素組みでガンプラ!【基礎】スポンジを使った鋳造表現 後編
超基本からちょっとしたワザまで、ガンプラを素組みで作る“コツ”を、プロモデラー・桜井信之氏が指南する本コーナー。
ここでは、「HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン」を使用して、簡単な鋳造表現の方法を紹介します。
「スポンジを使った鋳造表現 前編」では、ウォッシング作業といった下準備を行いました。後編ではウレタン(スポンジ)を用いた塗装で「鋳造表現」を再現していきたいと思います。
1 まずはさまざまなスポンジを見てみましょう。今回使用したのは3種類。一番右は最もなじみのあるキッチン用のスポンジで、食器などの洗浄に用いるタイプのものです。
2 さて、ここからはちょっと変わったスポンジを紹介しましょう。これは就寝中に髪の毛に巻きつけ、髪をカールさせる際に用いるものです。アップ写真を見てください。スポンジの目がかなり細かいことがわかるでしょうか。
3 こちらは洗顔用の泡立てスポンジ。洗顔料を効率よく泡立てるために、スポンジの目は粗くなっています。これらのスポンジを使いわけて、鋳造塗装を行っていきます。
4 ここで使う塗料は、茶系の3色。手・脚などはGSIクレオスのMr.カラー19番「サンディブラウン」、318番「レドーム」。ボディなどの濃い茶色の箇所には119番「RLM79サンドイエロー」と同じく318番「レドーム」です。
5 まずは「サンディブラウン」を使って塗装します。スポンジに塗料を付けて塗装するのですが、フタの裏側に付着した少量の塗料で十分です。
6 まず何度か紙の上に“ポンポン”とスタンピングして、余分な塗料を落としていきます。紙に押し付けるようにして、スポンジが含んでいる塗料の8割くらいを落とすようにするとよいでしょう。
7 スポンジに含んだ塗料が少なくなってくると、スポンジ目のテクスチャーが紙に付くようになります。この状態になったら模型にスタンピングしていきます。
8 スポンジに含んだ塗料は半乾きになっているので粘度が高く、模型に付着した時点で立体的に塗料がのります。スタンピングする色みは、基本塗装より若干明るめにしました。
9 ここで各スポンジの目と、スタンピング痕を比べてみましょう。
キッチン用スポンジと比べ、目の細かいもの・粗いものでは、それぞれの特徴が異なるのがわかるでしょうか。「模型の大きさ(縮尺スケール)」や「どのような表現をするか」でスポンジの種類を使いわけましょう。
10 その後、2回目は「サンディブラウン」に「レドーム」を加え、明度を上げた色でスタンピングをします。
11 その後、さらに「レドーム」を加えた色で3回目のスタンピングを行います。スタンピングを繰り返すことで凹凸が増え、明度を上げた塗料をのせることにより、ドライブラシしたような効果になります。
12 ヒザ周辺を見ていただければわかりますが、エッジ部分にも明るい塗料がのるので、角ばった部分にドライブラシをしたような効果も生まれます。同じようにボディなどの濃い茶色の部分「RLM79サンドイエロー」を基調に、「レドーム」を加えて三段階のスタンピングを施しています。
完成写真はコチラ!
まとめ
本来はラッカーパテをラッカー溶剤で溶いた“溶きパテ”を模型表面に塗り、歯ブラシや筆で叩いて「鋳造表現」を施します。その後ドライブラシなどを駆使して凹凸を強調していくのですが、ここで紹介したようにスポンジを使っても簡易的な鋳造塗装を行うことが可能です。
スポンジにどのくらい塗料が残っている状態がベストなのかは、実際に紙や不要パーツなどで実験して感覚を掴んでください。塗料の明度も段階的に上げていくことで、より効果的に仕上がりますよ。
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DATA
HGUC 1/144 MS-09F ドムトローペン サンドブラウン
- 1/144スケールプラスチックキット
- 価格:1,728円(税込)
- 発売元:バンダイホビー事業部
関連情報
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