素組みでガンプラ! ~ローゼン・ズール episode 7 Ver.~ 後編
ガンプラの楽しみ方は人それぞれ。合わせ目を消したり全塗装して“ガチ”で仕上げていくのも楽しいけれど、せっかく色分けが再現されているガンプラだから、そのまま組んで楽しむのもアリでしょう。
そこで本コーナーでは、プロモデラーの桜井信之氏に、充実した作業環境のない方にもガンプラ作りを楽しめるように、超基本からちょっとしたワザまで、素組みで作る際の“コツ”を紹介してもらうことにしました。少しの手間で十分楽しめる“素組み”の楽しさを、味わっていただければと思います。
今回も前編に続き、大人気「HGUC 1/144 ローゼン・ズ―ル episode 7 Ver.」を例に、デカールの使い方を紹介します。
■HGUC 1/144 ローゼン・ズ―ル episode 7 Ver.
~デカールの使い方~
●今回使った道具
ピンセット
綿棒
のり
12 デカールを貼る際に注意することがあります。長時間水に浸けていると、デカール裏に塗られた“のり”が流れてしまい、接着力が弱まってしまいます。こうなると、デカールが密着せずにキットから浮いた状態になり、デカールの透明部分が白く目立ってしまいます。これを「シルバリング」といい、美しい状態とはいえません。
13 一度キットに貼って、水分が乾燥したデカールを剥がすのは大変危険です。デカールが破れてしまう危険性が非常に高いためです。そんな場合は針などでデカール表面を突き、小さな穴をいくつか空けます。
14 その後、「Mr.マークセッター」をデカールの上から塗ります。すると、先ほど空けた小さな穴から、デカールの裏側に染み込んでいきます。これで、キットとデカールの間に“のり”を流し込むことができます。
15 デカールとキットの間に“のり”が流れ込むと、先ほどの「シルバリング」は解消され、キットにデカールを密着させることができます。このように、「シルバリング」が発生してもリカバーする方法はあるので諦めないでください。
16 さて「Mr.マークセッター」を使用する時に注意することがあります。「Mr.マークセッター」は接着以外にデカールを軟化させる効果もあります。この効果により、凸凹面や曲面にもデカールを密着させられるのですが、写真のようにデカールにシワができるほど柔らかくなります。この状態で不用意に触ると、デカールを破損してしまうので注意しましょう。デカールの密着だけを目的にする場合は、すばやく余分な「Mr.マークセッター」を拭き取ることが大切です。
17 最後にラインデカールのように長いものや、部隊マークのように大きいサイズのデカールを貼る方法をご紹介します。デカールを水に浸けて、台紙から剥離させるまでは同じ作業です。
18 デカールを台紙から剥がして貼れる状態になったら、台紙ごとキットの上に持っていきます。その後デカールの一部を指で押さえ、台紙の方をゆっくり引き抜いていきます。長いデカールはピンセットで掴むと、絡まったり、くしゃくしゃになってしまいます。そのような場合、できるだけ台紙ごとキットの上まで運べば、失敗を防ぐことができます。
まとめ
デカールはシールと違い、貼った跡が見えにくいので、キットに書き込まれたような状態になります。ただし、デカールは非常にデリケートな素材でできているので、貼った後は「トップコート」などを吹き付けて保護膜を作るといいでしょう。今回は「トップコート・ツヤ消し」を吹き、デカールの保護と同時に、キットのツヤを消しています。この作業を行うと、まるで全塗装したような質感に仕上げられるので、一石二鳥です。デカールを貼った後は、できるだけ「トップコート」を吹き付けることをオススメします!
完成写真はコチラ!
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