素組みでガンプラ!【基礎】チッピングによるウェザリング塗装法 前編

更新日:2016年12月28日 12:43

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超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。

 

ここでは、“チッピング”をテーマにして、HG 1/144「MW-01 01式モビルワーカー」後期型(マッシュ機)にハードなウェザリングを施していきます。「チッピング」とは、キズやサビの表現などに用いられる塗装方法です。初心者にもわかりやすく説明するので、ぜひ試してみてください。

 

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▲HG 1/144 モビルワーカー MW-01 01式 後期型(マッシュ機)

 

「モビルワーカー」は人型機動兵器の初期試作実験機ですが、月面開発用の作業機械という名目で作られているため、各部に土木機械のようなディテールとマーキングが施されています。そのためブルドーザーのような汚しが似合います。劇中でモビルワーカー同士の模擬戦も行われているので、各部にハードなウェザリングを施してみましょう。

 

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 まずは、「ツヤ消しクリアー」を全体に吹き、プラモデル表面のツヤを消して、しっとりとした印象にします。これにより、この後施すウェザリングが定着しやすくなります。さらに、全体のトーンが一段階明るく、淡い印象になるという効果もあります。

 

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2 ウォッシング(フィルタリング)でキット表面のディテールにメリハリをつけていきます。ここではより暗い印象に仕上げるため、油絵の具の「ローアンバー」と「クラシックアンバー」を使用。ウォッシングに良く用いられる「バーントアンバー」より暗く、濁った色のウォッシング液を作ります。油絵の具の希釈に使うのは専用の溶き油「ペトロール」です。

 

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 このウェザリング液を全体に塗布していきます。今回は土木機械のように仕上げるため、通常よりも、凹凸ディテール近辺に残す塗料は多めにします。一度目は全体に塗布し、ディテールを強調したい箇所は、乾燥後に再度塗料をのせていきましょう。

 

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 ウォッシングを施したことで、ディテールが強調されると同時に、土や油などで汚れたような印象に仕上がります。左腕の大型クローはあえてヤスリ傷を残した上から油絵の具を塗って、金属疲労が起きているような効果を狙っています。

これは傷に入り込んだ塗料と溶剤の作用なので、あまりやり過ぎるとパーツを破損する可能性があるので、注意しながら塗料を塗りましょう。

 

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 モビルワーカーには2種類のマーキングシールが付属しています。コーションマークなどは透明のテトロンシールで再現され、“危険”を示す黒と黄色のストライプはホイルシールで再現されています。このストライプはモビルワーカーの視覚的特徴でもあるので、上手に使用することがこのキットを作るポイントといえるでしょう。

 

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 ホイルシールはピンセットでつまみ、正しい位置に貼りましょう。この肩部の場合、下側の“円弧”になっている部分をしっかりと位置決めすると良いです。この部分には凸モールドがありますが、ホイルシールは若干であれば曲面や凹凸に追従するので、シール貼り付け後に綿棒などで押さえてやれば、きちんとなじみます。

 

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 カカト部分はホイルシールを折り曲げることで、多面体にストライプのマーキングを再現できるようになっています。このような場合、まず一箇所(一面)をきちんと貼り込められれば、他の面も貼り込められるように切れ込みが入っています。“カカト後方の面”を基準としてホイルシールを貼るのがオススメです。

 

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 次に、シール全体を軽く折り曲げ、“カカトの上面”を貼ります。その後“カカト左右の面”を片側ずつ、同じ要領で折り曲げて貼り付ければ完了です。

シールの切れ込みを合わせることも大切ですが、この場合は黒と黄色のストライプがきちんと繋がることを意識して折り曲げましょう。

 

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 ホイルシールを全身に貼った状態です。このままではホイルシールと全体のツヤ感が異なるので、再度「ツヤ消しクリアー」を吹き、全体のツヤを整えておきましょう。

 

■まとめ

ホイルシールを貼った後にウォッシングを施すと、溶剤の影響でホイルシールの“のり”が弱まってしまううえ、シールの印刷面を痛めてしまう可能性があります。面倒でも、ツヤ消し(一回目)→ウォッシング→シール貼り→ツヤ消し(二回目)と手順をわけて作業を進めてください。

 

 

今回は、チッピングによるウェザリング塗装の前段階として、ディテールにメリハリを付ける「ウォッシング」について説明しました。次回は、チッピングを用いた塗装法を紹介します。

 

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