【電撃デスクトップアーミー通信 No.003】企画担当者に直撃インタビュー! 開発秘話など貴重なウラ話も!
毎月第2、第4水曜日にデスクトップアーミーの最新情報をお伝えする「電撃デスクトップアーミー通信」。
第3回となる今回は、メガハウスのデスクトップアーミー企画担当者・前川氏に直撃インタビュー! 素体データの配信など、今までにない斬新な展開の仕方も相まって注目を集めている本シリーズの開発秘話など、貴重なウラ話をお届けします!
■企画当初はストラテジーボードゲームのコマだった!? 意外なデスクトップアーミーのスタート
――ヴァリアブルアクションシリーズなどの可動フィギュアを手がけているメガハウスさんですが、このデスクトップアーミーはどういった経緯で企画が立ち上がったのでしょうか?
メガハウス企画担当前川氏(以下、前川):デスクトップアーミーは、実は最初は組み換え遊びに主眼を置いた商品を作ろうという話ではなかったんです。元々、ストラテジーホードゲームに使うようなゲームの駒を作っていまして、その企画用に少パーツでコレクションサイズのロボットの形で試作品を準備していたんです。
――この試作原型を見ると、今のデスクトップアーミーの試作原型とまったく雰囲気が違いますね。ここからどういった経緯で今の形に落とし込まれたんでしょうか?
前川:この試作原型を開発している時に、お遊び感覚で女の子の頭を乗っけてみたら「これ可愛いからこのまま商品化できるんじゃないか?」ということになりまして、そこからどういった展開をするかなども考えていきました。
――なるほど。ある意味偶然が生んだアイテムなんですね。素体データを配信するということもその展開案を詰めていく中であがってきたのでしょうか?
前川:そうですね。TVのニュースでも3Dプリンターが普及しているということが取り上げられたりしていたこともあり、「ユーザーさんとみんなでわいわい作って一緒に遊べたら楽しいんじゃないか?」と思い、そういった展開案を企画しました。
■優しい世界とハードな世界の両方が楽しめる魅力的な世界観
――公式サイトにも11月24日のサイトリニューアルに合わせて「世界観」が発表されましたが、これはどういう部分を意識して考えられたのでしょうか?
前川:世界観の設定を固めていく時は、ユーザーさんが遊びやすいようにということを念頭に置いて考えていました。その中で私がユーザーさんにお伝えしたかったことは、“修正の1秒”が追加される前と後の両方を楽しんでもらいたいという部分なんです。
武装の組み換え遊びに主眼を置いているので、商品ラインナップとしては(“修正の1秒”が追加された後の)バトル的な部分に重きをおいたハードな世界観に合わせた商品リリースを考えているのですが、その一方で、小さなロボット女の子的な遊び方をしたいという人には、(“修正の1秒”が追加された前の)人間とシルフィたち「D-phone」が一緒に過ごしている優しい世界観で楽しんでもらえるようにということで、世界観を創っています。
■素体デザインのポイントは「役割分担」
――シリーズ第1弾“シルフィ”の素体デザインをBLADEさんが担当されていますが、デザインにあたってはどのような方向性でお願いされたのでしょうか?
前川:そこまで細かい方向性は提示していないのですが、「役割分担は明確にして、それぞれに合った武装を持たせるようなデザインを」ということをお願いしました。また、BLADEさんには素体のデザインからお願いしていたんですが、お願いしてよかったと思ったのはヘッドセットの部分ですね。猫耳のような可愛らしいデザインにしていただいているんですけど、ここにつけるパーツを変えるだけでイメージがガラッと変わりますので、素体は同じながら、6種それぞれのキャラを立てることができていると思います。
■試作原型は3Dと手作業のハイブリッドで開発!
――試作原型はどのような流れで開発を進められたのでしょうか?
前川:開発に際しては、ハイブリッドな作り方をしていまして、全部データで作ってしまうと固い感じになってしまうので、顔や髪、おへそ周りなどは、女の子らしい柔らかさを表現するために、手原型で作ったものをスキャンしてデータに置き換えて開発しています。
――肘、膝に関節が入ったことで、ポーズのバリエーションも一気に広がったと思うのですが、この関節については最初から入れたいと考えていたんですか?
