特別展「恐竜博 2023」が2023年春・国立科学博物館で開催!鎧竜「ズール」の全身実物化石が日本初公開!!

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2023年春・国立科学博物館にて特別展「恐竜博 2023」が開催決定! 今回の主役は鎧竜ズール全身実物化石が日本初公開!

 

 

本展では、鎧竜史上最高の完全度と謳われるズール・クルリヴァスタトルの実物化石を中心に、身を守るためにトゲやプレートを進化させた装盾類(そうじゅんるい:剣竜と鎧竜の総称)の進化について解説しながら、恐竜たちの「攻・守」という観点から恐竜の進化を読み解きなおします。「守」を代表する恐竜として取り上げるのが、アンキロサウルス類の鎧竜・ズールです。その実物化石はカナダ・ロイヤルオンタリオ博物館(ROメートル)以外では初公開となります。ズールは、頭骨から尾の棍棒まで揃って、アメリカの約7,600万年前の地層から発見されました。アンキロサウルス類では初の事例です。全長約6メートルもあり、アンキロサウルスと肩を並べる最大級の鎧竜です。本展では、鎧竜類に特徴的な頭部から背中を覆う装甲、尾の棍棒までを展示します。

 

「攻」を代表する恐竜としては、ズールと同じ時代に生きたゴルゴサウルス(ティラノサウルス類)の全身復元骨格もズールの全身復元骨格と相対するように展示。当時の恐竜たちの「攻・守」を臨場感ある展示で体感できます。また、2020年に国立科学博物館とアルゼンチン自然科学博物館との共同調査チームが発掘し、2022年に新種と発表された、南半球の頂点的存在だったといわれる肉食恐竜マイプ・マクロソラックスを、白亜紀最末期に北半球の生態系のトップにいたティラノサウルス・レックスなどと対比させながら紹介。「攻・守」を切り口に、最前線の研究や、恐竜絶滅の謎に迫ります。

 

 

「攻・守」が進化させた恐竜たち!

今からおよそ2億3000万年前の中生代三畳紀、最初期の恐竜は全長1メートルくらいの肉食だったと考えられています。その中から豊富な資源である植物を主食とする恐竜が出現し、恐竜の形や大きさに多様性が生まれました。本展では、究極の防御のためにトゲやプレートを進化させた装盾類の進化、そのような進化に対抗しなくてはならなかったさまざまな肉食恐竜たちの進化を比較しながら、恐竜たちの「攻・守」をキーワードに、恐竜学の最前線を解説します!

 

▲ズール(左)とゴルゴサウルスの対峙シーン

 

ズール・クルリヴァスタトル(Zuul crurivastator)

  • 属名の由来:映画『ゴーストバスターズ』に登場する門の神「ズール」。
  • 種小名:脛の破壊者
  • 分類:鳥盤類 鎧竜類 アンキロサウルス類
  • 時代:白亜紀後期
  • 産出地:アメリカ・モンタナ州
  • 推定全長:6m

 

ゴルゴサウルス・リブラトゥス(Gorgosaurus libratus)

  • 属名の由来:恐ろしいトカゲ
  • 分類:竜盤類 獣脚類 ティラノサウルス類
  • 時代:白亜紀後期
  • 産出地:カナダ・アルバータ州
  • 推定全長:9m

 

 

鎧竜屈指の完全度を誇るズール全身実物化石が日本初上陸!

