素組みでガンプラ!初心者でもできる「フィギュアライズメカニクス ハロ」の攻略法【前編】
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
今回は番外編として、初心者でもできる「Figure-rise Mechanics ハロ」の攻略法を紹介します。
今回は組み立て方について解説。2018年末に発売され人気を博している「Figure-rise Mechanics ハロ」は、可愛らしいデザインのため、模型経験のない人も購入しているようです。ヘヴィな模型ユーザー以外にも役立つように、今回は基本的な模型製作やモビルスーツとは異なる製作上の注意点を説明するとともに、このキットのプレイバリューを紹介します。
まずはAランナー。BANDAI SPIRITSのプラモデルではスタンダードとも言える、多色成形で構成されています。この細かな色分け成形のおかげで、塗装を行わずとも劇中どおりの配色で完成させることが可能に。
CランナーとDランナーはメタリックで成形されています。それぞれ色味が異なっており、Aランナーのメタリックパーツと組み合わせることで、本キットのために大河原邦男氏によって描き起こされた内部メカを再現することが可能。
こちらはハロの外部装甲パーツが並んだBランナー。基本的には1ランナーでハロ1体分のパーツが揃っていますが、嬉しいバリューとしてクリアー樹脂を用いた同じパーツが付属しています。このクリアーの外装パーツを使えば、完成後もハロの内部メカを楽しめる親切設計。
まずはパーツの切り離し。ランナーとパーツを繋いでいる<ゲート>と呼ばれる部分をニッパーでカットします。ランナーとパーツの接合部付近は入り組んでいるため、パーツギリギリの位置でカットするとパーツを傷つけたり、ゲートのカット痕が汚くなってしまう可能性があります。ゲートを少し残すように、パーツから少し離れた位置でカットしましょう。
その後、少し残っているゲートを再度ニッパーで慎重にカット。2回に分けてゲートカットを行うことで、ゲート跡をより綺麗に仕上げられます。これを模型用語で「二度切り」と言います。
プラモデルは立体物のため、パーツの形状やランナーのパーツ配置によってはニッパーの刃が届きにくい箇所があります。写真のように入り組んで配置されているパーツは正面方向からアプローチせずに、ランナーを裏返し、裏側からニッパーを入れカットしましょう。
これはウェーブから発売されている「ヤスリスティック」というツール。平板状のベースに耐水性の紙ヤスリを貼りつけてあり、ゲート跡やパーティングラインを削って処理できます。「ヤスリスティック」には400番~1200番までヤスリ目の異なる種類が存在。400番が一番粗く、番号が大きくなるほどヤスリ目が細かくなります。さらにベース面の硬さが異なるソフトタイプとハードタイプの2種類が存在し、パーツの形状によって使い分けられます。
ニッパーでカットしたままでは切り口がデコボコしているので、この「ヤスリスティック」のハード・600番を使って先ほどカットしたゲート跡を削っていきます。削り痕をより滑らかにしたい場合は、このあと800番→1000番とヤスリ目を細かくして削れば、滑らかに仕上げられます。
これはハロの手足に使うパーツ。円筒形のパーツを複数組み合わせて特徴的な手足を再現します。このパーツはゲート跡が平面ではなく、曲面上にあるので「ヤスリスティック」のソフトタイプを使って削っていきます。このような曲面にハードタイプを使用すると、ゲート部分のみに平面が出てしまい美しい曲面にならないので注意しましょう。
これはハロの手足を接続する球体関節のパーツです。模型用語では<ボールジョイント>と呼ばれています。この球体関節は全方向へ可動させられるため、より表情豊かなポージングを可能にするシステム。この球体上部にゲート跡があるので、ここを綺麗に削ります。ゲート跡が残っているとスムーズな可動を妨げることになるのできちんと仕上げるようにしましょう。
この部分のゲート跡はいくら滑らかに仕上げても、メタリック成形のため若干模様が残ります。この模様は方向を揃えて接続すると見栄えがよくなります。些細なことですが、こういった点に注意して組み上げると完成品がより美しくなります。基本的なパーツの切り離しとヤスリがけの方法は以上です。各パーツの切り出しとゲート処理が終わったら、組み立て説明書に沿って内部メカを組み立てましょう。
これは別売りの「発光ユニット(白)2灯式」。BANDAI SPIRITS純正のオプションパーツで、さまざまなプラモデルがこのユニットに対応しており、プラモデルの各部を光らせられます。
裏側に出ている白い物は絶縁パーツです。本商品は購入時からテスト用の電池が入っているため、この絶縁パーツで電池の消耗を防いでいます。使用前にはこの絶縁パーツを引き抜いて通電させてから使用します。
発光ユニットはLED部と本体(バッテリー&スイッチ)の2つから構成されています。まずは本体にLED部を取り付け。接続はコネクターを差し込むだけで終了です。接続が終わったらスイッチをONにして正しく発光するかテストしましょう。
これは目のパーツです。ハロの目を発光させる場合は右側の専用のパーツを用いてLEDを組み込みます。
発光用パーツの側面にスリットがあるので、ここからLEDのケーブルを差し込みます。2本のケーブルを揃えて差し入れればスムーズに組みいれることが可能。
その後、LED先端を90度回転させて、LED先端部をパーツに差し込みます。この作業を左右2個とも行います。
この発光用パーツに取り付けたLEDを目のブロックに裏側から装着します。目のパーツはクリアーレッドで成形されているので、スイッチをONにすると、目が赤く光ります。
LEDから伸びているケーブルを本体に1周巻きつけ、内部メカ本体の正面から差し込みます。その後、目のブロックを装着すれば内部メカが完成。
これで内部メカの完成です。色味の違う3色のメタリックで成形されているので、塗装を行わなくてもメカニカルな内部構造を楽しめます。
次は手のパーツです。本キットで唯一、パーツ同士の合わせ目(継ぎ目)が現れる箇所です。合わせ目はゲートを綺麗に処理してあれば、組み立てたままでも問題ありません。しかしより美しく仕上げたい場合は、合わせ目を消したほうがいいでしょう。その方法を説明します。
まずはパーツを組み合わせます。その際、髪の毛1本分くらいの隙間を空けておき、その隙間に流し込み接着剤を少量流し込みます。そのあとパーツをきちんと閉め込むと、隙間から接着剤(厳密には接着剤と、それにより溶けたプラ材)がはみ出します。この状態で乾燥するまで(半日~丸1日)放置します。
その後、はみ出た部分をヤスリで削るとパーツ同士の合わせ目を消すことができます。この際使用するヤスリは、先ほどのヤスリスティック・ソフトタイプやスポンジヤスリなどを使って、指先の曲面を保つように削りましょう。これで作業完了です。
次回はハロの外部装甲を作って、いよいよ完成です。
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