素組みでガンプラ!フェネクス(ナラティブVer.)を缶スプレーで塗装する~金塗装・初級~【前編】
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
今回は、先日発売されたばかりの『機動戦士ガンダムNT』のガンプラ「HG ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(デストロイモード)(ナラティブVer.)」を使用して、金色の塗装に挑戦してみましょう。
モビルスーツのなかには“金”という特殊な色をした機体が存在。しかし金や銀といったメタリック色は成形色での再現が難しく、さらに塗装する場合も筆塗りでは筆ムラが発生しやすいです。そこで、缶スプレーなどを使用して美しく輝くフェネクスを再現してみましょう。
基本的なパーツ構成は従来のユニコーンガンダム1号機・2号機(バンシィ)と同じで、3号機フェネクスの特徴は、巨大なアームドアーマーDEを背部に2基装備している点。フェネクス特有の金色を再現するためゴールドメタリックで成形されています。
ナラティブVer.で新規に追加されたのはこのランナー。アームドアーマーDEの下側に取り付けるスタビライザーパーツで、今回新規にデザインされた箇所です。鳥の羽根飾りのように伸びたスタビライザーは可動し、取り付け基部もボールジョイントによって動きます。
アームドアーマーDEは専用のパーツで2基を接続し、バックパックに装着するシステムです。
このアームドアーマーDE2基をバックパックに背負うことで、フェネクス独自の美しいシルエットを形作っています。羽鱗のようなスタビライザーと3枚羽根のアンテナ、ゴールドの機体色が不死鳥のイメージを見事に再現しています。
その不死鳥をイメージした3枚羽根のアンテナには、安全対策として“安全基準フラッグ”という突起物が付いています。ユーザーの安全確保のため、HGシリーズのガンプラではお馴染みのアレンジです。
この安全基準フラッグをカットするだけで、シャープなアンテナに仕上げることができます。ニッパーで突起部をカットしたあと、ヤスリで削り平らに仕上げればOK。
通常のガンダムタイプのアンテナなら左右2カ所作業を行えば終了ですが、フェネクスは片側3枚・左右で6カ所の安全基準フラッグが存在するので、1カ所ずつ丁寧に作業しましょう。
メタリックゴールドで成形されていてもゲートやパーティングラインが存在するのがプラモデルです。通常の成形色のプラモデルと同じように丁寧に削って処理しましょう。
パーティングラインやゲート跡はヤスリで削ってパーツ表面を平たんにすることで消せます。ホワイトやピンク、薄いブルーなど淡い成形色のキットであれば塗装しなくてもかなり目立たなくすることが可能。しかし濃い成形色のパーツの場合、パーツ表面はなめらかになっていてもゲートが見えてしまうことがあります。とくにメタリック系の成形色の場合、成形後もかなりの確率で見えてしまいます。
その理由は“ウェルドライン”が関係しています。“ウェルドライン”とはプラモデルなどを射出成形する際に、複数カ所から流入したプラスチック樹脂が合流した部分に出来る線のこと。通常色ではこの樹脂の合流部分はほとんど見えませんが、メタリック系の成形品の場合、樹脂に混入されたメタリック粒子のため、この合流部分が見えやすくなってしまいます。矢印で示したのがその部分です。
これはメタリック系キットの宿命といえるでしょう。もともとプラモデルのパーツの合わせ目、ゲート跡、パーティングラインは成形後に塗装することで(塗料で覆い隠すことで)完全に見えないようにします。そこで今回は上記の画像のように、より美しく輝くフェネクスに仕上げるために金の塗装にチャレンジしてみましょう。次回は金の塗装法を解説します。
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