【集中連載】「TL-COLOR(紫外線発光カラーインク)」をモデラー視点でレビュー!
ついにAmazon.co.jpにて販売を開始したタカ マテリアル アンド システムズ研究所の塗料「TL-COLOR(紫外線発光カラーインク)」。前回はプロモデラー・桜井信之氏に「TL-COLOR 紫外線発光カラースプレー」の使い方を解説していただきましたが、今回は実際に塗装したサンプルをじっくりご覧いただくと共に、さらに一歩進んだ内容のレビューをお届けしていきます。
※これまでの連載は、以下のバックナンバーをご覧ください。
【集中連載】「光る」模型に新機軸!「TL-COLOR(紫外線発光カラーインク)」をご紹介!
【集中連載】「TL-COLOR(紫外線発光カラーインク)」で塗装してみよう!
■クリアー版キットにTL-COLORスプレーを使用する!
前回はいろいろなキットにこの「TL-COLOR 紫外線発光カラースプレー」を吹き付け、その効果のほどをお届けしました。実際にキャラホビ2015のKADOKAWAブースにて展示いたしましたので、実際にご覧になられた方も多いかと思います。
まずはそれぞれレッド、ブルー、グリーンで塗装した「ダンボー クリアーVer.」(※)をご覧ください。
※現在は販売を終了しています。
このように、一見無色透明ながら、UVライトで照射することでここまで鮮やかな発色を見せます。
ただ、公式サイトに掲載されているサンプル写真では、アクリルやガラスのような透明度の高い物に吹いていますが、実際に模型に使用する場合は少々状況が異なります。
というのも、今回使用した「ダンボー」もそうなのですが、元々クリアー成型を想定していないアイテムの金型を使用して製作されたクリアー版のキットは、透明度がやや低い傾向があります。
プラモデルの表面仕上げはアイテムやランナーによって異なっており、戦闘機のキャノピーなど、最初から透明成形を前提にしている場合など、成型物に高い透明度が求められるものに関しては金型を徹底的に磨き上げますが、通常の成型色のランナーだと、そこまで徹底的に磨くことはあまりありません。特にパーツの裏側に当たる部分はその傾向が顕著で、このためキットの透明度がやや低くなってしまっているのです。
そういったクリアーキットに本スプレーを使用する際は、パーツの裏側にもキチンと吹き付けておくと、そういったパーツ裏側の凹凸が滑らかになり、UVライト照射時により美しく発光させるだけでなく、未発光時の透明感をアップさせることができます。
しかし、プラモデルの裏側ははめ込みのための“ピン”やポリキャップを仕込むための“受け”などが存在し、幾何学的なモールドが多数存在するため「TL-COLORスプレー」のミストが“巻き返し”をおこし、ザラザラな状態になってしまうことがあります(この現象は「TL-COLORスプレー」に限らず、通常の模型用塗料でも同じ現象が起こります)。
こうしてパーツ裏側に発生した塗膜のザラザラをそのままにしておくと、せっかく手間をかけてパーツ裏面にまで塗料を吹き付けた意味がなくなってしまいます。今回の作例でも一度そういう事態に遭遇しましたが、溶剤系アクリル樹脂塗料(ラッカー系塗料)の溶剤であるガイアノーツの「T-01m薄め液」を上から吹き付けたところ、ザラザラになった塗装面を整えることができました。もし同じ状況になったら試してみてください。
前回も解説しましたが、「TL-COLORスプレー」を概ね2回~3回ほど塗り重ねることで、美しい発光を得ることができます。これ以上吹き重ねたからと言って、より強力に発光するわけではないので、適度な吹きつけ回数を守る事が大切といあえるでしょう。
通常のツヤ出し用クリアーを吹きつける時と同じように、吹きつけた塗料が垂れる直前まで厚吹き(塗膜表面の全体が濡れて光っている状態)した後、ホコリなどを避けで、十分乾燥させる方法もあり、こちらだと塗膜表面の光沢度・透明度はより高くなります。
■通常の成型色のキットを光らせる!
もちろん、クリアー成型ではない、通常の成型色のキットに「TL-COLORスプレー」を使用して光らせることが可能です。この場合、「TL-COLORスプレー」自体の発光色に加えて、下地の色味も発光色に作用するようです。
コトブキヤの「汎用ヒト型決戦兵器 人造人間 エヴァンゲリオン初号機 夜間戦闘Ver.」を使用した作例では、グリーンで成型されたパーツに「TL-COLORカラースプレー」のグリーンを使用。このように、成型色(下地色)と同系色の「TL-COLOR」を使用するのが基本的な使い方になるでしょう。
もちろん、下地色と全く違う色で発光させる、というのも面白い効果が現れると思いますので、ここはぜひ色々と試してみたいですね。
このように、「エヴァ初号機」ではワンポイントとして1色のみ「TL-COLORカラースプレー」を使用。シックなイメージの仕上がりとなりました。
一方、かなりガッツリと塗装してみたのが下のコトブキヤ「真ゲッター1」の作例となります。こちら、キャラホビで展示していませんので、本稿が初公開となります。
こちらは基本色のひとつである「赤」で成型されたランナーと、胸部/脚部のクリアーパーツに「TL-COLORスプレー」を使用しました(白いパーツは何もしなくてもUVライトを受けて発光してしまっていますが)。
このように、全身のかなりの部分が「TL-COLOR」によって発光するため、「エヴァ」の場合とはまた異なる、まさにダイナミックなイメージとなります。
このように、どのように使用するかで大幅に見る人へ与えるイメージが変わるのも、この「TL-COLOR」の面白いところですね。皆さん、ぜひ色々と試行錯誤してみてください!
今回は成型色を活かした作例としてお届けしましたが、今後は、基本塗装後に使用する場合にさまざまな模型用塗料のうち下地としてもっとも適している塗料や、その影響といった部分、さらに「TL-COLOR」の上からスミ入れ(エナメル・アルコール系塗料など)した際の影響、さらにツヤ出し・ツヤ消し・半光沢(水性・油性・ウレタン系樹脂)などのオーバーコート時の影響などを検証していきたいですね。
(製作・文:桜井信之)
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現在「TL-COLOR 紫外線発光カラースプレー」はAmazon.co.jpで大好評発売中! ぜひ、これまでにない画期的なこの塗料の効果を、ぜひその目で確かめてください!
■TL-COLOR ライティングシステム
また、タカ マテリアル アンド システムズ研究所では、TL-COLORの性能を最大限に引き出すライテンィングシステムも開発しています。ライティングツールを使用することにより、TL-COLOR の様々な演出を楽しめます。
<DATA>
「TL-COLOR 紫外線発光カラースプレー」
■全3色(レッド・ブルー・グリーン)
■8月24日より発売開始
■1,980円(税込)
■発売元:タカ マテリアル アンド システムズ研究所
<関連項目>
タカ マテリアル アンド システムズ研究所
(C)1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会
(C)カラー
(C)KIYOHIKO AZUMA/YOTUBA SUTAZIO