【ネタバレあり】“庵野秀明は特撮の、ミニチュアの力を信じていたんだと思います”『シン・エヴァンゲリオン劇場版』相田ケンスケ役・岩永哲哉さんも登壇した第3村ミニチュアセット先行内覧会レポート

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取材・撮影・文●キャプテン住谷

全国公開中の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』にて、鈴原トウジや相田ケンスケが住む場所として登場する第3村。その映像制作に資料として用いられたミニチュアセットが、有明にある“ミニチュアのテーマパーク”スモールワールズTOKYOで、2021年4月10日(土)より一般展示開始となります。本稿では、その前日である9日(金)に開催されたメディア向け先行内覧会の模様をレポートしていきます。

 

 

内覧会では、カラーの文化事業担当学芸員・三好寛さんと、『エヴァンゲリオン』の版権管理を行っているグラウンドワークスの代表取締役・神村靖宏さんによるステージトークも開催。公開から1カ月を迎えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の反響については、興行収入が70億円を突破したことが報告されました。そんな作中前半に登場する第3村のミニチュアを前にして、「実はこれ、2017年には存在していたんですよ」と三好さん。「リアリティのある日常風景を描くにはどうすればいいかを考えたら、ミニチュアにたどり着きました。僕が知る限り、アニメ制作でこういうミニチュアを用いたのは本作が初ではないでしょうか」と続けました。

▲左腕に青いバンダナを巻いて登場した三好寛さん(左)と神村靖宏さん(右)。

 

神村さんが「特撮も実写もアニメもこなす、庵野さんならではの発想ですね」とフォローすると、三好さんは「庵野は特撮の、ミニチュアの力を信じていたんだと思います。NHKのドキュメント(『プロフェッショナル 仕事の流儀』)を見ていただければ分かるんですけど、アングルにあれだけこだわる人ですから。ヘリでも飛ばさないと撮れないような高さから撮ってみたり、逆に低いところから撮ってみたり。それを検証するには、ミニチュアが必要だったんですね」と応えました。

 

そのほか、第3村は現実には存在しない架空の村ではあるものの、静岡県にある天竜二俣駅をモデルとして取り込んでいることや、ミニチュアの制作には半年をかけたこと、またミニチュアの制作自体にも庵野監督が5回ほど修正を行ったことなどが話されつつ、ここで相田ケンスケ役を演じた声優の岩永哲哉さんが登壇。ケンスケの衣装モデルに用いられたセーターを着て、また劇中でケンスケが使用していたビデオカメラのモデルを借りてきたという、気合いの入った出で立ちで登場しました。ミニチュアを目にした感想を問われた岩永さんは、「ケンスケならこう言うと思います。『すごい、すごすぎる!これが第3村のミニチュアか』……ケンスケたちが住んでいた場所なので、感無量ですね。みんな、ここで命をつないでいたんだな、って」としみじみ。

 

また、ステージトーク中には「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で、ケンスケ的に見逃せない部分はどこですか?」という質問が飛び出す場面も。岩永さんは「ケンスケは今回、28歳のしっかりとした大人として描かれていて、シンジやアスカ、村の人たちに対しても果たすべき役割があった。第3村でのやりとりがしっかり描かれていることが、作品の後半に活きてくると思います」と応えました。また、これまでずっと演じてきたケンスケというキャラクターに対しては「機転が良くて繊細で、父親に会えなくてちょっと寂しい思いをしたり。僕もそういうところがあったので、ケンスケとは“シンクロ”していたんですよね」と振り返りました。

 

最後の挨拶では、「(ミニチュアに対して)すごいものを作っているんだなと思っていましたが、こうして実物を見るともっとすごい!ぜひ、いろいろなアングルから写真を撮って楽しんで欲しいです。それからもう一度『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を見ると、第3村の違ったすごさが感じられると思います」と岩永さん。第3村ミニチュアセットは4月10日(土)から9月8日(水)までの期間限定展示です。

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