予約締切直前!「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル EX05 ザンネック」についてメカデザイナー・石垣純哉氏とアストレイズ代表取締役にインタビュー!
「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」は、デフォルメスタイルの可動ガンダムフィギュアに、3mm軸による武装の組み付けと組み換えギミック“重装”を搭載した人気ガシャポンシリーズ。シリーズ最新第5弾には『機動戦士Vガンダム』より、V2ガンダム、ゲドラフが登場。さらにEX弾として、現在はザンネックがプレミアムバンダイで予約受付中です。
今回はこの『Vガンダム』参戦にあたり、シリーズスタートから「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」の開発を担うアストレイズ・新谷学氏と、『Vガンダム』において、ザンネックをはじめ、数々のメカをデザインしたメカデザイナー・石垣純哉氏との対談が実現。特濃の対談をお楽しみください!
心に残るデザイン群、
『Vガンダム』の石垣氏デザインのモビルスーツたち
――普段は「モビルスーツ アンサンブル」をどのように開発されているのでしょうか。
新谷:基本的には、バンダイのK澤さんが楽しい企画を僕に落としてくれて、待ってました! という感じですね。最近はガンダムのマーケットも変化が激しいので、やっぱり担当者さんのアンテナが頼りになります。アイテム選定とキャラクターが見えたら、じゃあこういう方向でいこう!とお話しています。
――目的地はバンダイさんから示されて、その工程をアストレイズさんが模索されているのですね。
新谷:ええ、それで、そろそろその目的地が『Vガンダム』かなと。
石垣:(首をかしげる)
新谷:なぜ当事者が首をかしげるんですか(笑)。
石垣:そんなことをいう人が現れるとは、とても信じられない……。
新谷:『Vガンダム』の機体は「モビルスーツ アンサンブル」の企画に非常に合っていてスタートした直後から、やりたいね、という話はあったんですよ。そのときにザンネックやゲドラフを出したいなという提案はしました。やっぱり『Vガンダム』は敵メカが個性的なので。
石垣:デザインしていた側としては、当時は今と違ってスタジオの人数も少なかったので、少人数でやりがいがありました。最初はモビルスーツを描き慣れていなかったけど、『Vガンダム』では、子供向けというのも意識しました。同じ時期にやっていた『エルドラン』シリーズのやまだたかひろさんに出来上がった設定画を見せに行ったりしましたね。
新谷:やまださんもシルエットで魅せる人ですものね。
石垣:ザンスカールのデザインにあたっては、それまでのOVA路線で「なぜみんな同じデザインなんだろう」という疑問が自分の中にあったのと、番組が子供層の取り込みを狙っていたのとで、シルエットでわかるさまざまなデザインや面白いアイデアを考えていました。後半戦に向けて、戦艦の砲塔に擬態しているMSなんてのも考えたんですが、採用されませんでしたね(笑)。
新谷:ミミックじゃないですか(爆笑)。でも、サンドージュとか、しっかり面白いデザインになっていますよね。
石垣:あれは、最初は普通の作業機械だったんだけど、富野さんのラフそのままになって。『Vガンダム』は子どもに見てもらう作品という大命題があったので、言い方は悪いけど少しふざけているようなデザインが多いんですよ。内容は全然そんなことなかったですが……。
新谷:ザンスカールのメカには、そういった富野さんらしさ、石垣さんらしさを強く感じているので僕は大好きなんです。『ガンダム』のビグ・ザムが好きなら、『Vガンダム』も全然ありじゃないか、と。だからこそ立体としてお客さんに届けたいという思いがあります。富野さんの作品に出てくるロボットは、キャラクターと一体化して、セリフとシーンですごく印象に残るんですよね。だから『Vガンダム』はその印象が「いま、きてるな」っていう感じがあって、内外でも、若い方からお話を聞くことが増えてます。
「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」と
相性のいい『Vガンダム』デザイン
石垣:でも、デザインはちょっとチューニングしたいですね。いま見返すと足が大きくて腰がない、というデザインなので、商品にするには今回の「モビルスーツ アンサンブル」のようにバランス調整が当然必要だと思います。「デザインの方向性は間違いなく間違っていない! だが当時の俺の技術が足りなかった!」という。単純にスマートに、ディテールアップを、というわけではなく、商品に合わせたバランス調整があるといいよね。
新谷:でも、ザンスカールのデザインのバランス、僕は好きですよ。腰がないぶん、足首が高い感じですよね。ゴトラタンは、立体化するならぜひこのバランスでやりたいです。
石垣:ゴトラタンは富野さんからの指示でバックパックが大きいんです。でかいのが好きだというから大きくしたんですけど、僕は大きなバックパックがあまり好きじゃなかったので取り外しができるようにしてみました。
新谷:ゴトラタンはなかなかタイミングがないんですよね。でも、「モビルスーツ アンサンブル」としてはかなり面白そうなんですよ。取り外せる巨大なバックパックもあるし、いろいろなパーツも付けられるし、やりようかなと思っています。
石垣:というか本当に、ザンスカールのMSでいけるの!?
