書籍「マジンガーZ大百科図録」誕生秘話②『マジンガーZ対暗黒大将軍』の絵コンテを完全収録!作中では未使用だった幻の必殺技も!

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文●五十嵐浩司(アニメーション研究家)

こんにちは。誕生秘話の第2回は、本書の特色のひとつ、『マジンガーZ対暗黒大将軍』の絵コンテについてお話したいと思います。

 

●マジンガーZの絵コンテの特徴とは?

本書を構成する際の目標の1つに、“絵コンテを再録したい”という思いがありました。その理由は、過去の東映アニメーション作品の絵コンテは作画監督を務める方が画面部分を清書していることが多かったからです。『マジンガーZ』も例外ではありません。

 

そのため、『マジンガーZ』の絵コンテは演出用設計図という本来の意味に加えて、ビジュアル資料としての価値も高いと常々考えていたのです。

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▲絵コンテ集の扉。中央の設定資料は絵コンテに綴じられていたもので、マジンガーZの破損箇所がシーンNo.付きで書き込まれている。

 

●再録作品が決まるまで

今回、東映アニメーションさんの協力で発見できた絵コンテは5本。第1話、第20話、第29話および劇場映画2作品でした。

 

当初は第1話を載せようと思ったのですが、コンディションが非常に思わしくなく、修正も極めて困難であると判断して取りやめました。そして、できることなら再録するのは有名エピソードにしたいという考えから、劇場映画『マジンガーZ対デビルマン』『マジンガーZ対暗黒大将軍』の両方を入れる方向で内容をまとめることに。

 

ところが、大変残念なことに『マジンガーZ対デビルマン』の絵コンテに欠けているページがあることが判明しました。かようなプロセスを経た結果、本書に再録する絵コンテは『マジンガーZ対暗黒大将軍』に決定したのです。

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▲『マジンガーZ対暗黒大将軍』より、謎の超ロボット(グレートマジンガー)が出現する場面。画面部分は作画監督の角田紘一氏が清書している。

 

●時間をかけた修正作業

掲載作品は決定したのですが、やはり40年以上前の資料なのでかなり見づらくなっていました。そこで、全ページの修正作業を行っています。おそらく、本書の作業のなかで修正作業が一番時間をかけたかもしれません(修正を担当したデザイナーのNさんに感謝!)。

 

やがて修正も終わり、続いてレイアウト作業に。ページ数の制限もありまして、やむなく一部縮小して掲載している部分もあります。編集部さんから、抜粋でもいいのでは……というアドバイスもいただいたのですが、全ページを載せたいという一念を通させてもらいました。

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▲修正前(上)と修正後(下)。この修正が300枚を超えるすべてのページに行われた。

 

●絵コンテに見る新発見の数々

『マジンガーZ対暗黒大将軍』の絵コンテは、実際の映像と異なる部分が多いことも特徴です。それはおもに新登場するグレートマジンガーに関するものですが、出動コールや、多くの技の名前が異なっていました。

 

技名の違いのみならず、最終的には未使用になった幻の必殺技もあります。獣魔将軍へのとどめに、ブレストバーンではなく「グレートビーム」という武器を使っているのです。果たして「グレートビーム」とはどんな技なのか? ぜひ本書をご覧になってください。

 

また、本編のセリフに出てくるだけだった、アメリカ第八艦隊と戦闘獣の攻防戦が絵コンテには存在。さらに、兜甲児が死を決意して出撃するシーンには、さやかとの抱擁も描写されています。これら幻のシーンもすべて再録した、『マジンガーZ対暗黒大将軍』の絵コンテ完全再録にご期待ください!

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▲映像ではカットされた、第八艦隊とワーダムの戦い(上)。下の画像は、出撃直前にお互いの気持ちを確かめあう甲児とさやか。いずれも幻の場面だ。

 

●さて、次回の誕生秘話は?
誕生秘話その3は、本書を飾るカバーイラストと描き下ろしスペシャル企画『マジンガーZ対暗黒大将軍ANOTHER VERSION』を紹介します。お楽しみに!

 

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DATA

マジンガーZ大百科図録

  • A4判
  • 2018年3月発売予定
  • 定価:4,800円(税別)

 

<目次>

  • 巻頭言 永井豪先生
  • カラー資料で見る 『マジンガーZ』の世界
  • 『マジンガーZ』設定資料集
  • 劇場版設定資料集
  • 劇場映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』絵コンテ集

 

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