前川:これについては企画発表の段階では、低単価のコレクションアイテムを狙っていこうと思っていたので、導入は決まっていなかったんです。サイズの検証の段階で、入れようと思えば入れられるサイズということにはしていたのですが、ワンフェスなどのイベントでユーザーのみなさんからの要望もあり、最終的に関節を入れるということを決めました。
■BLADEさんに続いてたにめそさんがデザイナーとして参戦!
――11月28日(土)に開催された“メガホビEXPO2015 Autumn”で、BLADEさんに続いて、たにめそさんがデザイン参加されると発表されました。こちらは開発状況としては今どういった段階になるのでしょうか?
前川:現段階では、デザインを詰めていただいている段階なので、こちらも随時紹介していければと思っています。
――それは楽しみですね。こちらもBLADEさんの時と同じく役割分担を明確にということでデザインを進めているのでしょうか?
前川:はい。デスクトップアーミーでは、チーム遊びというか、自分だけの「オレ小隊」を組んで遊んでもらいたいなと思っているので、そういった遊び方がしやすいような役割分担を6種という方向でお願いしています。
――では、素体自体もBLADEさんの“シルフィ”シリーズとは異なるものになるのでしょうか?
前川:素体は一部共通という形になる予定です。具体的には、胴体は共通、頭部は新規という予定で進めています。あとはもちろん武装も新しいデザインになります。
■12月10日より公式サイトでは素体データが配信スタート! 今後の展開も期待大!!
――12月10日から素体データの配信も始まりましたが、このデータをダウンロードしてどういったことができるようになるのでしょうか?
前川:(素体データをそのまま配信しているので)3Dプリンターをお持ちの方であれば、ご自身のプリンターで出力して一足早く遊んでいただくというようなこともできますし、データをいじれる方であれば、自分でオリジナルの頭部パーツを作って出力して遊ぶということも可能です。また、武器だけ作ってしまうというということで、データから作ったり、出力したものにパテなどで手を加えていくということもできるので、本当にユーザーさんの手で自由に楽しんでもらえればと思います。
――前川さん的にはユーザーさんがどういった武装を思い付くのかというのも気になるところではないですか?
前川:そうですね。ぜひ自分で作った作品の写真を「#デスクトップアーミー」を付けてツイートいただければなと…。「こんな武装作っちゃった」というのをユーザーさん同士で共有するというのも楽しいと思いますし、私も見ることが出来ますので(笑)。
――なるほど(笑)。また、「3Dモデリングに興味はあったけど…」というユーザーさんにとっては、デスクトップアーミーの素体配信は良いきっかけになりそうですね。
前川:はい、3Dのデータをいじるというのは少しハードルが高いのかもしれないのですが、最近ではフリーのソフトもありますし、実際に自分で作ったデータを出力してすぐに遊べるというのはすごく楽しいと思います。また、設計データを配信するというようなことをされているメーカーさんはほとんどないと思いますので、これはある種自分とユーザーさんとの勝負かなと思っている部分もあります。
――といいますと?
前川:「製品として発売されるものよりも面白いものを作るぞ!」という気持ちで画像をネットにバンバン上げていただいて、メガハウスとしても「負けるか!もっとよりいいものを提供するぞ!」というようなプラス方向でのやり取りがユーザーさんとできればなと思っています。
――それは楽しみです。逆に、データをいじるのは難しいという人は商品の発売を今か今かと期待していると思います。
前川:やはりみなさんそこが一番気になっていますよね(笑)。今、価格の部分や最終仕様については工場と詰めているところですが、2016年夏にはシリーズをリリースしていこうと思っているので、そちらをお待ちいただければと。
――その辺りの詳細はいつ頃発表になるのでしょうか?
前川:今ちょうど時期や価格を詰めているところですが、おそらく(2016年2月7日開催の)ワンフェスまでには発表できるのではないかと思うので、乞うご期待というところです。
――では、最後にこの記事を読んでいるユーザーさんに一言お願いできますでしょうか?
前川:デスクトップアーミーは、世界観構築も含めてユーザーさんと一緒に楽しく展開していきたいと思っているので、ぜひいろんな形でこのシリーズに参加していただければと思っています。
――本日はありがとうございました。
※次回更新は1月13日(水)です。
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