新谷:『Vガンダム』は世代が上がってきたのももちろんですが、いつもVガンダムやV2ガンダムだけがリリースされて終わってしまう、というストレスがあるじゃないですか。ザンスカールのメカが欲しい、という話はどうしてもあります。
石垣:ザンスカールのデザインはジオンと違って、MSV的なデザインを許容しない形になっているんですよね。モビルスーツは万能兵器なので、細分化する必要はない、と思って当時はデザインしていました。商売を全く考えない、若気の至りで作っていたんですけど。ジオンのモビルスーツみたいに本体ごと変えるようなMSVが出てこないのが、いまひとつブレイクしない原因ではなかったかなぁと思ったりもします。でも、いろいろあっていいと思います。
新谷:ゲドラフは大河原さんのデザインですけど、これだってもっと早く商品になってもいい、キャラクターの立ったモビルスーツじゃないですか。そもそもこのアインラッドの立体化が今までなかったというのが大問題ですし。当時の「MSインポケット」の次期ラインナップにはゲドラフが載っていたんですけどね、出ませんでしたね……。
石垣:「MSインポケット」はコンティオがすごいよくできていましたね……。
新谷:わかります。あれは最高のコンティオでした。
「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル EX04 ザンネック」の見どころと魅力
――今回のザンネックはゲンガオゾとならび、風神・雷神のイメージとお聞きしました。
石垣:あれはもともと、富野さんがイメージボードに描いてるんですよ。ゲンガオゾはもうそのまま風神なんですが、でも風神・雷神とそういう指定があったかどうかも覚えていないですね……。ただ、ゲンガオゾは元の部分が大きく残っているけど、ザンネックはほとんど残っていない。実はミニ・カイラスギリーとしての側面が大きいんですね。ミニ・カイラスギリーというオーダーがあって、そこからザンコックという大砲とジェネレーターをつけた、普通の巨大モビルスーツができたんです。それが一度なしになって、発展ではなくザンネックが出てきて。
新谷:確かにザンネックは、ミニ・カイラスギリーですよね。
石垣:カイラスギリーに見えるよう、大砲のザンネックキャノンと肩のジェネレーターが配置されています。本編だと、ここだけ光っててあのネズミっぽいななんて(笑)。
新谷:危ない危ない(笑)。このザンネック・ベースのデザインはどこから?
石垣:その頃はもうエンジェル・ハイロゥのデザインをしていたので、それもイメージにあったのかな……エンジェル・ハイロゥは僕が基本のデザインをして、美術監督の池田さんにお渡ししているんです。たぶんそのつながりで円盤状のものに乗せているか、衛星軌道上から射撃してくるということで演出上の必要で出てきたのか。
新谷:バイク戦艦といい、ユーザーとしては最高の体験でしたけどね。ザンスカールは何もかもがぐるぐる回りながら迫ってくる。
石垣:当時は商品化にも気をつかってデザインし、ザンネックは肩の三日月の展開ギミックも製品にできるような構造をしっかり考えたんですけど、終盤の機体で放映中は商品が出ることもなく……。
新谷:『Gガンダム』以前は終盤の機体はなかなか立体化されなかったですものね。ザンネックは放映後、何度か立体化されていて、実は僕自身商品を担当するのは3度目なんです。ですが、ゲドラフは今さら作れると思わなかったので、本当に感謝ですね。この2体はイラストの修正をひたすらしました。原型に入る手前で、ゲドラフはこうじゃない、ザンネックはこうじゃないって。
――かなり手がかかっているんですね。
新谷:「モビルスーツ アンサンブル」のデザインスケッチは、最近入ったうちの若手が一括してやっているんですが、本当に上手ですよ。最終的に僕が細かくチェックはしていますが。
石垣:ザンネックやゲドラフも、その人が。
新谷:そうです。デザインのその若手は、若いうちからしっかりアイテムをまるまる担当できて、ちょっと羨ましいところもありますね(笑)。で、そこからCAD化していく工程で、僕とバンダイK澤さんの絶え間ないチェックによってイケメン化していくという……。ザンネックに関しては、だいぶ僕の方で勝手に次々とCADに赤を入れて、K澤さんにほとんど事後承諾で形にしていきました。でも、良い立体になっているでしょう?
