宮川彬良さん「最後にちょっと吹くね」『宇宙戦艦ヤマト』「たっぷり7週ヤマトーク2199~road to 2202〜」第1回イベントレポート

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『宇宙戦艦ヤマト』の新シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』の劇場公開記念イベント、「たっぷり7週ヤマトーク2199 〜road to 2202〜」が12月6日(火)に開催されました。第1週目となるトークショー内容をお届けします!

 

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今回のトークショーのゲストとして音楽を担当した宮川彬良さんと音楽プロデューサーの吉江輝成さんが登壇! 音楽という切り口から、ヤマトの世界の秘密と、魅力が語り明かされる!

 

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Q1.『宇宙戦艦ヤマト2199』のサウンドトラックは原曲から耳コピで作った?
MC:作曲時に原曲(ヤマトオリジナル)を耳コピで譜面におこしたそうで……。

宮川:譜面がなかった……それだけのこと(笑)。

MC:譜面というのは残さないものなのでしょうか?

宮川:僕は残してるんですけど(苦笑)。昔は譜面という情報が無防備に扱われ、いっぱい書き足したり直したりライブに使ったりして、そのまま行方知らずになったりします。自分だったら手書きのオリジナルは残しているけども、父の世代にはあまりなかったのかもしれませんね。

吉江:写譜をしているうちに原譜が形を変えてしまった可能性もありますよね。

宮川:それはあるよね(笑)。今はそれがないようにコピーをとってコピーで編集をするよね。

MC:当時はコピー機がほぼないですよね。

宮川:うちにもなかった(笑)。

MC:それこそ当時は写譜屋さんとか青焼で増やして(コピーして)いったんですね。

宮川:うちには青焼があったよ。

吉江:あ~それで増やしていったんですね。

宮川:何の話をしているんだか(笑)。

MC:話を戻しますと、譜面がないので元のサントラから譜面をおこして『宇宙戦艦ヤマト2199』の楽譜を作られたということですね。

宮川:そうですね。いろいろと学べました。

 

Q2.作った曲はシリーズトータル約160曲?
MC:この『宇宙戦艦ヤマト2199』では160曲くらいあるそうで。

宮川:ずいぶんありますね(笑)。

吉江:ありますね~。バージョン違いなんかも入れて。

MC:現在CDが3枚発売されてます。ヴォーカル曲を省いて113曲ありました。楽曲の中で特徴だったのが、1つは「ガミラスの国歌」でした。2つ目はレコーディングを常に大編成(1つの部屋で全員でレコーディングすること)で録ったことでしょうか。大編成で録るというのは意味があるのでしょうか?

吉江:そうですね。というかですね、今アニメの音楽であれだけのミュージシャンを1つの部屋で「せーの」で録ってるのは彬良さん(ヤマト)だけです(笑)。

宮川:僕がガラパゴス諸島的なこと言われてる(笑)。昔はそれが当たり前だったんですよ。まだ55歳だけど。

吉江:『宇宙戦艦ヤマト2202』を録っていてスタジオさんに、「あそこのスタジオでここ一年で一番大きな編成です。」って言われました。

宮川:あ~そう(笑)。

吉江:全体を見渡してもあのスタジオをフル活用して、マイク70本使っている現場は他にないですよ(笑)。

宮川:うちの奥さんはスタジオミュージシャン(バイオリニスト)なんですよ。彼女に聞くと大体ダビングなんですって。つまり弦楽器もいて、打楽器もいて、ブラスもいて指揮者が「ハイ」って言って一斉にやるんじゃない。どんな感じ?

吉江:基本的には作ってあるデータに対して、そのパートごとに録音していく形なんです。

宮川:それってつまらなくない?(笑)

吉江:それはそれで結構いろんな利点があるんです。僕は彬良さんの「せーの」でなおかつ、クリック(音楽演奏時、テンポ維持のため鳴らされる音)をまったくせず、彬良さんの指揮だけで録音をするのが面白いんですよ。でも、それは彬良さんのスキルと経験で成り立っている録音方法だと思います。

宮川:そんなにすごいのかな~?

