という新タイトルが発表された当時、ほぼ時を同じくして模型媒体で発表されたこの外伝主人公機体は、誤解を怖れずにいうならば「立体映えを前提に生み出された機体」だと思うのです。ゆえに、自分としては本編で活躍する機体以上にモデラー心をくすぐられる機体であり、そのキットなのです。

 

『ガンダム』というタイトルが課せられている以上、よくも悪くもマーチャンと強く結びついており、プラモデルをはじめとする立体アイテムが商品として発売されることが織り込み済みであるものの、そもそもの目的はもちろん本編であるアニメ作品であり、デザインされる際にも多かれ少なかれ作画の負担などを考慮されたうえで作られています。そして商品はその設定画であったり劇中のイメージをトレースしてアウトプットされるわけですが、このレッドフレームはその生み出された目的が違うために同じ世界観にありながら異彩を放ち、その異彩がモデラー心を惹きつけてやまないのです。

 

そういった使命を持って生み出された機体なので、キットが「カッコいい」のは当然であり、外伝機体でありながら本編番組スタートと同時に発売されたスタンダードシリーズ、1/100、PGと、どれをとってもどのグレードなりのカッコよさでしっかりその使命を果たしていました。しばらく時間を置いて満を持して発売されたMGも再現度、作りやすさ、スケールならではのアレンジなど、これまで自身が高めたハードルを楽々とクリアーする完成度でした。今回作例のために久々に組みましたが、お世辞抜きに最新のキットと比べても遜色のないできだと思います。

 

そんなわけで主に模型ユーザー人気に支えられ、外伝機体であるにも関わらず、さらに本編に動きがみられない現在においても新たなバリエーションが生み出されているアストレイシリーズですが、そんな数あるバリエーションのなかから自分が選んだのはノーマル状態のレッドフレーム。余計なものをなにも足さないネイキッド感がたまらなく好きです。逆にいえばこのプレーンな状態でのデザインの強度があるからこそ、後年いろいろなものを付け足したバリエーション群もブレないカッコよさがあると思うのです。

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えーと、作例とはズレた方向で熱く語ってしましましたが(それが本企画の趣旨でもあるのですが笑)、今回の作例の模型的なテーマは「過剰な線の多さの上にさらに情報を盛り込むこと」です。

 

それはディテールだけでなく色わけやデカールも含めてなのですが、なにごとにも塩梅は大事なわけで。足し算にせよ引き算にせよ、過剰になりすぎると元デザインを壊してしまう結果になりかねません(もちろんあえてやりすぎて壊すという表現方法もあるのですが)。

 

例えば、お台場にあった実物大ガンダム立像やRGシリーズなどに見られる、同色内のパネルラインごとの色わけ、情報量を増やすには比較的容易かつ効果的で近年多く見受けられる手法ですが、せっかく塗りわけるんだからよりわかりやすい色差で! とばかりに濃淡をつけすぎると、意図せず元々の面構成や流れを壊してしまい、「ツギハギ感」が強く出てしまった経験はないでしょうか? 面積や部分にもよりますが、あまりに濃淡をつけすぎると1色の「色」としての主張が強くなりすぎ、1つの面、1つのブロックとしてとらえられなくなるわけですね。

 

ディテールやマーキングも同様だと思うのですが「邪魔をしない主張」(変な言葉ですが笑)の塩梅というのはロジックで語りきれるものでもないので、とにかく手を動かしたり現実にあるものを観察したり他者の作品を見ることで経験値を蓄えていくのが大事だと思います。

 

とはいえ正解があるわけでもなく、結局のところ自分が気持ちいい落としどころが見つかればそれでOKだとも思います。今回はあくまで元デザインを尊重したうえで「邪魔をしない過剰さ」を目指しています。具体的には、ある程度模型を離れて見たときにちゃんと元デザインとして見える密度感やバランス塗りわけやウェザリングです。

 

ディテールを足していくのはもちろん情報量の演出なのですが、スケールなりの厚さ(薄さ)の表現も情報量の演出の1つです。せっかく繊細なスジ彫りを引いてもこの辺がおざなりになると「ただただそれっぽいディテールを足した」模型になってしまうので、たとえば1/100であれば「この厚さは100倍にしたらこんな厚さ」みたいなことを考えながら手を入れてみましょう。もちろん模型としてのディフォルメ(強調)表現は必要だと思うのですが、このあたりを理解したうえでのディフォルメなのか否かというのは違和感として見る側に伝わります(笑)。

 

あ、最後に。デカールはプロデュースブランド「NAZCA」の新製品、「System Marking N1s」をメインに使用しています。繊細なサイズが特徴で今回1/100に使用していますが、1/144にも対応可能なサイズ感ですよ。と、宣伝で締めさせていただきました(笑)。ではまた次号!

※初出:ガンダムホビーライフ011号/記事内容は雑誌発売当時のものです。

 

DATA

MG ガンダムアストレイレッドフレーム

  • プラモデル
  • 1/100スケール
  • 発売元:バンダイ
  • 価格:4,860円(税込)
  • 発売中

※本アイテムはプレミアムバンダイの商品です。現在予約受付は終了しています。

 

 

「GHL011」の特集は、「モデラーが選ぶMyBest MG」。NAOKI氏のアストレイレッドフレームを表紙に、MAX渡辺氏のグフVer.2.0、鳥山とりを氏のドムなど、腕利きモデラーたちの思い出のMGが並びます。 電子書籍版もあるので、ぜひチェックしてくださいね。

 

>>ブックウォーカー電子書籍「ガンダムホビーライフ011」ページ

 

また、最新号の「ガンダムホビーライフ012」も絶賛予約受付中! Zガンダム、バウ、メッサーラなど人気の可変MSが巻頭特集を飾っています。そのほか、MAX渡辺氏&鳥山とりを氏の師弟対決など見どころ満載の1冊となっているのでお見逃しなく!

 

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