石垣:いやいや、もうすごいカッチリしたザンネックになっていますね。そもそもザンネックってこんなに大きかったっけ?
新谷:あなたが描いたんでしょう(笑)。ザンネックは難しいかたちをしているんですよね。格好いいんですけど。
――差し替えではありますが、ザンネックは先ほどお話に出た肩の変形も再現しています。
新谷:そうですね。2種のポジションに付け替えられるようになっています。肩はPVCで、可動はしませんが、ここは譲れませんでしたね。
石垣:まぁサイズもありますし、可動まではね。こんなお値段になってしまって、デザインしたものとしては申し訳ない気持ちもありますが、やっぱりザンネック・ベースのせいで。
新谷:はい。生産メーカーさんには笑われました(笑)。昔ザンネックを商品化したときには、ベースが作れなかったのが残念だったんです。やっぱりこれがあってのザンネックですからね。ベースに乗ったザンネックが、粒子加速器を光らせながら飛んでくるイメージがすごい好きで、やはり外せないだろうと。今回はベースがパーツボックスになるオマケギミックもありますので、そのサイズとイメージを楽しんでほしいですね。
石垣:デフォルメされてこれくらいきゅっとしまった方が、デザインの密度的にもいいですね。顔もハンサムだ。
新谷:これは、顔が命ですから。実はザンネックの商品化を過去3度担当した同じ原型担当が、今回はCADマンとして担当しているので、ここもベストメンバーなんです。
石垣:ベースに、エフェクトにと……オプションがいっぱいあるんですね、最近のアイテムは。
新谷:いっぱいオプションが付いているということがすでに価値観なんですよね。「モビルスーツ アンサンブル」はそこも今様です。
▲オプションのひとつ、ザンネック・キャノンは折りたたむことも。「モビルスーツ アンサンブル」の3mm軸で、肩にマウントしたりもできます。こちら、先日の記事で「鎌がモチーフでは」とお伝えしましたが、石垣さんいわく「センサーを肩の上に出すためで、鎌ではない」とのことでした。大変失礼いたしました。
――支援機枠や武器セットがあります。
新谷:第5弾の支援機枠、ゲドラフのタイヤも最初はすごい立体として作り込んでいたんです。銃やミサイル・ランチャーも、もっと大きかったんですがカプセルに入らないと言われちゃいまして……。
石垣:アインラッド、これカプセルに入るんですか!
新谷:入るんですよ! 分割を思いついたときに「俺、天才だ!」と思ったので、ぜひ組んでみてください。
「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」の
コンセプトとデザインの在り様
石垣:「モビルスーツ アンサンブル」の組み換え遊びって、どうなんでしょうか。
新谷:でかいガンダムを作ったり、ザクの脚をそのまま指にしたりして、自由に遊んでもらっています。ユーザが飢えてたんだなという印象はありますね。こういう遊び全開の商品は、やっぱり『ガンダム』では珍しいので、果たして……と思ったんですが、予想以上にお客様がついてきてくださいました。
石垣:もういまは、デザインって素材になってるんですね。アインラッドのタイヤ横のジョイントなんて、ちょっとまたいいアクセントになっているものね。
新谷:機構がいいディテールになるんですよ。「モビルスーツ アンサンブル」のようなシリーズは、冒険だったんです。それが受け入れられて、こうしておかげさまでシリーズが続いています。あと、ガシャポンはやっぱりダブることがあるので、複数あっても遊べるように……というコンセプトもあるんですよ、ダブっても無駄にならない。僕の中では、組み換え遊びが好きな世代がいると思っています。その世代は「モビルスーツ アンサンブル」のようなアイテムを、どんどん遊んでくれる。それは自分の中にない文脈ということもあって、若手にデザインを任せているんです。若いスタッフはちゃんと遊んでいる、遊べるものを作ってくれるので。
石垣:なるほど。究極をいってしまうと、デザインとは何なのか、という命題になりますね。
新谷:ひとつならデザイン単品を楽しめばいい、ダブったら組み換えなどの新しい遊びを楽しめるよという作りですね。結構独特の文化なんですよね。でも、デザインで突出したものがないとそういう遊びは成立しないので、やっぱりデザインは大切なんですよ。
「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」で
石垣メカが大展開する日がくる!?