 

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Q3.『宇宙戦艦ヤマト2202』でレコーディングされた曲数は?
吉江:85曲くらいあります。

宮川:信じられないくらいありますよ。

MC:この85曲はどれくらいの期間で譜面におこすのでしょうか?

宮川:3週間くらいですね。

MC:吉江さんはどれくらいからおっかけまわったのでしょうか?

吉江:おじゃました時は直前くらいでした。2週くらい前にメニュー打ち合わせでおじゃまして、資料をお持ちしたり……。

宮川:これがね、大した資料がなかったんだよね(笑)。

吉江:ま、まぁ難しいですけど。『宇宙戦艦ヤマト2199』を作っていく過程で、例えば7章の段階で全話のコンテや映像がある状況で作っていただいたり、フィルムスコアリングまでやっていただいているので、今1章までありますが、こっから先はまだ作業中ですっていう状況の中で日々更新される情報をまとめてお渡しにいくって感じでした。『宇宙戦艦ヤマト2199』の最後に比べたら(情報が)足らなかったって感じですね。

 

最後にメッセージをお願いします
吉江:ヤマトに関わった期間は短く、お手伝いをメインにさせていただいて、『宇宙戦艦ヤマト2202』に参加させていただいて、自分ができるベストを1個ずつやっていけたらなと思っています。ランティスとしてもいろいろ課題もあると分かっているうえで頑張って取り組んでいきたいです。先輩方にご指導ご鞭撻をいただけたらなと思っています(笑)。

 

というところも含め、僕、本当に現場で楽しくて、この2週間くらい録音とトラックダウンを体感させていただいて本当に楽しかったので早く皆さんにも同じように体感していただければなと思っております。もうちょっとだけ楽しみにお待ちください。

 

宮川:じゃあ、最後にちょっと吹くね。今回本当にさらば(『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』)というのと、宇宙戦艦ヤマトと対峙しました。その中で宮川泰というものの大きさというか、彼の意外とまじめな面ですよね。とってもお茶目な人だったけども、実に頭が下がるくらい真面目にメロディーを作り続けていた。

 

第1作目においては「デスラーのテーマ」というメロディーすらなかった。それがあのパイプオルガンの印象があまりにも強いので僕は忘れていた。「デスラーのテーマ」というメロディーがあり、「悲しみのテーマ」というのが別にあり、もちろん「大いなる愛」は覚えていたけれど、悲しいメロディーだけでもいくつあったか。それを全部技術で書き分けるというわけではなく、真心から筆に向かっていくあの8小節の中に既成のドレミファソラシドという12の音だけを使って、脅かすわけでもなく、雰囲気をただ出すわけでもなく、メロディーという作品に心を映し出すというようなことを真面目にコツコツとやっていた。そこに僕は「お父さん偉い」と息子がお父さんを褒める気持ちが甦った。昼間のお父さんカッコイイという気持ち。これからまだまだ学ぶことが多いですね。短いけど、8小節の「デスラーのテーマ」を演奏して終わりにします。

 

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▲「デスラーのテーマ」をピアニカで生演奏

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「たっぷり7週ヤマトーク2199 〜road to 2202〜」イベント概要

1週目ヤマトーク

  • 開催日:2016年12月6日(火)開演19:30
  • 会場:新宿ピカデリー スクリーン3(新宿区新宿3丁目15-15)
  • 登壇者:宮川彬良(音楽)、吉江輝成(音楽プロデューサー)
  • 上映内容:『宇宙戦艦ヤマト2199』第一章&第二章の一挙上映、上映後ヤマトーク〈テーマ:音楽〉
  • チケット価格:2,200円(税込)

 

関連情報

 

(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

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