素組みでガンプラ!フィルタリングを応用した色味の変更【前編】

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

今回は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版「ザクIIC型/C-5型」と『THE ORIGIN』MSDの「ザクハーフキャノン」、さらにHGUC「MS-06R-1A シンマツナガ専用ザクII 」を使用し、フィルタリングによる色変化をお送りします。

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本来フィルタリングとはエナメル系塗料を使い、うっすらと色調を変化させウェザリング効果を加えたり、複数色使用した迷彩塗装などの色味の統一感を持たせるために行う技法。今回はもっと大胆に色味を変化させ、色味そのものを変化させることにチャレンジしてみましょう。

 

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まずはキットにつや消しスプレーを吹き、エナメル塗料が滲みやすいザラザラの表面を作っておきます。その後「ザクハーフキャノン」のダークイエローの成形色にはMr.ウェザリングカラー「フェイスグリーン」を用いオリーブドラブ調に。

 

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「ザクIIC型/C-5型」のグリーンの成形色には、同じくMr.ウエザリングカラー「ステインブラウン」を用いカーキグリーンに色味を変化させてみたいと思います。シールドの裏側などあまり目立たない場所で実験を。パーツの裏側でも構いませんが、スジ彫りやはっきりした凹凸がある箇所のほうがきちんと色変化の効果を判定できます。

 

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「ザクハーフキャノン」に使用した「フェイスグリーン」では構想したような色味にならなかったので、「フェイスグリーン」に「ステインブラウン」を加えたダークグリーンの塗料を使うことに。これは前回「マインレイヤー」を製作したときと同じ色、同じ混ぜ方です。

 

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先ほど作った塗料をコシの柔らかい平筆に含ませ、一旦キッチンペーパーなどで余分な塗料を落とします。この工程を踏むのは、筆に含ませた塗料が多すぎるとムラになりやすいことと、筆全体に均一に塗料を含ませるため。

 

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その後、一方向に一気に筆を動かし塗ります。ゆっくり筆を動かしたり1カ所に筆を止めたりすると塗料の滲み方にムラができるので、手早く塗っていくのがコツです。

 

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もう1つの方法は通常のウォッシングのように全体の塗料を塗り、ティッシュペーパーなどで拭き取る方法。このときティッシュペーパーには溶剤を含ませず、カラ拭き状態で塗料を拭き取ります。溶剤を含ませると塗料が落ちすぎて、うまく着色できません。

 

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これで終了ですが、パーツのエッジ部分に色濃く塗料が残ってしまうことも。パーツ単体では気になりませんが、写真のように2つ以上のパーツを組んだときに目立ってきます。このような場合はスポンジヤスリなどで、パーツのエッジを軽く撫でてやると解消可能。とはいえ、これはこれでスジ彫り&スミ入れのような効果になっているので、気になる場合のみ処理すればいいでしょう。

 

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脚全体にフィルタリングをした状態を比較してみましょう。ダークイエローの成形色がオリーブ系の色に変化したことがわかります。

 

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次は「ステインブラウン」を使って「ザクIIC型/C-5型」の色味を変えてみましょう。シールドの裏で実験した結果、「ステインブラウン」をそのまま使って大丈夫でした。作業方法は先ほどの「ザクハーフキャノン」と一緒です。

 

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作業が終了した状態と比較すると、全体がカーキグリーンに変化したことがわかります。

 

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「ザクハーフキャノン」、「ザクIIC型/C-5型」ともに、ボディの色味が濃くなっている部分も、それぞれ「ステインブラウン」、「フェイスグリーン」で塗装。パーツ裏側の着色前と比べると、それぞれ色味が変化したことが確認できると思います。

 

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成形色のままの右腕と左脚と、着色し色味を変化させた左腕と右脚を、着色したボディに取り付けて組み上げました。このように着色前と着色後のものを実際に組み上げ撮影すると、カメラや照明の条件が同じなので色味の違いがはっきりしてきます。

 

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その後、全身を着色した状態。サンドカラ―の「ザクハーフキャノン」の印象はガラリと変わり、「ザクIIC型/C-5型」のほうはカーキグリーンに変化したことによって、リアルタイプ・ザクのような色味になりました。

 

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エナメル塗料は完全乾燥までに時間がかかるので、各パーツの組み上げ作業を行うには、最低でも24時間くらいは放置するようにしましょう。乾燥前にうかつに触ってしまうと、指が触れた箇所やエッジ部分の色が落ちてしまうので注意。

 

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完全乾燥後であれば、上からさらにエナメル系塗料でウェザリングをすることも可能。また、エッジ部分などを先端の尖ったもので削り、チッッピングのような効果を出すこともできます。

 

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Mr.メラミンスティック つや消し仕上用などを使って各部のエッジ部分などを擦ると、ドライブラシでエッジにハイライトを入れたような効果を作れます。

 

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これで完成です。「ザクハーフキャノン」には通常型のバックパックは付属していないので、『THE ORIGIN』版のザクIやザクIIの製作時に余ったパーツを使って仕上げています。缶スプレーや筆塗りでフル塗装しなくても、同系色であればフィルタリングのテクニックで色味を変化させることが可能。次回はこの方法で何処まで色味の変化が可能かを試してみます。僕にとっても初のチャレンジでしたが、なかなか面白い効果が得られましたのでご期待ください。

 

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