2022年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」発表!『ラブライブ!スーパースター!!』『宇崎ちゃんは遊びたい!』など15もの新規作品が選出された発表会をレポート!

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取材・撮影・文●キャプテン住谷

2021年12月15日(水)、都内某所にて2022年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」発表会が行われました。日本が誇るアニメ作品たちを地域創生や新たなインバウンド需要に結びつけるため、一般社団法人アニメツーリズム協会主導のもと行われたファン投票の結果を明らかにした本発表会。ここでは、その会場の模様をお届けします。

 

 

司会を務めたのは、数多くのアニメイベントでMC経験があることでおなじみのニッポン放送・吉田尚記アナウンサーと、アニメツーリズム協会公式キャラクター・じゅんれいちゃんの声を担当する声優の大野柚布子さん。

 

発表会は、観光庁 観光地域振興部長である大野達さんからの挨拶で開幕。大野さんは、いわゆる“聖地巡礼”が作品愛からくる新しい形の旅行需要であること、またすでに観光地として人気を得ている地域以外にもスポットライトを当てることができる貴重な機会であることをアピールしました。

 

聖地発表の前には、コロナ禍によって影響があった投票傾向の変化についても触れられました。このたびの2022年版の選定において、全世界から4万票もの応募があったものの、やはり実際に現地へ「行ってみた」人からの投票数には減少が見られたとのこと。

 

やはりどうしても避けては通れないコロナ禍による影響についてひと通り言及された後は、いよいよ「2022年版訪れてみたい日本のアニメ聖地88」の発表。根強い人気作とその舞台が揺るぎない存在感を発揮するなか、2022年版では『空の青さを知る人よ』『戦翼のシグルドリーヴァ』『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』『ラブライブ!スーパースター!!』『ひぐらしのなく頃に』『さよなら私のクラマー』『アマガミSS』『おちこぼれフルーツタルト』『スーパーカブ』『やくならマグカップも』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『竜とそばかすの姫』『放課後ていぼう日誌』『恋する小惑星』『白い砂のアクアトープ』と、15もの新規作品がノミネート。さらに施設・イベント枠では、2020年7月に開館した「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」が新たに加わりました。

 

アニメ聖地88の発表後は、新たにノミネートされた作品群のうち、5つの作品の舞台となった自治体から代表者挨拶がありました。トップバッターとなったのは、『スーパーカブ』の山梨県北杜市から、上村英司市長と市役所の皆さん。上村市長はビデオメッセージで、北杜市の風光明媚な景色を紹介。また『スーパーカブ』劇中にも登場した風景の数々を交えながら、アニメ聖地88に選出された喜びを語りました。

 

続いては、『さよなら私のクラマー』より埼玉県蕨市の賴髙英雄市長が登壇。賴髙市長は、蕨市が羽田空港のおよそ1/3の敷地面積で、日本で一番小さな市であることを説明。しなしながら機織り(双子織)の伝統や、日本で初めて成人式を執り行った市であることといった点も紹介しました。蕨市では現在『さよなら私のクラマー』の聖地巡礼ウォーキングマップを作成中であり、2022年1月からはツアーイベント等も実施予定とのこと。

 

『竜とそばかすの姫』の舞台モデルとなった高知県高岡郡越知町からは、小田保行町長が登壇。小田町長は“奇跡の清流”と名高い仁淀川について、水質日本一に9度選出されたこと、大自然を堪能できるキャンプ場がたくさんあること、鮎釣りのメッカであることを紹介。また『竜とそばかすの姫』の主人公が住む集落は越知町がモデルになっており、その周辺にある沈下橋も作中に数多く登場することに触れ、「今後(コロナの影響が)どうなるか分からないですけど、高知市から30分ほどですのでぜひ舞台になった仁淀川を見に来てください」と歓迎の言葉で締めました。

 

『白い砂のアクアトープ』の舞台となった沖縄県南城市からは、瑞慶覧長敏市長が登壇。関係各所と協議のうえ、本作のメインキャラクターに住民票を発行したことを発表しました。また作品とコラボしたふるさと納税企画や寄付金などで集まったお金は、本作に関連する地域の保存活動に使用されることを説明。沖縄はコロナだけでなく、飛来する軽石などで依然落ち着かない状態が続いていると話しながら、「諸々の問題が片付いたら、皆さんを歓迎したい」とコメントしました。

 

『やくならマグカップも』からは、岐阜県多治見市の古川雅典市長と、プラネット代表取締役会長の小池和人さんが登壇。古川市長は、日本全国で日常的に使用されている茶碗・お皿・マグカップのおよそ6割が多治見市産であることをアピールしながら、「作るのは上手いけど、売るのは下手なのが多治見市」とジョークで場を和ませました。そんな多治見市を元気にするため、アニメーションによる地域振興を小池さんとともに発起したといいます。『やくならマグカップも』は後半が丸々実写パートで構成されており、それを見た多くのファンが実際に多治見市に足を運んでいるんだとか。小池さんは「アニメのお話も毎回あったかくて、泣けます。(企画を)スタートさせた時は、まさかこういう場所に登壇できるとは思っていなかったので……」と感無量といった様子でした。

 

聖地巡礼の旅のエピソードを募集していた「アニメ聖地88 旅の思い出コンテスト」からは、大賞を受賞した鯛さんが登壇。自身がコンテストに投稿していた、『天体のメソッド』の舞台である北海道洞爺湖町の思い出をいま一度語ってくれました。鯛さんは『天体のメソッド』がTV放送されてから7年が経とうとしているにも関わらず、町の至る場所にグッズが置いてあるほか、飲食店などに入った際には「(作品の)ファンの方ですか?」とあたたかく話しかけてもらった体験を紹介しながら、町全体が作品を愛してくれていることを感じたと振り返りました。

 

発表会のプログラムがひと通り終了すると、最後にアニメツーリズム協会の理事長として名を連ねる角川歴彦さんが登壇。数年前、マレーシアに新たな出版社を作ろうとした時、現地の人たちと宴席を設けた際に「最後に歌を歌って締めよう」という流れになり、会場の全員で「残酷な天使のテーゼ」を歌ったというエピソードを披露しました。アニメ作品が国境を超えて共通言語になっていること、その感動を形にするためにアニメツーリズム協会を設立することを決心し、富野由悠季さんに会長を引き受けてもらうべく口説きに行ったんだそう。また、アニメ聖地88をテーマにしたムック本「アニメ聖地88Walker」を発売すると、毎回完売となることにも触れ「聖地巡礼に対する大衆の興味は高い。日本の主要な産業になり得ると思います」と語りました。

 

発表会後は、アニメツーリズム協会会長・富野由悠季さんが登壇し、2022年版のアニメ聖地88に選出された各自治体に向けて、認定証を贈る贈呈式も行われました。

 

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