石垣:ザンスカールのモビルスーツの全商品化を目的にしたいですね(笑)。
新谷:それはもう誰をどこから攻めますか、という(笑)。でも、やりようだと思っているんですよ。ゾロやシャッコーも出ていないし、欲しかった人に欲しかったものが届いてないのかなと思ったりもするんですよね。ザンネックとかは絶対にみんな欲しかったアイテムだと思います。ザンスカールと「モビルスーツ アンサンブル」はサイズ的にも相性が良いんです。わりとディテールが少なくてシルエットで見せるデザインなので。あとやっぱり、揃ってなんぼじゃないですか、ザンスカールメカ。
石垣:ザンスカールだけじゃなく、まだVガンダムもいないですしね。
新谷:今回のV2ガンダムとゲドラフが初めてですからね。初期の頃から組み換え遊びというコンセプトだったので、V2アサルトバスターガンダムは絶対にハマるだろうと早い段階でラインナップに組み込まれました。反響次第では、ほかの機体ももちろんいけます。
石垣:ザンスカールの時代がくるかな?
新谷:頑張ればきますよ! ザンネックが実績を出せばやります。シャッコーは欲しいですよね。ゾロとシャッコーかな、そこがあって初めてゾロアットかなと。
石垣:そんなお話なので、ぜひみんな買ってくれよ! 俺は買ったぜ! 「モビルスーツ アンサンブル」で 『Vガンダム』のザンスカールを制覇して、『ガンダムW』のマグアナックを新デザイン込みで全40機、『ガンダムX』のベルティゴやハーミットクラブまでも。
新谷:確かに「モビルスーツ アンサンブル」とハーミットクラブは相性が良さそうです。本当にもっとやりたいですね。これからのアンサンブルをぐっと広げるためにも、ぜひザンネックは売れて欲しいです。
石垣:まじめな話、ザンネックが売れればシャッコーはいけるかもしれない?
新谷:ラインナップに入った暁には、僕が最高のシャッコーを作り上げます。今回、ザンネックの初期版を買った方は、まず宅配便の箱がチリンチリンいうのに感動してほしいですね(笑)。富野さんのガンダムはメカとセリフやシチュエーションが一体化しているので、そこを演出しているという意味では真面目なギミックでもあります。
石垣:次の話のためにも、ぜひザンネックをよろしくな! そして『ガンダムAGE』のガフランやガンダムレギルスへ……。
「機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE EX05 ザンネック」の予約受付は12月18日23時まで! この機会をお見逃しなく!
>>「機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE EX05 ザンネック」予約ページ
【プロフィール】
- 石垣純哉:メカデザイナー。代表作に『機動戦士Vガンダム』、『新機動戦記ガンダムW』『マクロスF』『ゼノギアス』ほか多数。1998年にスタジオ・トラピゾイドを開設、所属。シルエットで魅せる独自性の高いデザインにはファンも多い。
- 新谷 学:株式会社アストレイズ代表取締役。多数の玩具企画・開発を手掛け、「機動戦士ガンダム モビルスーツ アンサンブル」「FW GUNDAM CONVERGE」をはじめ、様々な玩具の開発を手がける。
DATA
機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE EX05 ザンネック
- 組み立て式フィギュア1体+オプションパーツセット
- プレミアムバンダイにて予約受付中
- 価格:3,900円(税込)
- 2018年3月発送予定
- 発売元:バンダイ ベンダー事業部
機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE 05
- 組み立て式フィギュア1体
- 価格:1カプセル500円
- 2018年2月発売予定
- 発売元:バンダイ ベンダー事業部
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