『ゼロワン』のヒーローたちが皆さんの中に残っていってくれたら――『仮面ライダーバルカン&バルキリー』初日舞台挨拶レポート
2021年8月27日(金)、Vシネクスト『ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー』が上映開始となりました。TVシリーズ『仮面ライダーゼロワン』の後日談を描くスピンオフ作品であり、また同シリーズの完結編でもある本作。ステージには岡田龍太郎さん(不破諫/仮面ライダーバルカン役)、井桁弘恵さん(刃唯阿/仮面ライダーバルキリー役)、中川大輔さん(迅/仮面ライダー迅役)、砂川脩弥さん( 滅/仮面ライダー滅役)、山口大地さん(雷/仮面ライダー雷役)、中山咲月さん(亡/仮面ライダー亡役)と、筧昌也監督が登場。劇場に集まったファンに向けて、万感の想いが込められたトークショーを披露しました。
『仮面ライダーゼロワン』シリーズの最終章を任された胸中を問われた岡田さんは、「僕は本作でゼロワンドライバーを借りることになりますし、やはり2年近くも続いた作品の最後を任されたからには、“これは外せない”と思いました。不破諫という最後まで一本筋の通った、カッコいい役をやり通すことができたと思います」と応答。井桁さんは「もちろん不安はありましたが、やるからには全力で、“私が唯阿を演じるのは最後だ”と思ってやり抜きました。悔いはないかな、と!」と笑顔を見せました。
また、『仮面ライダーゼロワン』に関わってきたこれまでの思いについて聞かれると、「人としても役者としても、たくさん成長させてもらいました。楽しいことや悩みも唯阿と共有してきたような思いで、それは唯阿を演じることができたからこそだと思います」と井桁さん。一方の岡田さんは「不破諫はすごい個性的で、コミカルな面もあったり、笑っちゃうところもあったけど、芯の強さや正義感は人一倍ある男でした。僕自身、不破諫を愛していたし、そんな役と2年も向き合えたのはとても幸せなことだと思います」と話しました。
滅亡迅雷.netメンバーに対しては、衝撃的な展開を遂げた前作『ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷』の台本を初めて読んだ時の感想を改めて質問。中川さんは「一筋縄ではいかない展開が、いかにも『ゼロワン』らしいなと思いました」とトーク。それを受けた砂川さんは「『ゼロワン』はTVシリーズでもいろんなキャラが退場したり、過酷な面があった」と続けました。
山口さんは「(滅亡迅雷.netが)ただの悪役として終わるのではなく、不破と刃、2人を信頼してバトンタッチしていける展開になっていて、それが嬉しかった。これまで一緒にやってきたメンバーとの関係性も描けていて、そこも良かったですね」と晴れやか。中山さんは「感想を送ってきてくれるファンの中には、やっぱりショックだったという意見も多かったです。でも、自分としてはとても納得できたというか、自分たちにとって一番いい形になったんじゃないかと思います」と、『仮面ライダーバルカン&バルキリー』の結末に納得している気持ちを明かしました。
筧監督に対しては、シリーズでメイン脚本を手がけ、自身も脚本家としてともに『ゼロワン』を作り上げてきた高橋悠也さんとのスタッフワークが話題に。『仮面ライダー滅亡迅雷』の展開を受け、『仮面ライダーバルカン&バルキリー』の前半は謎解きのような要素があり、TVシリーズに比べるとより大人向けの脚本になっていることに言及しました。また、これまでは脚本家という立場でキャスト陣と接してきた経緯もあり、少し距離があると感じていたものの、それが結果的には良い形になったと吐露。「特にエンドロールの最後の最後は、僕もひとりのお客さんとして、またこれまでずっと『ゼロワン』に関わっていたからこそ出せたアイデアなのかなと思います」と、本作を見るのが楽しみになるようなコメントも。
『仮面ライダーゼロワン』始動からもうすぐ2年が経とうとしていることにちなみ、最後は「この2年間を通して一番思い出に残っていることは?」というテーマでトーク。井桁さんは『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』に登場した滅・不破・唯阿・迅・垓による5人同時変身シーンを挙げ、「みんなでわちゃわちゃできて、すごく楽しかったです。この5人が同時変身するなんて、本編では想像できなかったので」と回想。中川さんも「あのシーン、楽しかったですよね。TVシリーズをやり切った自信と、映画の撮影に対するワクワク感が相まって、一番良い状態で撮影に臨めました」と続けました。
中山さんは『仮面ライダー滅亡迅雷』でついに叶った、滅亡迅雷.netの4人同時変身シーンが一番の思い出だと語ります。「TVシリーズでは迅がアークの状態でしたし、本編で(滅亡迅雷の同時変身が)できないんだっていう驚きもありました。だから、『滅亡迅雷』で同時変身できたのが嬉しかったですね」と喜びを噛み締めました。山口さんは「僕は思い出というか、この場を借りて感謝したいことがあって……」と前置きし、中山さんとともに途中参加した自分を、キャストやスタッフが暖かく迎え入れてくれたことが嬉しかったと振り返りました。「こうしてVシネクストにも参加することができて、ありがとうございました」としみじみ。
「僕はありすぎて……。初変身からいろんな変身をするたび、いろんなアイデアを出し合って、監督と話し合って……。でも本作の撮影が直近なので、そこから話しますね」と切り出した岡田さん。「やっぱり、(撮影)最後の日ですかね。役者としてキャラクター作りに責任を持って関わって、2年間ずっと突き詰めてきて、自分というフィルターを通してキャラクターが残る以上、自分は自分の演技に納得していないといけないと思うんです。そう思って臨んだ最後の日、なんだかすごく青空がキレイで。肩の荷が降りるじゃないですけど、“さよなら”っていう気分がこみ上げてきました。それが思い起こされますね」と、少し恥ずかしそうに告白しました。
締めの挨拶を任された井桁さんは「『ゼロワン』って、ずっと続くものだと思っていました。Vシネクストの撮影が終わってもこうして舞台挨拶があるし、ずっと続いていくものだと。でも、こうして最後の作品を皆さんにお届けしたら、もう唯阿の衣装を着ることはないのかな、と寂しくなります。悩みや不安もあったけど、皆さんからたくさんの声援やメッセージをいただけて、唯阿として胸を張れるようになりました。本当に感謝しかないです。この完結編を、たくさんの方に届けたい!」と力強く語りました。
岡田さんは「『ゼロワン』という物語が、2年を経て完結しようとしています。それにふさわしいものを刻むことができたんじゃないかなと。ヒーローというのは、辛い時、苦しい時、あと一歩という時に力になってくれる存在で、僕自身も不破に助けられたことが何度もあります。皆さんにとってそういった存在として『ゼロワン』のヒーローたちが残っていってくれたらな、と思います。ぜひ、映画を楽しんでください!」とメッセージを送り、舞台挨拶の幕を引きました。
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