肉食恐竜から身を守るためのトゲトゲした骨質のウロコからなる装甲、肉食恐竜の骨を破壊するような強力な棍棒をもつ尾が特徴。「クルリ」はラテン語で脛、「ヴァスタトル」は破壊者を意味しており、長さ3メートルもある尾の先にある推定7kgの棍棒を振りまわすと、ゴルゴサウルスの脛をも破壊する威力があったと考えられています。1個体で頭骨から尾の棍棒まで発見されたのはアンキロサウルス類で初めて。その完全度、保存状態の良さから、鎧竜の進化を解明する大きな手がかりのひとつとなる恐竜です。頭骨から尾の棍棒までを、生きていた時の姿のように観覧できる展示手法に世界で初めて取り組みます。

 

▲ズール・クルリヴァスタトルの背中部分(実物化石)

 

 

北半球の王者 ティラノサウルス類

ズールと相対したゴルゴサウルスなどのティラノサウルス類は、白亜紀後期に急激に大型化し、アジアと北アメリカの生態系で食物連鎖の頂点に上り詰めました。本展では、ゴルゴサウルスや史上最重量個体のティラノサウルス「スコッティ」などから、恐竜の「攻」の進化に迫ります。

 

▲ティラノサウルス「スコッティ」全身復元骨格(むかわ町穂別博物館所蔵)

 

ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)

  • 属名の由来:暴君トカゲ
  • 分類:竜盤類 獣脚類 ティラノサウルス類
  • 時代:白亜紀後期
  • 産出地:カナダ・サスカチュワン州
  • 推定全長:13m

 

 

南半球の王者 新種の肉食恐竜マイプ・マクロソラックスが日本初公開!

本展監修者の真鍋真氏(国立科学博物館 研究調整役 兼 副館長)らの調査隊によって、2020年にアルゼンチンで発掘され、2022年に新種として命名された肉食恐竜。推定全長9メートルはメガラプトル類の中で最大級であり、白亜紀最末期の種だと考えられるマイプ。この発見により、北半球の王者ティラノサウルス類に対して、南半球ではその座にメガラプトル類がいたその可能性が高くなってきました。

 

▲マイプ・マクロソラックス発掘現場(2020年)photographed by Matias Motta, 2020

 

マイプ・マクロソラックス(メートルaip メートルacrothorax)

  • 属名の由来:アルゼンチンに伝わる冷たい風で人間を遭難させる悪霊の名前
  • 分類:竜盤類 獣脚類 メガラプトル類
  • 時代:白亜紀後期
  • 産出地:アルゼンチン・サンタクルス州
  • 推定全長:9m

 

 

カナダ最大の総合博物館 ロイヤルオンタリオ博物館について

1914年に開館し、北米の文化施設のトップ10に入る、カナダで最大かつ最も総合的な博物館です。1,300万点を超えるトップクラスの美術品や自然史標本が収蔵されており、40のギャラリーや展示スペースで紹介されています。同館は、恐竜をはじめ化石発掘の野外調査を実施する屈指の研究機関として、またコレクションに基づく博物館研究の国際的リーダーとして、芸術、文化、自然界に対する我々の理解を深めるために極めて重要な役割を果たしています。100年以上にわたり行われている古生物学の野外調査で世界的に重要な恐竜やその他の化石のコレクションを収集、収蔵し、その成果は世界最高水準の古生物学ギャラリーで見ることができます。

 

▲ロイヤルオンタリオ博物館外観

 

DATA

特別展「恐竜博2023」 | THE DINOSAUR EXPO2023
東京会場

  • 会期:2023年3月14日(火)~6月18日(日)
  • 会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
  • 開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで)
  • 休館日:月曜日
  • 主催:国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社
  • 協賛:鹿島建設、Gakken、DNP大日本印刷
  • 学術協力:ロイヤルオンタリオ博物館
  • 公式Twitter:dinoexpo2023
  • 公式Instagram:dinoexpo2023
  • お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)、03-5814-9898(FAX)

※会期などは変更になる場合があります。
※入場料、入場方法等の詳細は決定次第、公式サイトでお知らせします。

 

大阪会場

  • 会期:2023年7月7日(金)~9月24日(日) ※予定
  • 会場:大阪市立自然史博物館(大阪・長居公園)

 

(C)Royal Ontario Museum
photographed by Paul Eekhoff
(C)Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
(C)Royal Ontario Museum

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